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扁桃腺がメンヘラになった話

時は4月25日、
4日後のワンマンライブの準備に勤しんでいた。

はずなのだが、、、、


血尿のトラウマで集中できない 


人間の思考はコントロールできないいい!!!!
(現在6月26日に確定診断ができて現在落ち着いてます)


自分の人生がどうなるかお先真っ暗状態だった。
突然現れた謎の病気、私は将来どうなるのか?

寝落ちながら調べ、起きても調べ、駅ではすれ違う人がみんな健康に見える。私はどうなる?!?
気が気じゃないマックス10000000%だった。


4日後のライブは必ず成功させないといけない。
一つのミスも許されない。


それなのに、私が調べに調べ倒している言葉は
 

IgA腎症だった。

完全に思考の罠にハマっていた。

でも罠にハマったおかげで取得できた情報をまとめる。

事実を伝える。
何かに例えるならば、


私の扁桃腺はメンヘラになってしまっている。




メンヘラを繰り返し腎臓くんの家を燃やす細胞達

度重なる、何かの菌の攻撃から私の体を守るために
少しおかしくなってしまったのだ。

そして、扁桃腺ちゃんの愛情深い
守りたい気持ちが歪んでしまい

過剰になりいつしか、愛の形が歪み

結果腎臓くんという彼を攻撃しまくってる

きっとLINEも送りまくってるし、
電話もかけまくってるし、

Instagramも何分前にオンラインになったか
チェックしてると思う。

そうしてるうちに腎臓くんがキャパオーバーに
なって、細胞から色んなものが漏れ出し
血尿につながっているらしい。

扁桃腺ちゃんは決して悪気がない。
身体を思い、守ろうとしてくれてる。
しかしその愛が歪んでしまって変な形の
重めの愛を分泌しまくっている。

結果、腎臓くんの負担になってる。

なので、もう別れてもらうしかないそうだ。

これから色んな弊害があるかもしれないし、

ここで、扁桃腺ちゃんと腎臓くんにはお別れしてもらうことになりそう。

私も自分の臓器がメンヘラになってるとは思わなかった。喉も強いし、3年くらい声は枯れてないし
12時間ぶっ続けてレックをしても耐えれる喉。

扁桃腺チャンはタフで強い子だと思ってた。
ちょっと負担かけすぎたな。少し心が痛い。

もう少し炎症がひどいと、腎臓くんに
届いてたLINEや記憶を消すためにステロイドで
全てを抹消するという作業も必要だそう。

もう全てを解決するには一旦腎臓くんに
扁桃腺ちゃんとの色んな思い出全て
かき消して新しい道を歩んでもらうしかないらしい。

なかなか消えないんだって。扁桃腺ちゃんとの記憶が。

だから難病なんだって。ドラマじゃん。

そんなドラマを考えてる内に、
私は大学病院で検査を受ける前の
最後の東京に飛び立った。

ソロの衣装さんはいつもの信頼してる方で、
膝にバンドエードの可愛いタトゥーが入ってる。

いつも沢山冗談を言ってくれるんだけど、
「血尿が出ました。へへ」半笑いで伝えると

いつもは冗談を連発してくれる達人が
お前、マジかよ。。と
迎えにきてくれたゲレンデバーゲンの車内が
一瞬、お通夜になった。自分でも自分のヤバさに気がついた。笑い事じゃねえ!!

後から聞くと
やっぱり少し顔がやつれてて心配してくれてたそう。

母からはライブの前日、

「今はライブだけに集中するんや。
終わってから悩む時間はある。切り替えていけよ。」

と、まるでボクシングの休憩タイムにコーチからかけてもらうような言葉を貰い、
どうにもこうにも行かない思考を振り切り
ライブを迎えた。

結果、大成功。もう覚えてない。今思えば、
正直体調もそんなによくなかった。
けど、気力と精神力だけで公演をした。
何かが乗り移ったように歌った。そんな日でした。

次の日の我儘ラキアのライブが終わった翌日に
大学病院に初めての検査に行くことは決まっていた。

大問題なのは
特典会をライブの後にやると新幹線に乗れない問題だった。

始発で戻るという手もあったけど、なんか自分的に嫌だった(我儘)
自分のスケジュールの都合で変更してもらった。

それのお知らせの出し方もほんとクソほど悩んだ。

絶対にソロワンマンとラキアのライブ前に

ユニコーンカラーのおしっこが出て、
大学病院に検査しにいくなんてバレたくない。

どれくらいヤバいかも分からないし、
まず膀胱炎かもしれないし!!!!
(残:期待値この時10%)

何よりわたしの心の準備ができてなかった。
自分の準備ができてないのに人に伝えて
心配をかけてしまう状況が耐えられないと思った。


得体の知れない謎のユニコーン病人、
星熊には絶対なりたくない!!!!
謎の不安を煽るだけだ!!膀胱炎の可能性もある!!


それに、そんな前情報があってライブをみても、

あ、これから謎のユニコーン病の検査受ける人だ。

ってなるだけだ!!!もう病人フラグばちばちで
謎の検査受ける人のライブを見て何を思うかって?


シンプルに大丈夫ですか?


 
じゃないですか、サバイブとか歌ってる場合じゃないんですよ。お前が生きろよ、すぐ帰れよってなると思ったから。

どうせなら、治療方針が決まってからみんなに
発表をしたい。。。。

心配という印象で
私のアートや音楽が薄まるのが嫌すぎて、

病気のことを打ち出すのは検査結果が出るまでは待ってもらいました。

 

そして次の日、大学病院に辿り着く。
まずクソでけえ。何十階建の病院だった。

病院に着くなりキャビンアテンダントみたいな人が飛んでくる
「初診の方ですか?ご案内しますよ。」
優しい。まろやかな暖かさ。

きっと挙動不審な顔をして立ち尽くしてたんだろうな。
デカ病院素人がバレバレである。

呼び出される前に、自分の気持ちに○をつける紙をもらった。

もしかして3番だったかも


何の迷いもなく不安で満ち溢れているところに○を書き殴った。

血液検査も、
まるで私の大好きなサイバーパンクの世界だった。
もはやフェス会場みたいになってる。検査フェス。
フェスの出店みたいな感じで色んなブースがある。

大量のブースに血を抜き取るだけの看護師さんがいる。

デカ病院素人の私は緊張でおしっこが出なかった。
尿検査必須の病気なのに。ソファに座って
おしっこが出るまで待つというイベントを始めて行った。

おしっこはユニコーンカラーではなくなっていた。
安心しきっていたが、

後から分かったのは、
目に見えない黄色いおしっこなのにそこになんと血の成分が大量に含まれていて
完全にゴリゴリに検査にひっかかっていた。

みなさん、血尿は赤だけではないです
赤のおしっこは肉眼的血尿といいますが、

黄色のおしっこでも、血尿になっていることがあります。サイレントキラーやん。

結果を待つまで、心が張り裂けそうだった。もし悪かったとしても
治療をしなかった今日より悪くはない。。。
そう言い聞かせて
ついに名前が呼ばれた。

とってもいい先生だった。私が不安で張り詰めているというやつに殴り書きの丸をつけた事前情報を知ってたからか知らないけど優しかった。

「数値は、初期の初期だけど恐らくIgA腎症で間違いないだろうね。
腎生検といって、針を背中に刺して腎臓の細胞を取ってみないと確定できないから。やっときましょう。いつ休めますか?腎臓に針をさすので、その後一ヶ月は運動できません。」

膀胱炎の希望はブリブリと破かれた。

しかも、一ヶ月?!?!!!!?

や、休めないい!!!!!!

色々ライブも詰まってたので
1ヶ月後の6月になんとか予約をした。


「他に何か聞きたいことは?」




「先生、私来週からダイビングに行くんですが、
海に潜っても良いのでしょうか?」

「ジェットコースターは乗ってもいいですか?」

さっきまで不安で気が狂いそうだったのに、

急に陽キャの皮を被り始めた自分がいた。

自分でも自分の質問のポジティブさに笑った
めちゃくちゃ人生楽しもうとしてるやん。


先生も看護師さんも爆笑していた。
多分こんな事聞く人はあんまりいないのかも。


「いいですよ、
治療前のしばらくの最後の楽しみとして」



「ハァ?!今なんと?!?!?!?!??!!!!!」


私はダイビングにハマっていて、
去年で3回も海底に潜っていた。

相席食堂で芸人の人がダイビングしている姿を見て
無性に自分も潜りたくなって始めた。
動機が少しおじさん臭いが気にしないでくれ。


なのに、で、できないってー!?!!?!?!?!?
ステロイドを使う治療をすると免疫が下がるから
海という見知らぬ場所に掘り込まれるのは良くなかったらしい。

(幸い、私は今ステロイドを使わなくて済むレベルだったので、それは無くなった)


10%膀胱炎という希望は砕け散った。


だけど、まだ0.2%残ってたので最後に玉砕する気持ちで先生にこう言い放った。


「やっぱり、IgA腎症ですよね。当てはまりすぎて、、、」




「うん!正解大正解!予想的中!⭐︎」


嬉しくなーーーい!!!!!!!!!


次回、究極の大イベント 腎生検入院編スタート。

続く

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