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日々掌編短編小説(そよかぜの千夜一夜物語)

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2020年1月1日から、ほぼ毎日掌編小説を執筆中。東南アジア小説をはじめ、興味のあるあらゆるジャンルをネタにして作品を発表しています。ちなみにこちらには「書き下ろし」としてしばら… もっと読む
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2020年11月の記事一覧

本みりんとタイ料理で晩酌

「どうしたの、紙袋なんて」海野沙羅は、会社から戻ってきた勝男がいつもと違う袋を持っていた…

1年後のアドベントへの想い

「すみものがたり」のふたりが見たアドベント「圭さんいよいよ今日からアドベントが始まるよ」…

平和で穏やかな大洋

「おい、こんなところに呼び出してどうしたんだ!」  ここはカフェ・パシフィックオーシャン…

killing comment ~東海4県ミステリーツアーの始まり~

 出張から戻ってきた俺がが家に戻ると、妻が薄暗い部屋で家事もせずにパソコンの前で何かをし…

監獄に戻った観光客

「やけにリアルだなあ。本当に風呂に入っているみたいだよ」ひとりの男がとある博物館を訪れた…

マイホームドリーム

「あ、じゃあ今日はこれで失礼します」熱帯魚店で働く酒田洋平は、いつもよりも早く帰ることに…

鰹節の営業してたら突然変身して魔法少女に

「あなた本当に玲子!ずいぶん変わったわね」  彩花はショッピングセンターで声をかけられ、久しぶりに出会った玲子を見て驚いた。「そう? 私そんなに変わったかなあ」  二十歳を遠に越えているのに、化粧っ気が全くない。それにダサい服ばかり着ていた根暗な玲子が、見違えるようにおしゃれなな恰好をしていた。バッチリとメイクをして、キュートな黄色のワンピース姿。さらに髪や胸元、指にいろんなアクセサリーをかわいらしく身に着けている。 「一体どうしたの?声も前と比べてセクシーになっているし。

別れの前の男鹿半島 ~都道府県シリーズその4 秋田~

「男鹿半島の入道崎灯台か、懐かしいわね。あれからもう8年」偶然にパソコンに映し出された男…

円盤は空を飛ぶのか

「最近また感染者が急増しているようですね」「弱ったなあ、また夜は自粛生活か。しばらくこう…

定食に入っていたグリーンピースって

 ここはある公共の図書館。大きな図書館なので、夕方まで営業している食堂が併設されていた。…

歴史のパラレルワールド本能寺

「じいちゃん、どうしたの?」大学生の大樹は大好きな祖父・茂にメッセージで、部屋に呼び出さ…

11月第3木曜日深夜のイタリアン

「康夫もうすぐ日付変わるわね」「マリエルそれがどうしたってんだ。毎年嫌いな瞬間だぜ全く」…

夕暮れに飛び立つ布

「これは何ですか? 言っていた布とは違いますね。悪いですけどもう御社との取引をやめさせて…

北の大地で味わう語韻の旅

1、ハンドル方手に「弥立つ」(いやたつ) 「さあ着いたぞ」新千歳空港に降りたつと思わず身震いしたある旅人。北海道の広さを思いっきり体感したいと、レンタカーで道内を走り抜けることにした。 「予定では今日のうちに網走市内のホテルが目標だ。そして旭川で遅めのお昼、ラーメンを食べよう」そんなことを頭の中で思い浮かべて、空港からレンタカーのカウンターへ来た。「こちらの車です」と言われてキーを受け取る。 「さあ今からスタートだ。ハイブリッド車のエンジンをかけると、旅人は深呼吸をしな