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2023年

52
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記事一覧

中西進 『新装版 万葉の歌びとたち 万葉読本 II』 角川選書

自分とは何者か、というのは意識するとしないとにかかわらず誰しもが抱えている疑問、懸念、不…

熊本熊
1年前
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赤瀬川原平 『中古カメラ あれも欲しい これも欲しい』 筑摩書房

本書を手にしたきっかけは『老人力』の中の一節にある。「凄くいい」と書いてあったので、気に…

熊本熊
1年前
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国宝茶碗

毎週木曜日の昼休みの時間に職場で勉強会がある。部内の各自が順番で毎回2人、ひとり15分で何…

熊本熊
1年前
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中西進 『新装版 万葉のことばと四季 万葉読本 III』 角川選書

先日、飛鳥山にある渋沢史料館を訪れた。閉館が16時と早く、あまりのんびりとは観ていられなか…

熊本熊
1年前
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月例落選 短歌編 2023年5月号

投函したのは2月13日。既に定期購読は終わっていて、投稿もやめるつもりになっていたので、か…

熊本熊
1年前
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月例落選 俳句編(とりあえず最終回)2023年5月号

投函したのは1月31日。既に角川『俳句』の定期購読を終了しているので、5月号は職場近くの丸善…

熊本熊
1年前
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エーリッヒ・ケストナー著 酒寄進一訳 『終戦日記一九四五』 岩波文庫

奥付に「2022年6月15日 第1刷発行」とある。原書の発行は1961年だ。中に書かれているのは1945年のドイツ降伏前後のことなので、元になっているものがどうであれ、本物の日記ではなく出版物であることには注意しないといけないのかもしれない。それにしても、なぜ今頃になって1945年の日記が発売されたのだろうか。 エーリッヒ・ケストナーは児童文学の作家として有名で、子供の頃の我が家にも『飛ぶ教室』があったのは覚えている。従兄弟からのお下がりだったと思う。しかし、それを読んだ記

疎開考 『終戦日記一九四五』

戦争は決められた戦場で軍隊同士だけが国際法の下に戦う、というものではない。当事者に何か実…

熊本熊
1年前
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日照注意

黄昏て日焼けで痛む頭皮かな 朝から頭が痛い。中ではなく皮。一昨日、ふと思い立って足利を歩…

熊本熊
1年前
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中井久夫 『私の日本語雑記』 岩波現代文庫

以前にも書いたが、言葉というものに興味がある。言語学者以外で言葉を職業として研究している…

熊本熊
1年前
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鈴木大拙 『日本的霊性 完全版』 角川ソフィア文庫

2016年3月12日に日本民藝館で岡村美穂子さんの講演を聴いた。岡村さんは鈴木大拙の秘書を務め…

熊本熊
1年前
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月例落選 短歌編 2023年6月号

角川『短歌』の定期購読は既に終了しているため、仕事帰りに職場近くの丸善丸の内本店に寄って…

熊本熊
1年前
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中井久夫 『「昭和」を送る』 みすず書房

本書は『神戸新聞』、『みすず』などに掲載された随筆をまとめたものだ。標題作が読んで見たく…

熊本熊
1年前
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心の拠り所考 『「昭和」を送る』

心の拠り所ということで忘れ得ぬ話がある。中学校の教科書に載っていたものだ。成人してしばらくは義務教育から高校までの教科書や副読本を全て保管していたのだが、貧弱な住宅事情のためいつの間にか手放していた。ただ、いくつか脳裏から離れないものがあって、その一つが「一切れのパン」という短い物語だ。義務教育の教科書に採用されるような話なので、いつでも原典を入手できるだろうと、自分の記憶を確認する作業を怠っていた。数年前に、何かの事情で急に気になることがあって、探してみたのだが容易に見つけ