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怒涛の8月

夏休みをまったりと過ごし、さあ今日から仕事再開だと思った朝イチにそのLINEは来た。

「咳が出てるので病院に行きます」

まさか。
いや、可能性はむしろそちらの方が高いはずだと冷静な部分の私は囁く。でも。
軽症であっても、もし、万が一?重症化したらどうしよう。二重の意味でどうしよう。
込み上げるものをぐっと押さえてお大事に、気にしないでと返事を返した。

ほどなく会社に陽性、と連絡が入った。
だけど幸い軽症なので在宅勤務するという。
ええ?助かるけど相変わらずタフだな、と思いつつも無理してるだろうと感じていたたまれなくなる。
私がもう少し出来ることが多ければ、ゆっくり休ませてあげれるのに申し訳ない。なのに、
「ごめんね、申し訳ない!」
ゴホゴホ咳き込みながら電話の向こうで謝ってくる。何が?いいえ、むしろ私こそが、いなくても支えきれない私が無能じゃないか。
そこから在宅と出社している私と、LINEと電話で業務を進める日々が始まった。
最初の1日くらいはなんとかなったが今度は後輩もコロナになった。
もう笑うしかないが、私ひとりで仕事を進めなくてはならなくなった。
何度もごめんね、と謝られる。
いや、コロナになったのは仕方ないことで、なんにも悪くない。もしかしたら私も罹患したかもしれないけど私だけなら何も影響なかったはずで、無力で無能なのは、私だ。
「なんにも、迷惑じゃないよ!」
言い返してしまった。
なんとかなるよ、なんとかするよ。だから、お願いだ。

早く元気になってほしい。

それは祈るような気持ちだった。いかに自分は支えられてきたのか、励まされてきたのか、甘えてきたのか。謝るのは私の方だ。
ごめん、頑張るよ。


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