態々

誕生日を祝ったときにわざわざありがとうと返ってきたとき、ああ祝っちゃダメだったなと思う。わざわざありがとうの前に(あれ?別にさほど仲良くなかったのに)が入ってるから。SNSとかでその人がその日誕生日だったってことがわかると祝いたくなっちゃう性分だからつい祝っちゃうけど、それはやさしいからとかそういう事じゃなくて一年に一度だけその人と話してもいい日だと思ってるから。怖いだろ、友達いない人の感覚ってこうだから。きっかけがないと人に話しかけていいと思ってないから。そうやって普段滅多に話さないくせして誕生日だけ話しかけに行くんだから。そりゃわざわざありがとうと言う他ない。

そもそも論として自分は他の人と感覚が間違っているという事を今一度頭に入れないといけない。僕は大学で本当に両手で数えられるほどしか友達が増えていないから友達というと中高の友達の顔がすぐに浮かんでくる。それに比べて一般的な、健康で文化的な最低限度の生活を送っている人は大学でも中学高校同様、ないしそれ以上の数の友達が増えているわけで中学高校の友達なんてものは記憶の底の方から引っ張り出さないと出てこない、なんなら記憶のケースからロケットえんぴつのように押し出されて捨てられているかもしれない。それにも関わらずまるでついこの間高校を卒業したかのような軽い感覚で人の誕生日を祝ってはいけない。冷静に考えて高校を卒業した年からもう4年以上経っているんだから。恐ろしい。4年て、この振り返ればクソ長い人生のうちの6分の1以上の時間じゃん。恐ろし。もはや祝ってきたお前誰なんだよと言われても仕方ない期間。わざわざありがとうと言える優しさというのは計り知れないのかもしれない。いやまあ4年ぶりにいきなり祝ったわけじゃないけど、合間に流石になんかあったと思うけど。だとて。

もう今後軽々しく祝ってはいけないと改めて心に刻んでおく。更新しろよお前も交友をよ。

万が一お金を捨てようという発想に至った場合のみ僕に引き受けさせてください。リターンはありません。