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2024年1-3月

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2024年1月から3月に投稿した記事。
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記事一覧

古今亭志ん朝 『世の中ついでに生きてたい』 河出文庫

先日、noteでシズさんがビックリハウスのことを書いていたので、懐かしさを覚えてコメントを付…

熊本熊
1か月前
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蛇足 『職人歌合』

「職人」というのとは違うのだが、「職人」で思いついたことがある。道楽で陶芸をやっている。…

熊本熊
1か月前
23

網野善彦 『職人歌合』 平凡社ライブラリー

「職人」という言葉に何を想うだろう。私は堕落した賃労働者なので、自分の腕で暮らしを立てる…

熊本熊
1か月前
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網野善彦『宮本常一『忘れられた日本人』を読む』岩波現代文庫

本書では「東日本と西日本」という章を設けている。宮本の方でも明確に東西を分ける境界のよう…

熊本熊
1か月前
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宮本常一 『忘れられた日本人』 岩波文庫

本書はずいぶん前に読んだのだが、最近になって網野善彦の『『忘れられた日本人』を読む』を読…

熊本熊
2か月前
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たまに短歌 カラスが鳴いたA地点

ほうほけきょ白梅香る白日夢 カラスが一羽ニヤリと笑う そのときは梅に夢中でほうほけきょ A…

熊本熊
2か月前
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たまに短歌 思い出したこと

とっくりを さんざんならべ ふとおもう ちょうしにのるな でんしゃのじかん 徳利をさんざん並べふと思う 調子に乗るな電車の時間 酒はそれほど飲まないので、この歌のような経験は無い。「とっくり」と「ちょうし」を掛けることで頭がいっぱいになっていて、何か言ってみたいのである。それに、無理に短歌にしなくてもよさそうなものだが、自分でこのnoteの題材を歌、俳句と読書ネタと決めているので、ここに書くからには何か詠まないと、という思いもある。 昨年2月にフィルムカメラを購入し、そ

たまに短歌 一年経過

ひととせを むいにすごして はるがくる ふりむくさきを わらいたおして 一年を無為に過ご…

熊本熊
2か月前
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松岡宏大 『ひとりみんぱく』 国書刊行会

広告に弱い。築60年近い公団住宅に暮らし、テレビを持たず新聞を読まず、自家用車や自転車を持…

熊本熊
2か月前
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たまに短歌 徳利持参

ひとつだけ思い立っての旅の空 天気も呆れ照らすしかなし 撮り鉄の熱き心に呆れつつ 己が心の…

熊本熊
2か月前
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田中克彦 『差別語からはいる言語学入門』 ちくま学芸文庫

やっぱり田中克彦はおもしろい。差別ということについては近頃妙に喧しい所為もあって、関心が…

熊本熊
3か月前
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宮本常一 『女の民俗誌』 岩波現代文庫

やっぱり宮本常一はおもしろい。丹念に人に会い、信頼関係を築いて相手の経験とその先にあるも…

熊本熊
3か月前
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三杉隆敏 『やきもの文化史 景徳鎮から海のシルクロードへ』 岩波新書

長崎に行ってきた。長崎県美術館で開催している「永田玄の眼」というタイ古陶の展示を観るため…

熊本熊
3か月前
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オルテガ・イ・ガセット 著 佐々木孝 訳 『大衆の反逆』 岩波文庫

個人的な感覚として「大衆」という言葉の響きには蔑みを含んでいる気がする。おそらくそれは、自意識として自分と「大衆」との間に一線を画しているからなのだろう。しかし、国家の体制を超えて、圧倒的大多数の人は自覚するとしないとに関わらず「大衆」として存在している。ところで「大衆」とは何なのか。 ざっくりと言ってしまえば、大衆とは己の存在を当然正当なものとして疑うことがなく、それでいて何事にも当事者意識を覚えることなく貴方任せの無責任な存在ということだ。そういうことであれば、私なんぞ