不動産売却時にどのくらい費用がかかるの?

 日常の仕事を進めていく上で、不動産を売却されるお客様より質問をいただく中で多いのが売却時の費用です。今回は残債があるパターンと残債がないパターンでかかる費用を確認していきます。

 まずどちらのパターンでも共通してかかる費用から見ていきます。今回上げる項目は最低限の費用となります。売却しやすくするために支出する項目もありますが、別の記事でお伝えいたします。

①契約書に貼る印紙代
 売買価格に応じて印紙を貼ります。不動産の売買契約書は所謂課税文書に該当します。売主・買主一部ずつ契約書を持ちますので、印紙代は折半するのが通常です。印紙税額は以下の通りとなります。

印紙税 表 原本

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7101.htm国税庁引用

ただ、2020年10月22日現在、租税特別措置法により、不動産の譲渡に関する契約書について、印紙税の軽減措置が講じられ、税率が引き下げられています。軽減措置の対象となる契約書は、不動産の譲渡に関する契約書のうち、記載金額が10万円を超えるもので、平成26年4月1日から令和4年3月31日までの間に作成されるものになります。なお、これらの契約書に該当するものであれば、土地・建物の売買の当初に作成される契約書のほか、売買金額の変更等の際に作成される変更契約書や補充契約書等についても軽減措置の対象となります。

印紙税 軽減税率図 (2)

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7108.htm国税庁引用

②仲介手数料
 媒介価格に応じて速算式で求めることができます。
200万円以下 5%と消費税
200万円超え、400万円以下 4%+2万円と消費税
400万円超え 3%+6万円と消費税

残債がない場合、不動産を売却する時にかかる費用は最低限上記2項目となります。

では、ローン残債が残っている場合はほかにどのような費用が掛かるでしょうか。

①繰上返済手数料
 これは取引銀行に支払う手数料になります。おおよそ5万円くらいです。


②抵当権抹消費用
 ローンを借入れた時に銀行が土地や建物に抵当権を設定します。このまま売却すると買主に不利益が生じる可能性があるため、抹消の手続きを行います。通常ですと所有権移転を行う司法書士にお願いする場合がほとんどですが、売主が自分で手続きをする事も出来ます。かかる費用は不動産の数にもよりますが、2万円~3万円くらいです。

じつは帰ってくるお金があるってご存じですか?

不動産を売却すると、場合によっては返金されるものがあります。
①火災保険・地震保険料
長期一括契約をしていて、売却時に残存期間が残っている方は、残存期間の長短により金額は変わりますが返金があります。
 注意点としては、保険は所有権が移転したのちに解約することで、売買契約書に記載されている引渡し前の滅失(危険負担)の条文の観点からです。そして自ら解約の連絡を入れることです。


②ローン保証金
 何らかの事情で金融機関へ支払いが出来なくなってしまったときに保証会社が債務者に代わり残債を支払うため、保証会社と保証契約を結ぶ費用をローン保証金と言います。全部のローン契約で必要ではありませんが、保証契約を締結している場合、一括返済すると保証金が帰ってくる可能性があります。こちらは自ら申告しなくても金融機関から返金があります。

 今回は売却時にかかる費用でしたが、次回は高く売るための費用(という言い方が正しいかわかりませんが)をお伝えします。

ありがとうございました。


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