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30 代女が大失敗しながら、はじめての転職活動で未経験職に就いた話

はじめての転職をして約1ヶ月が経ちました。
まだ1ヶ月しか経っていないですが、今のところ転職して良かったと心から思っています。
残業もほとんどなく、自分の時間を取りながら、能動的な組織の中で学びが多い毎日を過ごせているからです。

私は、前職ではスーパーのベーカリー部門で10年働いていました。
もちろん10年も働いていたので、仕事自体は好きでしたが、残業が多く、これから先40歳、50歳と年齢が上がれば同じように働くことは難しいと感じていました。

なによりスーパーのベーカリーといっても、冷凍生地を扱っており、特に自分で一から作っているわけではないので、当時の私は店長でもない、パン屋としても中途半端というポジションで専門性のなさを感じていました。

ベーカリー部門自体は大変なこともありますが、教え込めば正直パートさんでもできるような仕事だと私は思っていました。
かといって、店長を目指そうとしても、私にはできないような人権がない働き方だったので、ここで専門性を磨くことは難しいと感じていました。

しかし、いざ転職活動を始めても何社も落ち続けてしまい、「自分だけ転職ができない!」と大泣きしていました。

私は働きながら転職活動をしたので、本当に辛かったです。
しかも”世間”では転職しづらくなるという噂の30代。
面接に落ちるたびに自信を無くし、エージェントから送られてくるフィードバックで、自分を否定されているような気持ちになりました。

でもそれは自分だけじゃなくて、そういう人は世の中にもたくさんいて、もしかしたら自分と同じ境遇の人の支えになれるかもしれない!と思い、この記事を書くことにしました。

書くと言っても転職のコツ!みたいなものではなく、私がひたすら失敗し続けた失敗談と本当にやりたい仕事を見つける過程を書いていこうと思います。

私は普段はブログも書いていますが、あえて今回noteを選んだのは、検索しても上位に上がりにくい記事を自分のブログに書くよりも、なるべく多くの方に見てもらえるプラットフォームに書く方が良いと思ったからです。

ネットで転職関係の記事を検索すると、読者が欲しい情報もそこそこに、最終的にはアフィリエイトで転職エージェントの紹介をするという記事がほぼ100%です。
そんな金の匂いのする記事よりも、役に立てるものを本音で書きたいと思いました。

1.初めての転職活動で言われたのは「あなたに紹介できる求人はありません。」


実は転職活動自体は1度失敗しているので、その時の事も踏まえてお話します。

当時の残業時間は月50時間を超えているくらいでしたが、1日に2人しかいない日もあって、朝から晩まで休むことなく動き回っているような仕事の仕方をしていました。

当然疲れが溜まってくると、何の為に仕事をしているのかわからなくなり、この状況から抜け出すために、はじめてエージェントに登録しました。
まずはエージェントと現状確把握の面談ということで、簡単に作った職務経歴書を持って会社に伺いました。

そこで面談がはじまったのですが、今考えても超失礼だったと思います。


エージェントではなく「私が」です。

「転職を考えらえたきっかけは?」
「残業が多くて、身体がしんどいからです。」

「残業は何時間ですか?」
「…正確にはわかりませんが〇〇時間くらいだと思います。」

「どういった業種や職種が希望ですか?」
「…まだ、決まっていなくて…でも、小売はちょっとやりたくなくて…飲食はちょっと…営業はちょっと…。事務もちょっと…。」

「年収はいくらくらいが希望ですか?」
「…特にありません。」

自分の事を聞かれても全く答えられなかったのです。

私はこの時、エージェント=「登録すれば、自分の職歴から自分に合った求人をいい感じに見つけてくれる人」のように思っていました。

当たり前ですが、自分がどのような業界に興味があって、どういった仕事を探していて、どれくらいの年収がほしいか、どういった場所で働きたいかなどをあらかじめはっきりさせ、その希望をエージェントにで話す必要があります。でないとその後の企業との面接なんてできるはずがありません。

そんな曖昧な中飛び込んでしまいました。

エージェントはボランティアでもなんでもなくお仕事でやっています。
相談も無料ですし、その後のサポートも無料です。
どういう仕組みでお金をもらっているかというと、転職希望者を転職させてはじめて転職先の会社側から報酬を貰えます。
その為のステップとしてこうした相談やサポートを無料でしているのです。

なので、私のように意思も固まってなければ、自分のこともわからないような人間は、本来相手にされないor適当な人手不足の企業に突っ込まれて終わるのです。

結局、その後「申し訳ございませんが、紹介できる求人はありません。」と丁寧にお断りのメールがありました。

それもそのはず、これはハイクラスの転職エージェント。当時の私の年収は残業ありきのものだったので、それなりに高かったので面談も受け入れてもらえたかもしれません。
しかし、こうした転職エージェントと面談しても、店長という経験がないことで、結構軽くあしらわれました。

よくスカウト型の転職のCMもやっていますが、ああいったものは年収500万円以上の経験値が高い人のものなのだということを痛感しました。

その後、他の転職エージェントに登録し、何件か求人データを飛ばしてもらい2件応募が通りました。
1つは不動産関係の営業、もう1つはお菓子関係の会社の営業事務でした。
しかし、この1件目の不動産関係の営業の面接の時も私は大失敗します。

面接官の方に「自己紹介をして下さい」と言われて、私はとにかく情報を喋ろうと、超早口で自分の名前と、今やってる仕事について自分がどれだけ貢献しているかを喋りました。

自己紹介が何をどこまで話せば良いのかをよくわかっておらず、自分の凄さをわかってもらえれば雇ってもらえるとおめでたい考えをしていたのです。

しかし、こんな無礼な私に人事の人は
「うんうん、ちょっとまってね。大学はどこだったの?」
「大学からどういう経緯があって今の職に就いたの?」
と、あれだけのワンマンライブ状態だった私に、一つ一つ「こんな感じでやるんやで」と言わんばかりに聞いてくれました。

そして最後に「何か質問はありますか?」の定番の質問があり、私は「今から勉強しておくことはありますか?」などという更に超あるあるな質問をぶつけてしまいました。

その時に「不動産関係なので、宅建をとるように勉強するといいよ、教材も本屋さんで買えますよ。」と言われて、

私は心底
「勉強は嫌…。」と思いました。

何舐めたことを言ってるんだ!と思われるかもしれませんが、今ですら残業ばかりでしんどいのに、また勉強ばかりの毎日になって、自分の時間ができないのはつらいし何より勉強する内容は家について…。

私、家に興味がない。とその時に強く思ってしまったのです。
その瞬間に、この分野は自分には無理だと思い、このプチ転職活動を辞めました。

この日のために5万くらいで一式そろえたスーツも、テレビ電話が繋がらず、電話越しの面接だったので、買った意味もなく終わりました。
(転職活動は意外とお金がかかる。)

今思うと本当にお粗末な転職活動でした。

2.未経験はそもそも応募資格がない!厳しい求人条件!

それから3年くらいが経ち、今回いよいよ本格的に転職活動をすることになったのです。

転職サイトと転職エージェントに登録して、エージェントの面談のアポも入れました。
前回のプチ転職活動での失敗を少しでも活かそうと、どういった職種で働きたいのか、どのエリアで働きたくて、どのくらいの年収を希望しているのか、残業は今どのくらいか、どのくらいが許容範囲か。
現在はどのような仕事をして、どのような成績を残したのかを以前より細かくまとめました。
このデータも正しいものを話すために、10年分をきっちりまとめました。(直近で十分だった。)

面談は当然以前よりもすらすらと答えられ、エージェントに自分の希望を伝えられたものの…

紹介してもらえる求人はとても少なかったです…。

それもそのはず。私は職種の変更を望んでいる為、3年の実務経験などの条件がある求人ばかりで自分は対象外だったのです。

その中でも1つ気になる求人がありました。
Webサイトのディレクターの求人。
私は当時から趣味でブログをやっていた為、Webの世界は非常に興味があったのです。
私はその求人を見て、こんな仕事ができたら楽しいだろうな…と心を躍らせました。

それをエージェントに相談すると、今運営しているサイトの情報やサイトを運営するにあたって気を付けていることなどを自分なりにまとめて応募してみましょう!と言われたので、内容をまとめてエージェントに提出しました。
すると、エージェントから返ってきた返事は

「上長とも話し合った結果、求人の能力には当てはまらないと判断した為、ご希望に添えない形になりました。」というものでした。

なんと、応募不可。
企業にすら見てもらえなかったのです…。

どうして私の応募をお前らに判断されなきゃいけないんだ!と怒りが込みあげてきましたが、エージェントも下手な転職希望者を企業に紹介できないのでしょう。

もう、エージェントを介さず、自分で企業に応募しよう…と思い、企業の採用サイトを見に行きましたが、今回応募したかった職種はHPでは掲載されておらず、そもそも求人に掲載されてない仕事を応募させて欲しいと企業に言えるいえるほど、自分に貢献できる能力がない為、自分の無力さを感じ、とても残念な気持ちになりました。

そもそも、このエージェントを利用するきっかけとなったのはスカウトメールが来たからで、そこに記載されていた商品企画の仕事は1つも紹介してもらえてなかったことに気付きました。

そして、送られてくる求人も興味がないものばかりでした。

結局、私はこの時休日や福利厚生などの条件を優先して転職活動してしまっていたため、どうしてもエージェントが紹介してくれる仕事自体に興味がもてませんでした。

徐々に紹介も無くなり、そこのエージェントを利用するのを辞めました。

3.自己分析はほどほどに!やりすぎは永遠の自分探しになりがち

自分がこんなにうまくいかないのは、きっと転職市場や転職のイロハを知らないからだ。と思い、私は転職本を買い漁りました。

そして、本に書いてある内容を見てとても恐ろしい気持ちになりました。

転職には基本的に”即戦力”を求められるので、自分のスキルを明確にしなければならないこと。
雇用にはジョブ型とメンバーシップ型があり、今の私の総合職というのはスキルがたまりにくいという事。
大手は新卒しか入れないので、いわゆる新卒カードというのは大切ということ。
転職にはキャリアアップする転職とキャリアダウンする転職があるので、慎重に行わなければいけないこと。

私が無知すぎただけだったのしれませんが、これまで自分が知らなかった転職市場のことがたくさん書いてありました。
10年小売業だった自分は小売業としてのスキルしかなく、他の職種へ行くことはかなり茨の道であるということを知りました。

3社面接して決めてしまった新卒時の就職活動でしたが、本当はもっと幅広く見ていった方がよかったのかな…とも思いました。

きっと世の中の人たちは私とは違って、新卒カードを有効に使うために、いい大学に入って、いい大学へ入る為に高校時も勉強していたんだ…と一気に世間というものが見えてきました。

昔からお花畑だった私は、いつでもがんばればなりたい職業に就けるものと思っていました。転職をしても、新卒の頃のように一から研修して教えてもらえるとばかり思っていました。

それでも、もう過去は変えられないので、「自分は何がしたいのか?」「何が得意なのか?」「どういったところに行ったら活躍できるのか?」
ここを決めないといつまで経っても進めないと感じ、自己分析のワークをしていくことにしました。

ワークでは自分の価値観のピラミッドを作ったのですが、土台はプライベート(自分・家族・仲間との時間、その上にわくわくや楽しさ、その上に物事を創造する事、その上にチャレンジ、そしてピラミッドのてっぺんがスキル取得という風になりました。

確かに、自分の優先したいものがわかりましたが、時間をかけたわりには正直何をやりたいのかはよくわかりませんでした。
あとからわかった事ですが、この自己分析というのはやり過ぎると永遠の自分探しになってしまうそうです。
おそらく1ヶ月くらいは自己分析といって、活動を止めてました。

周囲の人にも自分の得意なところや向いてそうなものを聞いてみましたが、これといって目指す方向が固まるわけではありませんでした。

どうしたら自分が満足した職に就けるのか?本当にそのような機会が出てくるのか?
それは誰も教えてくれないし、自分で気付くしかありません。

そこで私は「今の仕事で何が好きなのか?」を考えてみました。
私は売る事が好きです。
頭の良い方ではないけど、どうしたらお客さんに買ってもらえるかを考えて、自分の思った売場を作ること、そしてそのイメージや目標をパートさんに落とし込んで、みんなで一緒に頑張ることに面白さを感じていました。

そこで、とりあえず私は「売る仕事」に方向性を絞ってみることにしました。

しかし、売ると言っても今のようにお店でセルフサービス方式で売る売り方、同じお店を構えていても、携帯ショップや不動産のような内勤営業、自らお客さんのところへ売りに行く営業と色々あります。

私には一体どの「売る」が向いているのか?
新しいエージェントに登録し、さっそくそのことも踏まえて面談してもらいました。

この方がとても優秀で、話を聞いて求人だけ流すようなタイプではなく、しっかりと話を聞いてくれてアドバイスをくれる方でした。
この時はエージェントも4人目だったので、人によって全然話してくれることも違うのだなと感動しました。

この方は本当に仕事ができるバリキャリ系で、まさしく私が憧れるような人物像でした。

物を売る仕事について相談すると、営業でも個人営業と法人営業があり、人と関われる範囲が違うことを教えてもらいました。
個人営業の方がすぐにお客さんの反応が見れて、相手の行動に変化を起こせるから、私が求めているものに近いかもしれないとのことでした。

とりあえず、方向性が決まったので、ここからは「とにかくたくさんの求人に応募してください」といわれましたが、これは巷で聞くエージェントの応募しろ!応募しろ!の圧力ではなく、応募すれば即面接!…というわけではないからです。
私はラッキーなことに就活時に書類選考に落ちた事がなかったので、どの企業も応募をすれば面接から入れると勘違いしていました。

聞いてみると、転職での書類選考通過率は2、3割、一次面接通過が3、4割で2次面接(最終)が5割くらいというではありませんか…。

なんて茨の道なんでしょう…。

一旦エージェントとの面談は終わり、その後送ってもらった求人で、3つほど応募しました。
しかし、結構あっけなく書類選考落ちしました。

募集要項の能力にあてはまらないと企業からお断りされたり、もう候補者ができてしまったとお断りされたり、お断り理由もさまざまです。

本当に書類選考の段階で普通に落ちていきます。
だから職務経歴書を作り上げないと、面接の土台に上がれませんし、作り込むだけでなく、企業が何に困って、人を募集してるのか?そこを埋めてくれる人材に自分はなれるのか?という本当にいわゆるマッチングアプリのような感じです。

なので、エージェントさんからは「この、割合なので、落ちても1ミリも気にしなくてもいいです!」と言われました。
落ちても私が欠陥というより、「お互いの目指すところや考え方が合ってないからごめんなさい。」というご縁がなかったというだけという事だそうです。

そして、転職サイトで応募していた方も含めて、営業職の面接を2つ行えることになりました。

毎日、仕事が終わってから、自分の長所や短所、仕事で成果を出せたエピソードなどをコツコツと書き出し、質問にたいて喋れるように練習していきます。
エージェントに登録していれば、一緒に練習してくれたり、面接の資料なんかもくれて実に心強かったです。

自分にとっては当たり前のことも、実は長所であったり、自分のたどった道をしっかり整理して言語化するのって大事なことだと思いました。

4.転職活動中に10冊くらいあった転職本を全て捨てる

こうして始めての面接がやってきました。
OA機器の営業の仕事です。
会社まで行くと、わざわざ私一人の為にスライドで会社説明をしてくれました。
やっていることも、人の為になることが実感できることで、素晴らしい仕事だと思いました。

でも、私は話を聞いた上でも、OA機器を売る事に興味を持てませんでした。
そして、何より社長との相性がよくないと直感的にわかったのです。

社長は面接の時に「あなたは自己主張が少ないから、お客さんに対してももっとこちらから話していかないと!君が言ってるお客さんへの提案はできないよ」ということを言ってきて、だから法人営業じゃなくて、店舗の店長というポジションの方が良いのでは無いかと提案されました。
その時に感じた社長の圧が嫌な感じがしたのです。

何より、事前の電話面談の時点でストレス耐性についてかなり聞かれたことがとてもひっかかりました。

社長も悪い人ではないとわかってはいましたが、私との相性が合わないというのは直感的にわかりました。
結局、その場で採用したいと言っていただき、返事は1週間後までに欲しいと言われました。
ちょうど1週間後に次の会社の面接でした。
こういうことがあるので、応募は一気にした方が良いんだなと思いました。
1つずつ受かっても比べるものがないからです。

条件自体は良かったんですが、どうしても自分の中で引っかかってしまったので、この会社はお断りさせてもらいました。

正直、転職活動を再開して1発目の面接で内定をもらったのだから、そのままそこにしてしまえばもう転職活動しなくて良いんです。
既に何社か落ちている中で自分を必要としてくれていたので、嬉しい気持ちはありましたが、自分が納得した転職か?と言われるとそれは全然違うと思ったので、まだ続けることにしました。

でも、もう1社の面接日が近づくにあたってどんどん不安になっていきました。

自己主張が少ないと言われたのが自分の中で相当効いていました。
思い返してみれば、今の仕事で社内の人と接するのは好きだけど、お客さんに対して接するのはとても苦手だったからです。

方向性であった「売る」に紐づけて、転職理由を探した形になってしまったので、「より顧客との接点を持って提案力を身に着けたい!」という嘘の転職理由にしてしまっていたのです。

仮に受かったとして、実力主義のその会社の数値のプレッシャーに私は耐えられるのだろうか…?色んな人と出会って話す仕事は慣れるのだろうか…?そんな事を考えてかなり憂鬱になりました。

面接の結果は惨敗でした。
Web面接は電波が悪い上に画面が小さくて、相手の顔を読み取れず、コミュニケーションがうまく取れなかったのです。
笑顔でいなければいけないと思って作った笑顔は「表情がぎこちなくて硬い」とのちにフィードバックされました。

面接だけでこんなに怯えてる時点で、この会社との相性は悪いと思いました。少し成果主義過ぎました。
自分には自分の良さが合って、今の会社では結果を出すことができました。
でも、その能力が発揮できる環境にいないと、とても苦しくなるんじゃないかと考えました。

面接とはいえ、ここまで喋れなくて、表情が硬い時点で、営業には向いていないことが自分にもはっきりとわかりました。

以前営業をしている妹に相談した時「営業は向いてないから辞めた方がいいよ」と言われたことは間違っていませんでした。

私はこの時、自分の心の声をふさいだ嘘の転職理由になっていることに気が付かず、その後はもう少し自分にできそうな内勤営業に的を絞り面接を受け続けました。

受けていくうちに、自分の応募したい求人が無くなってしまい、別のエージェントにも登録しました。
今度もまた女の人で、親友みたいに元気づけてくれるタイプの方でした。

ここでも、書類選考の通過率ははとても高かったのですが、面接でことごとく落ちました。

第一志望だったところも、自分の中で1番落ち着いて話すことができたし、笑顔でいることができたと思っていたのに、落ちました。

しかも合否の連絡は後日と言っておきながら、2週間近く不採用の連絡すらなく、エージェントさんに聞いてもらって不採用を知りました。

理由は「質問内容と違うことが返ってきた。」「表情が非常に硬かった。」と返ってきました。(フィードバックは褒めてくれた部分もあります。)

この面接で現状内勤だろうがなんだろうが、営業という職自体に向いてないのがはっきりとしました。

でも、今思えば私は面接でいかに自分が実績を出したかばかりを話していたと思うので、面接官からしたら「じゃあ、今の仕事を続けてなよ。」という気持ちになったのかもしれません。
この頃の私もプチ転職活動の頃と変わらずに勘違い野郎だったので、「いかに実績を出して優秀であったかを話せば雇ってもらえる」と本気で思っていたのです。

しかし、実際転職活動していて感じたのは実績はほぼ関係ないということでした。

それよりも、それを達成する為に何をしていたかの方が重視されます。
なので、いくら売り上げを10%あげたところで、どうして10%あげたのかを説明できなければ全く意味のない数字だということです。
むしろ実績よりもうちで活躍できそうか?が重視されます。

どちらにしても、私の場合は何度やっても表情が硬いことで落とされてしまいました。

この時の私はもうすっかり自信を無くしていました。

以前言われていた、「面接で落ち続けると自分を否定された気持ちになる。」のまさにそれでした。

エージェントさんに話を聞いた時は落ちても1mmも気にせず行こうと思ったのですが、どんどん自分自身を否定されているようで、突然仕事中も息ができないほど苦しくなってきました。

家で「自分だけ転職できない!みんなできてるのに!」とわんわん泣きしました。

私の部屋はもうグチャグチャでした。
転職本や受ける会社のことを調べたメモが部屋中に散らばって溢れていて、傍から見たらそれはそれは異常だったそうです。

実は私はそれまで、書類選考の段階からきっちりと会社のことを調べて、転職理由もある程度考えてから応募していました。
だから、そこで落ちたら調べたことはすべて無駄になってしまうし、手間をかけていた分落ちたことで余計にがっかりするようになっていたのです。

「何社か応募して、書類選考の結果が来た時にはじめてそこで調べて、面接対策した方がいいんだよ。書類選考の結果が来るまでは遊んでるくらいでいいよ。」と言われました。

確かに、いちいち調べて落ちていたら、転職スピードはとても遅いものになってしまいます。

私は、ずっと永遠の自分探しをしていました。この先の見えない転職活動で少しでも何かヒントやコツが欲しく、企業に応募もしないで、本やYouTubeなどを読み漁っていました。

色んなYouTuberさんの動画を見て、転職本も10冊以上は買いました。
なにか私が見落としている情報があって、それを見落としたことによって面接の合否に関わったら嫌だと思っていたのです。

しかし、ここへきてはじめて転職本が無駄だったとやっとわかりました。

いろんな情報に振り回されて、やるべきことを完全に見失いました。


転職は自分がするものです。

自分にぴったりの転職本なんてあるわけがないし、成功者の言葉を聞いてもそれはその人の成功方法であって、自分に当てはまるわけがないのです。

面接の受け答え例なんて参考になるはずがないのです。

大切なのは実際に行動し、面接をしていく中で、自分で考えてトライ&エラーを繰り返していくことでした。

このことに気付いてから転職本をすべて手放しました。
やはり、思い返しても役に立った記憶はほとんどないし、実際面接をしてみて、自分が感じた事やフィードバックされたことの方が100万倍価値がありました。

そんな時現職で、新しい仕事を任されるための店舗異動が決まり、その話を断るかでも揺れていたので余計精神にきていました。

考えた結果、転職活動を少し休み、慣れてから再開することにしました。
この精神状況で、同時に進める事は私にはできませんでした。

その頃にはバリキャリエージェントさんから担当が男の人に変わっていました。

この人とは相性はとにかく合いませんでした。
エージェントとしては「応募してもらわないとはじまらない」のはこちらもわかっていますが、私はまた方向性を失っていたので、応募ボタンがなかなか押せませんでした。

しかし、そのエージェントさんはとにかく応募をせかしてきて、1つでもいいからと応募させてきました。

よくエージェントもよし悪しというけど、本当にそれだなと思いました。

エージェントを使ったほうが良い方は
・方向性がある程度定まっている人
・はっきり物を言える人
かなと個人的には思います。

エージェントは確かに味方にすれば心強いですが、私のように方向性も決まってなくて、言われた事を断りにくいようなタイプの方はエージェントを使うことでどんどん自分がしんどくなってしまうと感じました。

私は店舗異動を理由に、どの会社のエージェントさんともそれっきりになり、それからの転職サイトで自分のペースでやることにしました。(利用が無いと、エージェントさんもボランティアじゃないので担当から外れてしまう。)

やっぱり私の場合、自分のペースでできたのでこちらの方が性に合っていました。

5.転職はマッチングアプリと一緒。出会いと別れのほろ苦さ。

新しい店舗にも徐々に慣れ始めた頃、転職活動を再開しました。
次は自分のスキルを活かせる求人に応募しました。

これまでは営業職関係に応募していましたが、私に営業の仕事はとにかく向いてない。
「ピカチュウにはっぱカッターを覚えさせるようなもの」ということがわかったからです。

今よりスキルを身に付けてプロフェッショナルになるということで、製パンの仕事に応募してみました。

ここは会社というか、いわゆる食堂の位置づけのパン屋さんでした。

職場見学もさせてくれるということで、実際の作業場の様子も見せてもらいました。
私はこれまで冷凍生地を使っていたので、粉から作っている様子を初めて見て、ミキシングの機械の熱も計算して混ぜていることを知り、製パンの世界はとても奥深いと思いました。

色々とお話を聞く中で、言われたのが「仕事に数値責任はない」とのことでした。
食堂の位置づけなので、なんなら赤字でもみんなが喜んでくれればそれで良いというのです。
普通ならラッキー!と思うかもしれませんが、私はこの時少し違和感を覚えました。

職場見学もさせていただき、とても丁寧に対応していただき、おみやげのパンもいただいて職場の人たちもとても暖かくて、とても充実したものとなりました。
パンもお世辞抜きで美味しかったです。

しかし、後日面接をしてみると、求人に掲載されていた時間より、業務の開始時間が2、3時間も早く、休日日数も違いました。
面接には上司になる方と幹部の方がいたのですが、把握しておらず、「え?そうなんですか?」と驚いていたことに不信感をいだきました。
なんなら朝が早いから住む場所も、職場から。車で10分以内のところにして欲しいと指定されました。

私はその瞬間にここで働くのは無理だと思い、最終面接も丁寧にお断りさせていただきました。

これまでは冷たくあしらわれてばかりだった転職活動でした。
そんな中、みなさん親切にしてくださったことが花が咲いたくらい嬉しかったし、とても心温まった時間だったので、とてもショックでした。

そして、私が感じた数値責任がないという違和感。
これは創意工夫できることがないのだということにがっかりしました。もちろんパンの新商品を作る意味で言ったら、創意工夫はできますが、私がパンの道を極めたいか…といったらものすごく極めたいわけでもないな…とも思ってしまったのです。

どのようにしたら売上をとれるのかを考えた方が私にとっては面白かったのです。

これがお互いの求めてる事が違うという事なのかと思いました。

この日のことも踏まえて、私はもう一度自分の興味のある事は何か?転職で何を実現したいのか?転職理由を嘘(見本のように作った理由)でなく本当にしたい事を考え直すことにしました。

でないとまたこんな悲しい事を繰り返してしまいます。

私はこれまでパンを売ってきて、特にパンを究めたかったわけでもないし、売る事そのものが好だったわけではなく、売る為に考えることが好きで、それに対して色々な人と関わりながら形にする事が好きだったのです。

関わる人もその都度新しい人よりも、同じ人で、関係が深くなるような人との関り方が良いと思いました。(これは内向的な人の傾向らしいです。)

実は最初から答えは出ていたのです。

今、私はWebの仕事に興味があって、Webを使って商品を売る作戦を考え、その道のスキルを身に付けたかったのです。

でも、1番最初にWebの仕事に応募すらできなかったことで、「私には無理」だと心のどこかで勝手に諦めてしまいました。


以前自己分析したものも見返すと
土台はプライベート(自分・家族・仲間との時間、その上にわくわくや楽しさ、その上に創造、その上にチャレンジ、そしてピラミッドのてっぺんがスキル

つまり、プライベートの時間を確保できる会社で、わくわく創造できる仕事でスキルを身に付けることを望んでいます。

うん、合っています。

これまでは本音にフタをして、立派そうな理由付けただけだったので、どんどん悪い方向にいっていたことがわかりました。

転職は自分の心に嘘をつかない。

今度こそ目指す方向が決まったので、Webに絞って転職活動を再開しました。


7.運命の出会い―最終戦—

が、しかし、Webの仕事と言ってもほとんどの求人が経験者を希望しています。
3年以上の実務経験、Photoshopやillustratorが操作できる事など、やはり転職は即戦力を求められるのだと思いました。

その中でも、未経験OKの求人は無いわけではありません。

やはりこれからの時代、ECに力を入れたい企業が多く、未経験枠もいくつかはあったので、求人が出るたびに応募していきました。

そのうちのほとんどが書類選考落ちでしたが、2社だけ面接をしてくれることになりました。どちらもWeb専門の会社ではなく、会社内のWebの部署の募集でした。

念のため面接時になぜ未経験でもOKなのかを聞いてみたところ。

・今の若い人は常にSNS等に触れているから、未経験でもできると思っている。
・経験者だと過去の概念にとらわれてしまい、変化を受け入れられない為、うまくいかないことが多かったので、1から育てられる人材を探している。
と会社によって理由は様々でした。

未経験応募で私に即戦力スキルがないことはわかっているので、「どうしてWebの仕事をやりたいのか?興味があるのか?」「なぜ趣味でそのサイトを作ったのか?」「何に気をつけて運営してるのか?」を聞かれました。

しかし、両社が重視していたと感じたのはやはり仕事内容だけではなく、会社自体の興味だったと感じます。
仕事内容だけではなく、会社自体がどのようなことをしているのか?をしっかりと調べる事が大切でした。

そして、はじめての気持ちと出会いました。

そのうち1社の面接がとても楽しかったのです。
相手側も自分のことをきっちりと理解しようとしてくれることも伝わってきたし、きちんと会社の事を伝えてくれて、とても興味を持ちました。
質問する時間も設けてくれて、10個くらい質問しました。
きちんとすり合わせをしてくれたのです。

面接してみて「働いてみたい」と思ったのは転職活動してはじめてのことでした。

その後、その会社の2次面接が決まり、現職の数値への理解についてもかなり深く突っ込まれて、ひーひーしましたが、最終面接へ行き見事内定をもらいました。

とても嬉しかったです。

以前、親友系エージェントの方が
「とにかく少しでも気になったら応募してみるといいんですよ!それで面接をしていくと意外と求人で見ていた時よりも、良い印象や悪い印象が出てくるんですよ。
話してみて合う、合わないがわかったり、色んな会社を受けるたびに、経験も蓄積されていくので、比較もしやすくなります。
そうしていくと自分の中の判断基準ができてきて、どんどん納得できる形になっていきます。」といっていたことを思い出しました。

あの時は本当に半信半疑だったけど、今はとてもその意味がわかります。

8.最後に

転職してみてまだ、1ヶ月しか経ってないけど、会社の組織が変わったことで、確実に自分にとって良い変化が増えました。

転職活動をする前は「ついていけなかったらどうしよう。」「環境になじめなかったらどうしよう。」と様々な不安を想像していました。
そんな想像をするばかりで、時には躊躇したり、足踏みすることもありました。

しかし、それは単なる妄想にすぎず、実際は私が想像していたものよりもずっと楽しい未来が待っていました。

「想像することのほとんどが実際には起こらない」と聞いたことがあるけど、本当にそうなんだなと思います。

30代は転職が厳しいとは言われていますが、できないわけではないし、企業が必要としてる人材にマッチしているかどうかなので、実際のところは受けてみないと何もわからないんだなと思いました。

と、いうわけで1年くらいかけて、勇気を出して転職活動してみて心から良かった!と思った話でした。
これが参考になるかはわかりませんが、これだけ失敗ばかりしたので、もしかしたら何か役に立てるかもしれません。

長かったですが、最後まで読んで頂きありがとうございました。


ちなみに上手く行ったように見えた転職でしたが、現在休職することとなりました。

転職後に適応障害で休職、16万円失った私の過ごし方と今後

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