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78/主導権は自分

2023年7月6日(木)
がん告知から78日目
※5,288文字


しゃっくりが止まりません!

これは副作用でしょうか?
生理現象でしょうか?
血圧上がっているせいでしょうか?
散歩をしたからでしょうか?

必殺技を使って、
しゃっくりを止めてやりました!
※水を普段飲む反対側から(鼻に水が入るかも!みたいに)飲みます。

「水を反対側から飲む」で検索してみてください。40年間の秘伝の技です!

ネットから拝借

さて、
今日は「情報を選ぶ」というテーマでお話ししていこうと思います。


▼「がん」で亡くなった人のニュース


皆さんの中でも、
病気を患っている方や、
障がいを持たれている方は、

「自分と同じ病気(障がい)」の有名人のニュースは、
気になるところだと思います。

僕も、
「がん」のニュースは無意識のうちに見てしまっています。

見ないように(遠ざけるように)意識する。

ってこともできるのかもしれませんが、
それはそれでストレスかかって疲れちゃいますね。

見ないように見ないようにって考えすぎて、
返ってそれって意識してることになるよね?と。

そして、
そういうのは周りにも伝わるから、
「がん」の話題を持ち出しにくいし、
状態を聞くのも気を遣う(遣わせてしまう)

それって、
お互いにとって、
あまり良い状態ではなさそうですよね…。

だからというわけでもないですが、

僕は全て公開して、
しかも割り切ってるから「がん」の話題もオッケー!
※最近は同じ患者さんからの相談も受けてる。

(僕の場合は、
全員にいちいち説明するのが面倒だから、
公開してるという「めんどくさがり」の一面もありますが)

「がん」で亡くなった有名人のニュースを見て思うのは、
『この人もがんだったのかぁ』くらい。

自分に重ね合わせて悩むこともないし、
落ち込むこともない。

例えが正解かは分からないけど、

「大谷翔平選手がホームランを打ったニュース」と同じ感覚。
『お〜、〇〇号打ったのかぁ』だけ。

大谷選手と自分の給料を比べて落ち込むことはないし、
ルックスを比べて悩むことはない。

彼は彼、俺は俺だ。

もちろん大谷選手は、
地元出身であり日本中いや世界中のスーパースターだ!

けれども、
彼に「がん闘病」を語ることはできないし、
僕の「経験」を語ることもできない。

そもそも比べたところで、
彼は彼、俺は俺だから重ねる意味がない。

※これが気持ちの割り切り

この割り切りをしていれば、
自分にマイナスにもなりそうなニュースも、
『この人はこの人、自分は自分』となるし、

不安を煽るような情報が来ても、
『それもあるかもしれないけど、俺が信頼してる情報はこれ』となる。


だから、
芸能人が亡くなったニュースを見ても、
『大変だっただろうな。お疲れ様でした。安らかに。』と思うだけ。

自分とはステージも進行も体力も違う。
治療法も違うだろうし、
今の自分は抗がん剤治療がビックリするほど効いている!

だから比べる必要もないし、
重ねることすら不要なこと。

(今更ながら大谷選手の例は良かったのか?不安だけれども笑)

▼情報に左右されない


「がん告知」をされてから、
(公表してから)

たくさんの情報もいただきました。
いただいた情報は確認させてもらって、
『なるほど〜』と思うことばかり。

西洋医学、東洋医学の違いもあると思いますが、

現時点では、

・腫瘍切除不可(保険内)
・放射線治療不可(保険内)
・重粒子線治療不可(保険外)
・化学療法(抗がん剤治療)可能(保険内)
・遺伝子治療可能(保険内!

他にできることは、
・免疫治療(自由診療)
・無農薬療法(自由)
・サプリメント(自由)
・温泉療法(自由)などなど

たくさんの情報を見ましたし、
看護学生以上に自分でも勉強をしました。(保険についても)

※ここからは賛否が分かれそうですが…

まず、
「がん治療」というものは、
世界規模で研究や治験を繰り返しています。

そして、
世界基準で治療方法が標準化され、
過去の治療法より(廃止ではないが)、

現在の世界基準によって、
治療法や薬が決まっています。


例えば、
僕が陽性になった「BRAF遺伝子変異」
これは2020年11月(うる覚えです)に日本で認可されていますが、
米国でも同時期に認可されています。

※日本は2種、3種の薬剤を選択可能
※米国は3種のみ

あとは、
僕は肝臓に転移していますが、
肝臓の癌を切除する治療は現在はあまり行われていないとか。
(肝不全を起こすと取り戻せないため)

他にも、
食べているのに体重が減り、
食欲も落ちていく「がん悪液質」
これもしかしたら僕も該当しているかもしれません。
(食べているのに体重が5%落ちると該当)
※がん患者の40%が体重減少を認め、ステージが上がると80%に該当

この「がん悪液質」の治療法は今までなかったんです。
いくら高カロリーのモノを摂っても、
「がん」が筋肉や脂肪を分解してエネルギーにするので、
食べても食べても痩せてしまう。

そして、食欲も落ちて、
痩せて体力が落ちると、
抗がん剤治療や手術すらできなくなる。

どうしようもなかった症状でしたが、
2021年に「アナモレリン」という治療薬が認可されました。

これは、
筋力を維持し食欲低下を抑える治療薬です。
※スポーツマンが摂るとダメなやつ

まぁ、
このように論文やら書籍で最新のものを勉強していてます。
(何を選ぶかは自分次第)


僕の治療(保険適用)は、
現時点では、化学療法(抗がん剤治療)です。

世界の症例を見ても、
僕の状態では、

大腸がんは排便が出来なくなるまでは温存。
肝臓は抗がん剤治療で小さくする。

これが標準であり、
これ以外は標準から外れるので、
僕はこの治療を第一選択としています。

けれども、
いただいた情報の中には、

『抗がん剤は身体に悪い』
『医者もがんになったら抗がん剤はやらない』
『抗がん剤は病院と医薬品メーカーの稼ぎ口』
『抗がん剤治療をやめたら治った』
『〇〇サプリメントで治るらしい』
『〇〇温泉で治った人がいる』
『〇〇を食べると治るようだ』
『無農薬野菜を食べるとがんが消える』

他にもたくさん情報をいただいています。
勘違いされたくはないのですが、
僕はこれらの情報は否定していません。

むしろ、
『そうなんだ』と思っていますが、
『その情報も合ってると思うけど、俺は抗がん剤治療を第一選択』という考えです。

理由は治った人と科学的根拠(症例)が、
圧倒的に多いから。

たしかに、
「抗がん剤」は身体には良くないです。
それは明らかです。

看護師さんも防具みたいなの着けてセッティングしますしね。(万一、自分にかからないように)

活性化している分裂細胞を破壊するわけで、
それで「がん細胞」を壊していくわけですが、
「良い細胞」も壊していきます。
それが副作用に現れるんですね。

「がん細胞」は増殖を続けるために活性化してますし、
「良い細胞」は免疫を上げたり皮膚組織なども皮が再生されますよね?(活性化してます)

そういう「悪いのも」「良いのも」全部壊すのが、
抗がん剤治療です。
※遺伝子検査により遺伝子治療や分子標的薬もあります。

分子標的薬は2000年から認可され始め、従来の抗がん剤治療から大幅に副作用などが軽減されました。

ドクターヒラオカのがん茶論より
(日本赤十字社和歌山医療センター)

イタリア人医師が、
『自分ががんになったら抗がん剤はやらない』と、
書籍?インタビュー?で話したことが、
「医師は抗がん剤はやらない!」という情報に繋がっています。

けれども、
僕の今の状態で「抗がん剤治療」をしない選択。して、
他に生き残れる根拠ある治療法は何でしょうか?

そして、
それは日本で世界で何万人の人が助かり、
治療費はどれくらいかかり、
自分がもし「同じ状態」になっても、
自信を持ってその治療をするのでしょうか?

(批判ではなく疑問です)

1本40万円する「キノコの粉末サプリ」
それで何万人が助かったのでしょうか?
確かに助かった人はいると思います。
けれども、それが本当に科学的根拠があれば、
医薬品として販売するか、
治療薬として処方されませんか?

入るだけで「がん」が消える温泉
年間何百人の人が助かったのでしょうか?
逆に亡くなった方や、
皮膚組織の悪化を引き起こした例はないのでしょうか?
平均何日後から効果が出るのでしょうか?

無農薬野菜
確かに身体には良いと思います。
無農薬野菜だけを食べるとして年間の食費はいくらになるのでしょうか?
本当に1ミリも農薬を使わない野菜は、
日本にどれほどあるのでしょうか?

無農薬野菜を食べる際の調味料などは、
何でも良いのでしょうか?
油や化学調味料が「がん」を引き起こす確率や、
どれほどの量で「がん化」するかの平均値はいくらでしょうか?

ステンレス製の調理器は「がん化」するのは、
どれくらいの年月使えば引き起こすのでしょうか?
またステンレスの構造やメーカーによる割合のデータは取れているのでしょうか?

宗教
『「がん」が消えた人がいる。』
『治らなくても死ぬ時にあの世に苦しまずに行ける』
と、いわゆる勧誘を数名から受けました。

宗教は否定しませんし、
何かを信じるとかお参りするのは好きです。
ただ特定の宗教ではないだけで、
神社仏閣は好きです。

けれども、
お祓いしてもらって消える割合はあるのでしょうか?
年間何人を救っているのでしょうか?


他にも、
保険外や自由治療の情報ももらっていて、

今の治療が足踏みしたら、
その治療を試すことは十分あり得ます。

あとは、
現在行われていない過去の治療法をすることも選択肢に入っています。

もちろん、
状態が変化して先進医療(重粒子など)を、
受けられる状態になれば検討しますし、
パネル遺伝子検査も候補にあります。

情報は今は必要なくても、
後に必要なものもあれば、
今も後も必要ないものもあります。

そこの選択は自分でしなければなりませんが、
そのためには自分で徹底的に調べて、
揺るがない決定をする強い自分になること
が必要です。


▼なんか理屈っぽくなって、ごめんなさい


でもね、先に、
これだけは言わせてください!

みんな僕のことを心配して、
情報やら勧誘をしてくれているんです。
それはありがたいことです。ほんとに。

※必要な時には僕から詳しい話をお伺いします

ただ、
僕は「割り切り」とか「情報分析」とか、
「がん」になる前から勉強して鍛えてきましたけど…

それでも告知された時には動揺したし、
(家族はそれ以上に)混乱しました。
その時は冷静な判断がつかなくなっている。

突然「がん」と言われた人は、
なおさらだと思う。
僕以上に動揺して混乱して冷静さを失う。

そういう時に、
あなたを思ってたくさんの情報が届く。
もちろん善意の気持ちで送られてくるのがほとんど。

けれども(キツイことを言うけど)
そうじゃない人や情報も混じっていたりする。

僕はなんとなく、
そういう人や詐欺しそうな人は、
感覚的に分かるようになって(過去の経験で)
うまく距離を取るようにしている。

さっき書いた、
「サプリの購入(マルチ商法)」をさせるために、
「心配を装ってランチの誘い」をされたり。
※物は確かに良いと思うけど最初から商品説明してくれたら良いのに、それを隠して誘われるのがね…
※必要な時にはこちらから連絡します

「宗教の勧誘」のために、
「休みの日や空いている日を確認」されたり、

「良い物だからタダで使ってみて」と言われて、
その後に「商品の購入(マルチ商法)」をお願いされたり。

10件くらいはありましたよ、僕は。

情報もたくさん来る。

「医師が抗がん剤治療を勧める」

けれども友人からの情報だと、

「抗がん剤は毒だから、やったらいけない」

どうしたらよいの!と迷ってしまい、

治療が遅れたり、
効果が不明なものに大金を使ったり。

※がん保険入っていると一時金が出たりするので(保険にもよりますが)それを狙ってくる人もいますよ。

それで治るならハッピーエンドですが、
治らずに、治療が手遅れで手をつけられない。
というケースも結構あります。

そういった冷静な判断が難しい時に、
たくさんの情報の中から、
自分で選択しなくてはならない。

これは「がん」に限ったことではなく、

普段から「知識」を入れることだったり、
「調べる習慣」をつけておかないと、

あれもこれも言われるがままに信じて、
時間もお金も無駄にしてしまう。
ましてや「がん」だと命を削ってしまいかねない。

僕は本で調べて、ネットで調べて、
国立がんセンターの論文などを読んで、
分からなければ担当医に聞いて、
それでも分からなければ根拠や論文を教えてもらって。

そうやって、
今は「抗がん剤治療」優先!と決めました。

情報は情報として、
ありがたく受け取って、根拠を調べ、
必要なモノは選択肢に入れる。

そして必要なタイミングで決める。

そうやって、
選ぶことも決めることも、
最終的には自分しかいません。

家族や友人ではなく自分が決めるんです。

他人任せはやめて、
自分の時間もお金も命も、
自分が主導権を握ってください。

自分の人生の主導権を握って、
後悔ない人生にしましょうね。


今日は5,000文字を超える長文!!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

2023/07/06
熊谷翼

お守りありがとうございました!

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