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どこにいても心は熊本。熊本への想いをつなぐ情報発信。

ふるさと熊本は好きだけど、大学や就職を機に地元を離れる。「いつか」熊本に戻りたいと思っているけど、大学の授業や仕事が忙しくて、熊本のことを考える時間が少なくなってきた。そんな熊本県出身の方にぜひ触れていただきたいものをご紹介します。

いつでも、どこにいても、気軽に地元・熊本の情報に触れることができる。

「どこにいても心は熊本」
そんな想いの詰まった事業が熊本県でスタートしています。

熊本県は九州の中央に位置し、豊かな自然や歴史的な魅力が豊富な地域です。阿蘇や美しい島々からなる天草。馬刺しや熊本ラーメンなど名物グルメのファンも多いのではないでしょうか。

そんな魅力たっぷりの熊本県で、どのような取組みを行っているのか、話を聞いてきました。

ドアを開けると、「あ、お疲れさまです!」と熊本県地域振興課の下山さんが迎えてくれた。
下山さんは、熊本県八代市出身の元高校球児。熊本県内の大学を卒業後、熊本県庁に入庁した生粋の熊本県民だ。

「いつか熊本に戻りたいと思っている人に向けて、仕事の情報や熊本の今を届けることができたらという想いからこの事業がはじまりました。」

熊本県では高校卒業後、進学や就職をきっかけに地元を離れる人が多いそう。地域振興課では昨年度熊本県出身の20代の方々へのヒアリングやワークショップを通じて、事業の内容を検討してきた。数ヶ月の調査の結果、地元を離れている人でも「熊本県が好き」だと回答された方が非常に多かったそうだ。

くまラバ(くまもと Loversの略)というLINEを開設し、就職情報や観光情報、コラムなど、熊本県の最新情報を月2回配信しています。プロフィール登録をしていただくと、ご自身の興味関心に応じた情報が届く仕組みになっています。」

配信だけではなく、興味のある情報を検索できる機能も搭載しているそう。これらの機能もワークショップなどを通じて、若者の声を反映させてきた。

「いつか熊本に戻ってきてほしいという気持ちはもちろんあります。でも、少しでも安心できる、熊本を感じることができる事業にしたいと思っているんです」

安心ってどういうことだろう。

「熊本を離れて都市部で暮らすと、どこか寂しさや心が疲れてしまうときって誰しもあると思うんですよね。そんなときに、少しでも安心できる、熊本が身近に感じることができる。そんな事業にしたいと思っています」

都会に憧れて上京しても、人間関係で悩んだり、心が疲れてしまうときに、地元や親の顔が見たくなることって、たしかにあったかもしれない。

「生まれも育ちも熊本で、熊本の空気感がとても居心地が良くて慣れてしまっているんでしょうね。移住促進という仕事柄、大阪や東京への出張がよくあるんですけど、行くたびに、早く熊本に帰りたくなる。私の場合は極端かもしれないけど、戻りたい、帰りたいって気持ちって若い方であれば、なおさらあるんじゃないかなって」

2023年12月にくまラバはリリース。すでに2,500名以上の熊本県出身者が登録している。

「くまラバを運用するなかで、今の熊本を届けることも大切だけど、『懐かしい』という気持ちになってもらうことが、『安心する』という気持ちに繋がるんじゃないかなって思ったんです」

下山さんが『くまラバ』の担当になったのは4月。担当になってからまず着手したのは、『懐かしさ』を感じてもらうためには、どのような情報発信が必要なことを考えること。

「熊本って、例えば方言や慣習など熊本県で生まれ育った人にしか伝わらないことが結構あるんじゃないかと思ったんです。そこで、地域振興課の職員で『熊本あるある』などのshorts動画を配信してみようと思いました」

地域振興課では、これまでshorts動画を活用した情報発信を行ったことはなかったそう。不安はなかったのだろうか。

「私たち県庁職員が身体を張って、楽しんでいる様子を届けることが大切だと思いました。私1人でやるより、一緒に撮影してくれそうな職員にも声をかけ、トライアンドエラーを繰り返しながらやってみようと思いました」

現在、shorts動画は月2回配信。これまで5本の動画を制作してきた。熊本弁を題材にした『熊本あるある』や『おすすめスポット』など、どれも地域振興課の職員が出演していることが特徴だ。

「撮影中は噛んでしまって、何回も撮り直すことになっちゃって」

そう笑いながら教えてくれたのは、地域振興課の本村さん。下山さんに誘われて、一緒に動画をつくっているメンバーだ。本村さんは、熊本県美里町の出身で、美里町役場の職員。現在は美里町役場から熊本県庁に派遣で来ている。

「熊本を思い出してもらうことも重要なんですが、動画を見た方の大学や職場のご友人に、熊本ってこんなところだよって紹介したくなる、そんな動画をつくりたいと思っています」

動画を見た人が自分の地元を他の人に紹介したくなるって、とても素敵な循環だと思う。本村さんのNGシーンを動画にしてしまう、そんなほっこりする動画があるのも『くまラバ』の特徴なのかもしれない。

https://youtube.com/shorts/87VIfel7D0U?si=BebIv0Cv0_BoKA15

「今の動画って大人目線のものが多いんですよね。例えば、学校の教室での出来事や体育祭、先生に熊本弁で怒られた思い出など、学生時代にこんなことってあったよねっていう瞬間瞬間を切り取ったような動画をつくってみたいですね」

そう話してくれたのは、同じく地域振興課の戸上さん。熊本県和水町の出身で、今年4月から和水町役場から派遣で来ている職員だ。

「熊本が持ってる魅力をいろんな世代の人に見てもらいたいですね。そして、熊本にいる人にも熊本の魅力を再認識してもらえるようなツールにできたらいいなと思います」

最後に、下山さんにこれからの『くまラバ』の展望について聞いてみました。

「Uターンで戻ってきてもらうために、皆さんがほしい情報をお届けできるよう精度を高めていきたいですね。そして、もっと熊本が好きになってもらえる事業にしていきたい。自分の住んでる地域や知ってる地域が出てきて、やっぱり熊本っていいところだなと思ってもらえるように、楽しみながら頑張っていきたいです。」

熊本に住んでいる方も、今は熊本に住んでいない方も、熊本の魅力を再発見できる。そして何より、熊本が懐かしくなったときや、寂しくなったとき、あたたかい気持ちでつくられている動画を見ると、少し元気が出そうな気がする。

いつでも、どこでも簡単に情報が手に入る時代。だからこそ、情報だけではなく温もりを感じられる『くまラバ』は、熊本県出身の皆さんにとって、心強い存在なのかもしれない。

どこにいても心は熊本。
気になった方は、ぜひ『くまラバ』で熊本と繋がってみてください。

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(文/撮影 佐藤陽)