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80/お話会の原稿(ラフ版②)

令和5年7月8日(土)
がん告知から80日目
※3,941文字


朝4時から調子があまり良くなくて、
下腹の痛みと右脇腹の痛みと炎症?と、
寒気と発熱があって。

投薬が終わると、
数日調子がイマイチになるんですが、
今までの中でも、
割と調子が良くなかった。

けれども、
「がん細胞」と「周りの良い細胞」と「抗がん剤」がそれぞれ動いていると思うと、
弱ってられないな!と思う日でもありました。


昨夜ここを書いて、
スマホ画面(明るさ)に気持ち悪くなったので、
寝させていただきました。


さて、
今日は前回の原稿の続きを書いていきたいと思います。

昨日の記事から、
読んでもらえると話が繋がると思います。

それでは、早速!

▼戦う相手は「がん」じゃなくて自分のメンタル


治療前と、
治療開始してしばらくは、
「がんと戦う」ことを考えていました。

「がんは悪」「倒すべき相手」として、
『負けられない』とか、
『がんに勝つ!』とか言って気合いを入れてました。

『breaking down』とか、
『初戦』『2回戦』とかも言ってましたね。

それがいつからか、
考え方が変わってきました。

「がん」は何故出来たんだろうか?
「何故」このタイミングだったのか?

そう考えるようになった時に、
「がん」は何か気付きを与えてくれたんじゃないか?

そう思うようになりました。

「がん」になる前は、
週1回から2週に1回くらいの休みで働いていました。
もしかしたら『休みなさい』
っていうお知らせなのかな?

「がん」になる前は、
毎日まぁまぁお酒を飲んでいました。
もしかしたら『身体を壊すよ』
っていうお知らせなのかな?

「がん」になる前は、
運動や食事に気を遣うことはしていませんでした。
もしかしたら『健康的にしなさい』
っていうお知らせだったのかな?

「がん」になる前は、
同級生や長い友達とは会わずにいました。
もしかしたら『会える時に会っておきな』
っていうお知らせだったのかな?

「がん」になる前は、
協力をお願いしたり、
弱い部分を出さずにいました。
もしかしたら『素直に吐き出しな』
っていうお知らせだったのかな?

他にもたくさんあります。

「がん」をキッカケに、
気付いたことや思い出したこと。

「がん」をキッカケに、
再会したり謝ることができたり。

そう考えたら、
「がん」はキッカケを与えてくれていて、
40歳前のこのタイミングでなったのも、
人生を後悔しないために(お爺さんになる前に)
「お知らせ」という形で、
「がん」が現れたのかな…と考えるようになりました。


「がん」ができたから、
その部分に悪いものが集まって、
身体中に広がらずに済んでいるし、

何より、
「がん」はそもそもは、
自分の細胞が増殖する時に、
変異(コピーエラー)を起こしたもの。

要するに「がん」も自分が作り出した自分の細胞。

自分の細胞に対して、
「やっつけろ」としたところで、
そもそもそれは自分を攻撃していること。

それよりも、
「がん」がキッカケで気付いたことに感謝をして、
今の自分の身体に感謝をして、
あとは自分の身体に任せるだけ。

必要なものは残るし、
不要になれば消えるし、

「がん」も僕の気付きや得るものが足りなければ残るし、
足りたのなら消えていく。

だからそれまでは、
共存をしていこうと決めた。

おそらくこの話は、
皆さんにも代用できる話で、
自分に「不利なこと」「マイナスなこと」が、
実は皆さんにもキッカケを与えていたのかもしれない。

「ピンチはチャンス」とはよく聞くけど、
たぶん本当で、

「ピンチ」が何の意味を持つのか?
どんなことに気付いて欲しいのか?

たぶんそれに気づけないと、
同じようなレベルの「ピンチ」が、
何回もやってくる。

もしかすると、
過去最大級の「ピンチ」を迎えた僕ですが、
ここで何も得ないと、
また同じような「ピンチ」かやってくるだろうし、

今の「ピンチ」を乗り越えたら、
次はもう少し大きめの「ピンチ」が来るかもしれない。

過去には、
お金や裏切りや詐欺にあったり、
人間関係を壊してきた僕が、
なんとか今に繋がってるのは、
それを乗り越えてきたからであって、
「ピンチ」から逃げていたら、
もしかすると「がん」にはならなかったのかなぁと、
妄想したりするけど(笑)

僕の話だから、
「がん」と言っているだけで、
皆さんにも大なり小なり悩みやピンチはあって、

でもそれは、
「ピンチ」という名のチャンスであったキッカケなのかもしれない。

なぜ起こったのか?
何を伝えたいのか?
自分が気付き変わるために必要なことは?

そう考えると、
目の前で起こってることが、
決してマイナスばかりではないはずです。

▼偶然の連続「キセキは起きていた」


今回がん治療をするにあたり、
思い返したりすると、
たくさんの偶然が重なっていました。

それは「キセキ」と言うと、
大袈裟かもしれないけど、
「キセキ」って小さな積み重ねで、
しかもそういう「偶然」「必然」と捉えるかによっても、
自分自身のメンタルにも影響をしてくる。
勘違いでも大袈裟でも良いから、
自分に都合の良い解釈はとても大事。

たまたまかもしれない、
僕の都合の良い話をしましょう。


僕は3月末に胃痛のため近所の病院に行き、
4月20日は「がん告知」

通常、
紹介をされ検査やら何やらやると、
結果(告知)が出るまで、
1〜2ヶ月かかるそう。

僕は、
近所の病院に行ってエコー検査とかをして、
その先生の知り合いが総合病院にいるということで、
すぐに総合病院を紹介され、
そのまま行ったんですね。
(おそらく肝臓要チェック!と書かれていた)

最初は胃痛の訴えで受診したので、
その翌週には胃の検査とCT検査。

胃は軽い胃炎でしたが、
大腸に腫瘍がありそう。とのことで、
さらに翌週に大腸カメラとCT検査。

結果はご存知の通り。
告知されるまで20日でした。

そして、
その総合病院の紹介で、
大学病院に行き、
ゴールデンウィーク明けから治療ができるよう、
5月1日にCVポート増設。
5月8日から抗がん剤治療。

そして今に至るわけですが、

今思い返すと、
「偶然」とは言えないような巡り合わせがたくさんありました。
※個人情報や診療内容に関わるのでnoteでは簡略化します。

①まず最初に行った病院で、
「胃薬」だけを出されていたら、
「がん」に気付けずにいた。

②最初に行った病院の医師の知り合いが総合病院にいて、当日すぐに紹介をして診察と検査予定を決めることができた。

③胃の検査だけではなく、大腸と肝臓の検査もすることができた。

④大学病院であれば結果が出るまで1〜2ヶ月かかる(予約などで)。

⑤総合病院の内科医と外科医のミーティングで、大学病院への紹介を検討し、朝の時点で大学病院へ連絡を入れていた(僕の返事一つですぐに治療ができるように)

⑥総合病院の外科医と大学病院の担当医が元同僚ですぐに治療方針が決まった

⑦大学病院で行った遺伝子検査により、後にBRAF遺伝子変異が分かった(治療が遅れたら手をつけられなくなっていた)。

⑧同級生と教え子(どちらも大学病院看護師)に入院中に遭遇(これは治療とは関係ないけど)

⑨抗がん剤は30%程度しか効かない

他にも、
・抗がん剤が効かない場合の別の治療法が複数パターンある。
・日本で唯一のパネル遺伝子検査も受けられる。など、

どれか一つが違う方向にいっていたら、
①②が違う結論を出していたら、
もしかしたら…。

そう考えると、
「偶然」というよりも「必然」だし、
どれか一つでも噛み合わなかったらと思うと、
まさに「キセキ」だと思う。

一つ一つは、
大きなことではなくても、
それが重なっていくと、
「キセキ」は起こせるかもしれないし、

その小さな点と点が、
実は「小さなキセキ」で、
それに気付ける(プラスに捉えることができると)、
点と点が線になり面となり、
大きな「キセキ」に繋がるんだと僕は確信しています。

だから、
僕は「キセキ」を信じているし、
「キセキを起こす可能性はある」と信じています。

▼がんにはなりたくはなかったけど、がんになってよかった


僕は「がん」になって、
今まで生きてきて経験したことのないことや、
感じたことない感覚や、
考えたことのない価値観など、

この数ヶ月で、
10年分くらいの経験値をいただきました。

特に、
考え方、捉え方、
メンタルと括りますが、

メンタルの安定が、
今の状態を作り出しいることも分かりました。

目の前で起こったことの、
意味や原因を探ることは大切ですが、
悔やむのは違う、逃げることも違う。

現実を受け止め、
意味や原因を受け止め、
その上で「どう行動するか」という、
メンタル状態にしないと、

クヨクヨしてイライラして、
考えても答えが出ないことに悩んで、
ずっと引きずって生きていくことになります。

自分の不得意なことや欠点ばかりに目を向け、
マイナスのことやピンチのことばかりで頭がいっぱいになっては、

絶対に明るい未来はやってきません。

僕は「がん」のことを、
「考えても答えは分からない」って割り切って、
「何か気付きがあるはずだ」と、
捉えるようになってから、

みるみる数値も改善されています。
たぶんお会いした方や、
直接お話を聞いてくれた方は、
「ステージⅣ」の人だとは思わないと思います。

日によって体調のや副作用の変動はありますが、
それも「何かの意味がある」と思って、
深く考え過ぎずに、

それよりもお話会のことだったり、
これからしたいことを考えています。

現実を考えると、
仕事のことや将来のことやお金のことなど、
悩みはたくさん出てきます。

だから、
現実の問題は割り切って、
(ちゃんとすることはして)

あくまでも「今」は通過点であって、
目標でもゴールでもないことを、
自分に言い聞かせながら、
生きています。

今回のお話が、
聞いてくれた方の、
「キッカケ」になれば、
僕にとっても励みになるし嬉しいです。


以上

2023/07/09
熊谷翼

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