ロシアのウクライナ侵攻から1年:千葉県の支援

ロシアによるウクライナ侵攻から1年が経過しました。ロシアのウクライナからの撤退、ウクライナの復旧復興に向け、国際社会は結束して立ち向かって欲しいと願います。また、シリアを始め、アフガニスタン・ミャンマーなど、多くの国民が苦しい状況に置かれている地域にも心を寄せていきたいと思います。

千葉県ではウクライナからの避難者に対して専門チームを作り、県内に避難されてきた方が安心して滞在することができるよう、国や市町村・民間等と連携し、切れ目のない支援に取り組んでいます。現時点の支援の概要は以下のとおりです。

●県内に避難されてきた方の世帯・人数(2月22日時点)

61世帯、102人(※県内市町村と連携して把握したもの)

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1.避難されてきた方等への相談対応

避難されてきた方、または、避難者の身元引受人からの、日本での避難生活に関する相談に応じます。

相談窓口:千葉県国際交流センター

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2.住宅の提供

住居として県営住宅を提供し、入居に際し、生活に必要な家具・家電等の提供も行っています。また、県営住宅等に入居するまでの間の一時滞在施設の提供を行います。

県営住宅:85戸確保し、うち17戸(17世帯34人)を提供(2月22日現在)

家具等:照明器具、ガスコンロ、冷蔵庫、洗濯機、カーテン、食卓セット、寝具等(12品目)

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3.見舞金の支給

避難されてきた方に当座の資金として、1世帯につき10万円の見舞金を支給しています。

67世帯合計670万円

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4.翻訳機器の貸与

避難されてきた方のコミュニケーションを支援するため、翻訳機器(ポケトークS)を1人につき1台無償貸与します。

翻訳機器:30台確保し、避難されてきた方22人と民生委員1人へ貸与(2月22日現在)

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5.教育支援

県内市町村において、避難民の児童・生徒を小・中学校で現在、11名受け入れています。

県立学校については、避難されてきた方の居住地や学校教育に関する希望を考慮しながら、外国人児童生徒等の受入実績がある学校での受入れを進めていきます。

また、避難されてきた方の語学力などの状況に応じて、きめ細かな学習支援を行います。

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6.日本語学習の支援

地域で生活するために必要な日本語を習得できるよう、市町村と連携して、日本語学習の機会を提供します。

日本語教室の開催:1市町村(28回)

[参考]県内市町村による日本語教室の開催:5市町村

また、千葉県国際交流センターで語学ボランティア(ウクライナ語、ロシア語等)も紹介しています。

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7.民間企業、ボランティア等との連携

避難されてきた方の生活支援に向けて、市町村、民間企業、ボランティア等との連携を進めます。

〇在留資格変更手続等の支援:千葉県行政書士会

〇スマートフォンの無償貸与:ソフトバンク株式会社

〇食料品の無償提供:We Support(一般社団法人RCF、オイシックス・ラ・大地株式会社、ココネット株式会社) 

7月8日から開始し、これまで15回実施。今後も継続していただく予定。

「WeSupport」が、食品の寄附にご協力いただけるサポート企業と、支援先の各団体とをマッチングさせて、食品支援を行います。支援の拡充・継続に向けて、サポート企業の参加や寄付金の受付をしています。

〇衣料品の無償提供:QVCジャパン、ファーストリテイリング

〇避難民同士の交流:お茶しませんかプロジェクト

〇日用品の無償提供:ライオン株式会社

政府は今回のウクライナからの避難者に対して、従来の難民の位置づけではなく受入・支援を行っていますが、既に1年が経過しており、当時の暫定的な措置ではなく、数年以上の生活を前提とした制度構築を行うべきです。

私は市長時代に福島からの避難者に対して同じように受入・支援策を行いましたが、その殆どは福島に帰らず、仕事や生活の基盤となった千葉で生活されました。

国籍・民族が違うため、同じとは考えられませんが、少なくない方々が仕事を見つけ、子どもが通っている日本での生活を希望するでしょう。制度の枠組みは政府が検討するべき課題ですが、私たちは現場を預かる者として市町村と連携しながら、避難されてきた方々の就労・日本語教育により注力していきたいと思います。

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