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シリーズ都道府県

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掌編・短編小説のうち 都道府県をテーマにした旅の作品を毎週格納します
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記事一覧

仕事について話そう 第1142話・4.4

「ライラックが奇麗で素敵な街だったわね」「お前また北海道の話か、まあ楽しかったけどな」そ…

AIとつくってみた 第1112話・2.19

「ち、つまんねえ奴の作品だ」ある作品を読んだ俺は、思わず口に出しかけるのを抑えて頭の中で…

私の仕事 第1109話・2.16

「可もなく不可もなく」か、社員旅行の幹事として千葉県の観光を提案してみた社長や会社役員の…

名前の由来 第1077話・1.13

「うん、川の向こうは埼玉県か」グルメ雑誌の編集長茨城は地図に書いてある埼玉県という文字を…

下水管のトラウマ 第1051話・12.15

「この中に入るのか?」許可を得たので、マンホールのふたを開けて中に入った。なぜこんなこと…

紅葉前線レポート 第1021話・11.13

「無理したあの事が無ければだ。ちゃんと来てくれただろうけどな」日曜日の午前中、敦夫は相模…

おいしいお店 第999話・10.20

「周りから何も言われないから、つくってみたよ」ここは山梨県内を走っている列車の中。高校生の今治美羽は、学校は違うけど幼馴染でそのまま付き合っている尾道拓海にサンドイッチを手渡した。 「おう、美羽が作ったのか。いいねえ」拓海は、美羽の次の言葉を待つなくサンドイッチを口の中に入れる。「うん、うん、おいしいよ」と上機嫌。だが美羽はあまりうれしそうではなかった。 「でも、それ素人が作ったものだから」美羽は自信がなかった。拓海が気を使っている気がしたのだ。だが朝から何も食べていなかった

石廊崎と御前崎 第983話・10.4

「熱海には、映えるブランコがあるって雑誌に書いていたんだけど......」助手席に座っている木…

蟹のツメの間に 第975話・9.26

「はっきり島影が見える。今からあそこに行けばいいのね」私は愛知県の知多半島にいた。半島の…

秘境の駅から歩いて県境を越える 第968話・9.19

「ぐえ、ここから歩いて3時間か」男はめまいがした。そのダメージは目の前の風景を、一瞬反転…

ホタルイカを食べた後に見ようかと 第962話・9.13

「じゃあ、あの飼っている仔は、預かってもらっているのか」手伝ってくれる先輩に僕はうなづく…

100万石の街で湧けるか創作意欲 第955話・9.6

「しかし、あいつもなかなかやるのう、ワシも負けてはおれんぞ」 「じいちゃん、どうしたの」…

越前の海岸へ 第947話・8.29

「なにかさ、通勤中に異空間に紛れ込んだって、会社の後輩が変なこと言ってたけど、こうやって…

呂 第941話・8.23

「うーんと大体3時間かしらね」列車の中にいる女は時計を見た。時刻は午前11時。女は今ひとりで2泊3日の岐阜旅行に来ている。昨日は飛騨高山で1泊し、今日は下呂温泉で2泊する予定であった。 「ひとり旅もあとわずかね」女が言うように、下呂温泉のとある旅館では夫と待ち合わせをしている。つまり夫の仕事の関係で、最初の1日半だけ女ひとりで旅をしていたわけだ。ちなみに夫は直接下呂温泉に向かい、夕方旅館で落ち合おうということになっている。  ところが女が不思議なことにあと3時間と言っていた