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2023年7−9月

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2023年7-9月に投稿した記事。
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記事一覧

『草木塔 山頭火句集』復刻版 創風社出版

『あなたへ』で山頭火の句が取り上げられていて、気になったので目を通すことにした。山頭火の…

熊本熊
7か月前
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『あなたへ』 監督:降旗康男、主演:高倉健、公開:2012年8月25日

動画のサイトを開くと、おそらく自分が以前に視聴したものと関連のあるものが選ばれて画面に並…

熊本熊
7か月前
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ジャレド・ダイアモンド著 倉骨彰 訳 『銃・病原菌・鉄(上下)』 草思社文庫

6月の最後の木曜日に職場の勉強会でホモサピエンスの移動と言語の多様性について話をしたとこ…

熊本熊
7か月前
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坂田和實 『古道具もの語り』 新潮社

8月26日に日本民藝館を訪れたとき、売店で本書を見かけた。坂田が東海道新幹線の車内誌『ひと…

熊本熊
8か月前
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トク・ベルツ編 菅沼竜太郎訳 『ベルツの日記(上下)』 岩波文庫

公開を意図せずに書いた私的な文章が持つ面白さの理由を分析したら、公開を意図した中途半端に…

熊本熊
8か月前
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スズラン給食

26日土曜日に日本民藝館で仏教美術研究家で弘前大学名誉教授の須藤弘敏氏の講演「みちのく 近…

熊本熊
8か月前
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中井久夫 『治療文化論 精神医学的再構築の試み』 岩波現代文庫

「名著」らしい。しかし、私如きシロウトにとってはその「名著」の所以がさっぱりわからず、「猫に小判」とか「豚に真珠」の類だ。「私に小判」「私に真珠」とも言える。内田百閒流の「リアリズム」ということで言えば、本書は私にとってほぼ「無」である。ここで私のこのnoteは終わり、ということになる。それもナンなので、付箋を貼ったところをざっと読み直したのだが、なぜか付箋の箇所は本論から逸れたところばかりだった。 岩波文庫に『ベルツの日記』というのがある。あるのは知っていたが読んだことは

焼石に水

里帰り照らす陽射しは変わりなく一億五千万キロの熱 夏休み暑さはいつか忌避の的国民総出我慢…

熊本熊
8か月前
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サラリーマン考 『「つながり」の精神病理』

本書には私が社会人になった前後に書かれたものが収載されている。私が大学を卒業して証券会社…

熊本熊
9か月前
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家族考 『「つながり」の精神病理』

私が高校を卒業したのは1981年3月だ。高校在学中の1980年11月29日に神奈川県川崎市高津区で浪…

熊本熊
9か月前
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中井久夫 『「つながり」の精神病理』 ちくま学芸文庫

中井のことは今年になってアマゾンの「あなたへのおすすめ」で見かけるまで全く知らなかった。…

熊本熊
9か月前
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月例落選 短歌編 2023年8月号 とりあえずの最終回

角川『短歌』の定期購読は既に終了しているため、職場の最寄りの書店で落選を確認する。投函し…

熊本熊
9か月前
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エドワード・キエラ 著 板倉勝正 訳 『粘土に書かれた歴史 メソポタミア文明の話』 …

古本で手にしたのだが、ポスト・イットの付箋を貼って、貼り直そうと剥がしたら紙の表面まで一…

熊本熊
9か月前
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旧ソ連考 『危機言語 言語の消滅でわれわれは何を失うのか』

1989年5月の終わりから6月の始めにかけて西ベルリンを訪れた。「ベルリンの壁」が見たかった。東西の通行窓口の一つであるチェックポイント・チャーリーと呼ばれる検問所の近くに「壁の博物館(Mauer Museum)」があった。今もあるらしい。そこには東から西への逃亡の記録が展示されていた。記録というのは、逃亡の方法についての解説、逃亡に用いられた道具類の実物あるいはレプリカ、逃亡に失敗して命を落とした人の名簿、などであった。その名簿の最後に記されていたのは、ハンガリーからオース