美容院にて

美容院は何度でも日記に登場する。
なぜなら自分の人生においてこれといったイベントが美容院に行くことしかないからである。ここで美容院に行くことをイベントと捉えていることを鼻で笑ったような人とは仲良くなれないと思う。

今日も注文がうまくできなかった。というか美容院において「注文」という言葉であっているのかすらわからない。僕は美容院の注文の仕方がわからないからいつも短くしてくださいとか軽くしてくださいとしか言えない。その一言二言だけ渡して後は美容師におまかせしている。そのため僕は前回の散髪で軽くパーマをあてている。パーマを勧められて断る度胸もなくあーじゃあそれでお願いしますといった感じで任せてしまった。そして散髪代が倍に膨れ上がってしまった。そしてパーマと言ってもぱっと見パーマなのかどうかもわからないような「気持ちの問題パーマ」をあてているだけなので正直おしゃれのおの字にも関心がない僕にとってはただ出費がかさんだだけの無惨な結果になってしまった。今日はそんな失敗を繰り返すまいとカットだけしてもらうつもりで入店した。結果はと言えばしっかり気持ちの問題を携えて帰ってきた。タメ口でくるタイプの上等種族の提案は断れなかった。髪質がうんたらかんたらでぺちゃんこになっちゃうからパーマかけとこうかみたいなことを言われて下等種族の僕は「ぁす」と答えることしか出来なかった。

パーマって時間長いしパーマ液臭いし首痛いし高えし全然値段に見合ってないな。固定して液たらして放置してるだけの割に高えな。まあ提案を断らない自分が100悪いんだけど。

シャンプー中、掻き足りないところはありませんか?と言われた。痒いところを探す時代は終わったんだ。もうシャンプーじゃなくて掻きに行ってる側の意見じゃん。

髪切られてる間って首の角度とか決まっててスマホ見れないからスマホ置いて虚空見つめるのがいつもの決まりなんだけど美容師はすぐ話しかけてくる。別にこっちはぼーっとしてるのが好きだから。結構休みの日とか一日中ぼーっと出来るタイプだから。絶対美容師が気まずいから話したいだけじゃん。己の気まずさを紛らすために話しかけてくるじゃん。話しかけられた流れで介護関係に勤めてるって言ったら「あー通りで顔が疲れてますもんね」って言われた。いや疲れてた自覚ないけどね。勝手にそっちが疲れさせただけだからね。俺の絶好調の顔知らないくせに疲れてる顔だと決め打ちに来るなよ。今日の俺は割と好調だったよ、パワプロで言えば名前の隣に真っ赤な笑顔が有るくらいの好調だったよ。その言葉受けてブブーって音なって黄色の真顔になったよ。

予約もしてたし1時間以内に終わるつもりだったから車でコインパーキングに停めて行っちゃったけど混んでてパーマで放置されて2時間ちょいもかかって駐車代2時間半分の1100円も取られてまあまあショック。まあ髪は軽くなったから満足だよ。軽くなって満足ってハードルの低さなら我ながら1000円カットいけよと思う。いや1000円カット行ったら終わりだと思うな、モテたいから。モテるために金を払ってるという事実に生きていることを実感するな。

にしてもおじいさんおばあさんにしか会わないのにどうモテんだよ。社会に参加したい。

万が一お金を捨てようという発想に至った場合のみ僕に引き受けさせてください。リターンはありません。