シチュエーションセラピーというサービスを考えた

※この文章はクラウドファンディングに漫画として書こうと思った原稿の文字ネームです。


 僕は熊谷次郎。とっても孤独な38歳さ。
 孤独な僕はこんな新しいビジネスを考えたんだ。
 その名もシチュエーションセラピー。
 駆け出しの声優や役者の人相手に言ってほしい言葉を投げ掛けてもらったり、
 こちらがスカッとする言葉を投げかけたりしてやり取りするSkypeサービスさ。

 まず基本は台本があって、その通りに読み上げて演じたり、演じてもらったりしてやりとりをするんだ。その際カメラは相手の分だけ見れる感じだ。

 台本は僕、熊谷次郎が書いたものの他、自分で書くこともできる。疑似恋愛ができるものや、他人から褒め称えられたり、他人に罵声を浴びせたりして、心の中の欲求を果たそう。

 代金は10分2000円。一回友達と飲みに行ったのと同じくらいの料金になる予定。

 このサービスの特徴として、自分が書いた台本を元に他人が一回サービスを行うと2000円の料金のうちから400円が自分の元に入ること。みんなが演じて嬉しくなったり、スカッとする台本を掛ければ自分の脚本で大儲けできる可能性を秘めているぞ。

 また、自分は文章を書けないという人でも「このサービスは良かった」というものを書いて、誰かがそれを見てサービスを購入すると100円が手に入る。たくさんの人が購入してくれるといいね。

 2000円の料金のうち1000円がアクターさんの分、400円が脚本を書いた人の分、100円が推薦者の分、500円が僕が作ろうと思っている会社の利益だ。
 最初はアクターさんの画像をカメラに移す予定だけど、任意で画像を消したり、追加料金のオプションで二次元の立ち絵と顔を画面に出すことも検討中だ。

 また演じる台本は無料で予め読む事ができるが、どんな内容なのかを知っていると言われたときに感動が薄れる可能性があるので、推薦者の言葉からどんな内容なのかを推測してサービスを選ぶことも可能だぞ。

 サービスの説明は以上だ。

 え? 何でこんなサービスを考えたのかって?
 
 僕には過去の経験から許せない幼馴染みの女の子がいた。だけど、シンガーソングライターのYUIが歌うUmbrellaという楽曲が許しを乞う歌で、その楽曲を聞いたら幼なじみが謝罪しているような気がして心の中がかなり軽くなったんだ。
 他にもofficial髭男dismのpretenderとか青山テルマのそばにいるねとか自分が好きだった存在に言って欲しかった言葉を投げ掛ければ、みんな心の中がスッと楽になるんじゃないかと思った。これを歌以外でも経験する事ができれば、みんなの心が掴めるのではないかと。

 また、今アニメ界にはなろう系という異世界ものの小説がたくさんあって、幾つものヒット作が生まれているけど、その中のヒット作は俺TUEE系という自分が特別強い力を持って敵を無双するものが多くて、みんな物語の中では特別な存在になりたいと思っているんじゃないか。それを日常の中で演じられるシチュエーションを作れるのならばみんなそんなサービスを受けるのではないかと思ったんだ。

 まあ単純にムカつく上司にそのまま悪口は言えないし愚痴を吐ける友達もいないから、誰かに思いの丈を言えたらスカッとするんじゃないかなと思っただけなんだけどさ。

 他にも、スカッとすることを考えてそれでお金が稼げるサービスがあったら僕は利用したい。そう思ったから脚本を募集することにしたんだ。だから、もし自分の作品で食べていきたいと思っている人がいたら、取り敢えず書いてみてほしいな。別に採用されなくても死ぬわけではないからリスクはないしね。

 孤独な僕みたいな人がたくさんいて、たくさんお金を払ってくれるといいな。

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