見出し画像

2)フロアディレクター=FDは空気感の演出家である

前回はフロアディレクター=FDが一番に考えるべき事、それは
「全ては出演者の為に」
「出演者ファースト」

だと書かせてもらいました。

それが分かった上で、今回は実際にFDが現場で何を演出するのかを考えます。


「ディレクター」とは現場を指揮し演出する人、つまり「演出家」と言えば分かりやすいでしょうか。

仮にも「ディレクター」と名前が付いているのですから、FDも単なるカンペ出しではありません。

何かを演出する役割があると思っています。


ある1時間の情報番組があったとして、番組全体の内容、進行などを構成作家などと一緒に考えて演出するのはチーフディレクター。

各コーナーのVTRの内容を考えて演出するのは、そのVTR担当のディレクター。

スタジオ展開のコーナーがあれば、そのコーナーの担当ディレクターがスタジオ展開の内容などを決めて演出します。

このようにテレビ番組には本当に多くのスタッフが関わり、細かく役割分担された中で自分の役割をしっかりと果たす事で一つの番組がうまく放送されているのです(そこには他にもカメラマンなどの技術スタッフやメイク、スタイリストなどタレント周りのケアをするスタッフなど、本当に多くの人が携わっているのですがココでは割愛します)。


そんな中でFDは何を演出するのか?

私は今回のタイトルにもした「空気感」の演出家だと考えています。

「空気感」をスタジオの「雰囲気」と言い換えてもいいでしょう。


出演者が気持ち良くない、楽しくない番組が、見ていて気持ちいい、楽しい番組になるはずがありません。

出演者が楽しく伝えるからこそ、見ている視聴者も楽しくなれるんです。


そしてー
スタジオで出演者の一番近くにいるスタッフ、それがFDです。

だからFDがスタジオの雰囲気を作ればいい、作るべきなんです。



と言って、何も難しい事をする必要はありません。

明るく、楽しく、元気に振る舞えばいいんです。


そんな時、武器になるのが大きな声です。
大きな声がFDを救う、と言ってもいいと思っています。

FDが大きな声を出す事で、スタジオに活気が出ます。

活気が出ると、スタジオの雰囲気がパッと明るくなります。

そんな、目に見えないスタジオの雰囲気、空気感は画面を通して視聴者に伝わっていると私は信じているんです。


よく出演者から
「いつも大きな声出してるよね〜」
とか
「その声聞くと元気になるわ〜」
などと言われるので、少なくとも大きな声で元気よく振る舞っていると出演者のテンションが上がる事だけは確かです。


ココでちょっと話は逸れますが…
自分は昔から声が大きく、よく通る声をしています。
学生時代に授業中、同じように喋ってたのに私だけが先生に注意された、なんて事がよくありました。
これは本当に私の強力な武器になっています。
これまでFDを続けられた要因の一つは、この大きな声があったからだと言ってもいいと思っているくらいです。


話を元に戻しましょう。

多くのスタッフが携わる番組の中でFDが担うのは
スタジオの「空気感」の演出

これがうまくいくかいかないかで番組の出来は大きく変わってしまいます。

FDはそれだけ大切な役割を担っている重要なポジションだと思いながら、日々奮闘しているんです。


追伸
FDについて知りたい事、聞いてみたい事などあれば、どんどん質問して下さい。
マニアックな事から覗き見的な事まで、FDに関する事であれば出来る限り、お答えしていきます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?