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日々掌編短編小説(そよかぜの千夜一夜物語)

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2020年1月1日から、ほぼ毎日掌編小説を執筆中。東南アジア小説をはじめ、興味のあるあらゆるジャンルをネタにして作品を発表しています。ちなみにこちらには「書き下ろし」としてしばら…
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2020年12月の記事一覧

阿呆と年越しそば

「おい、佐藤はアホか!何やっている!とろとろせずに、早く12番テーブルに行け」「あ、はい!…

餅をつきながら

「本当は杵(きね)と臼(うす)があれば、最高なんだがな」電気餅つき機を目の前にした、海野勝男…

ことばって「福」

「言葉って福だよなぁ。さて今年もあと3日。来年はもっと福のある1年になってほしいものだ」…

銀世界のウォーキング

「一体ここどこ?あれ、私何してたの」気が付けば女性は、ここに来るまでの記憶を完全に失って…

major cleanup ~年末の風物詩の労働とその後に~

「年末年始のお店の勤務は? 魚たちの管理はどうするの?」「ああ、30日と31日は俺が担当で、…

1日遅れの意外なプレゼント

「ニコール。クリスマスお疲れさん」「信二ありがとう。でも、今年はあれ、まだカウントダウン…

クリスマスを盛り上げた龍の橋

こちら の続き設定ですが、単独で楽しめる作品です。 ーーーーーーーー 「ほう今日はふたりでデートなのか」「そうみたい。あのふたり本当にお似合いだから結婚するかも」  クリスマスの夜。仕事から戻ってきた野島健太郎は、妻のベトナム人リエンから、甥のフットが日本人の彼女・成美とクリスマスも楽しんでいることを知って口元が緩む。 「まあ、あのふたり付き合い始めだからなあ」「そう考えたらワタシタチのことも思い出すわね」「ああ、そうだ。12月に出会ったもんな。初めて過ごしたクリスマス

大人になっても信じたサンタクロース

「私はね1958年12月23日に生まれたんですよ。何の日かわかりますか?」白髪交じりの宿泊客であ…

時空を超えたクリスマス(後編)

前編はこちら    翌日、ヨセフとジャックと伸三の3人は近くに住んでいるマリアの家を目指…

時空を超えたクリスマス(前編)

 クリスマスが近づく街の中を歩いている仲良し4人組。今いるのはそのうちの3人だ。「もうすぐ…

猪苗代湖のパパ ~都道府県シリーズその7 福島~

「浅崎君、どうやら今月も我が会津営業所で君がトップの成績になりそうだな」「垣田所長ありが…

演者が下げると客が落ちる

単独作品ですが、こちら の話の続き設定です。 「太田君、明日覚えている」「おう、わかって…

宇宙を学ぼう

「拓海君、クリスマスって何するの?」  中学3年生の尾道拓海は、近所に住んでいる幼馴染で、…

Space santa claus

「本日12月17日は、飛行機の日。これを記念した富士山遊覧ツアーにご参加の皆様ありがとうございます。当機は間もなく富士山上空に差し掛かります」とアナウンスが流れたプロペラ機。  高度5000メートル上空であったが、この日は下界の天候が良くなかった。そのため、雲のじゅうたんの上を這うように飛んでいる。  すると雲の上に頭を見せる富士山が見えてきた。ところが「あ、あれは」座席にいたひとりが騒ぐ。「え、何あれ」「オイこっちに近づいて来るぞ」「キャー」 -----  2019年