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GoToイートのまとめ

苦境の飲食業界を救うためとの名目で、農林水産省の進めるGoToイート。
この名目は正しいのか。中抜き業者にお金を流すためではないだろうか。
そこで、GoToイートに使われる税金の行き先についてまとめてみた。

GoToイートには2種類あり、1つはプレミアム付きの食事券。もう1つは特定のオンラインサイトで予約するとポイントがもらえる、というキャンペーンだ。


食事券(給付金868億円)

25%上乗せのプレミアム付き食事券。例えば1万円で1万2,500円分になるので、20%引きになる計算だ。
購入制限なし(1回の購入2万円まで。何回も買えば制限なしと同じ。)

GoToキャンペーンは時期尚早と反対の人や、外食する事も食事券を買う事もできない苦境にいる人や、キャンペーンに登録しない飲食店には恩恵はない。その上、いくらでも買う余裕のある富裕層は、常に20%引きでの食事が可能となるため、富裕層優遇政策と言える。

事業費の行き先は食事券利用者の割引と食事券発行事業者への委託費である。事業費に対する委託費の割合は20%が上限とされるため、給付金868億円を80%とする総事業費の20%程度が事業者への委託費になる。2020年10月1日現在の事業費は1,081億円であり給付金868億円を引くと、委託費は213億円であり約19.7%≒20%である。

苦境の飲食店は、客は増えるかもしれないが事業費の行き先ではない。客が増えずに単にすでにいる顧客が安く食べられるだけになる可能性もある。(*1)


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食事券発行事業者は、商工会議所・商工会・JR・JTB・大日本印刷・ファミリーマート・日本郵便・日本通運・近畿日本ツーリスト・地方新聞・地方銀行やJAや信用金庫・ローソンなどである。(*1)

食事券発行事業者(*1)
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/gaisyoku/attach/pdf/hoseigoto-34.pdf



オンライン飲食予約(給付金616億円)

食事1回につき、昼食500円分、夕食1,000円分のポイント付与。
上限なし(1回あたり10人分(10,000円分)。10人以下で何回も食事すれば制限はなしと同じ。)

例えば、
1回目の食事(普通に支払い。500円または1,000円のポイントをもらう)
2回目の食事(ポイントを使用で500円または1,000円割引)
3回目の食事(普通に支払い。500円または1,000円のポイントをもらう)
4回目の食事(ポイントを使用で500円または1,000円割引)
と、いくらでも500円または1,000円の割引が受けられる。

付与ポイント以上の飲食で使用できるため、
昼500円夜1,000円の食事であれば1回おきに無料で食べられる事になる。

事業費の行き先は、食事券利用者の割引とオンライン飲食予約サイト事業者への委託費である。事業費に対する委託費の割合は不明(農林水産省に問い合わせた所わからないとの回答)。2020年10月1日現在の事業費は677億円であり給付金616億円を引くと、委託費は61億円であり約9%である。

また、オンライン飲食予約サイト事業者は委託費の他に、飲食店から手数料を受け取る。0円の所もあるが知名度のある所は全て手数料がある。委託費の配分は過去の予約の実績に比例、つまり知名度と関係すると思われるので0円の所は規模が小さいだろう。


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オンライン飲食予約事業者の送客手数料
     ランチ   ディナー
ぐるなび    50円   200円
食べログ     100円   200円
Yahoo!ロコ    100円   200円(コース8%)
一休       8%
EPARK    100円   200円
HOT PEPPER  50円     200円
favy       0円    0円
トレタ        0円    0円
オズモール     10%
Retty           0円    0円
ヒトサラ       0円     200円
Chefle         0円    0円
大阪グルメ      0円    0円


オンライン飲食予約は昼の500円から使用できるため、一見すると富裕層だけの優遇策とは言えない。しかしオンライン予約の雰囲気からすると高級感が売りの店が多く500円や1,000円位の安い店は少なく見える。その理由は手数料だろう。

例えば10,000円の売り上げに対しての手数料は、安い店の場合、ぐるなびで1,000円のディナーで10人の予約があったとすると、売上は10,000円に対して手数料200円×10人=2,000円をぐるなびに払う事になり手元に残る金額は8,000円だ。
しかし高級店の場合、ぐるなびで10,000円のディナーで1人の予約があったとすると、同じ売上10,000円に対してぐるなびに払う手数料は、200×1人=200円である。手元に残る金額は9,800円となり、手数料の影響は少ない。

安い店は手数料の負担が大きいから登録しにくいだろう。
つまり利用者は富裕層が優遇されてはいないが、店側が富裕層がターゲットの店が優遇されている、つまりこちらも富裕層優遇政策と言えるだろう。

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こちらも苦境の飲食店は、客は増えるかもしれないが事業費の行き先ではない。客が増えずに単にすでに今いる顧客が安く食べられるだけになる可能性もある。しかも払う手数料だけ増えて客が増えなければデメリットになる可能性もある。(*1)


ぐるなびの会長の滝久雄氏がスガ首相と親しい間柄であり、滝久雄氏が会長を務める広告代理店「NKB」などが、スガ首相の政治団体に献金をしているという。委託費の配分はサイト毎に異なりぐるなびへの委託費は最も高額になると言う。

GoToイート、特にこのオンライン飲食予約事業についてはかなり問題があるようだ。政治的な疑惑のみならず、これも困っているから救うはずの飲食店が手数料を払うというおかしなシステムだ。


オンライン飲食予約事業者(*1)
https://gotoeat.maff.go.jp/business_person/


まとめ

GoToイートの給付金の行き先は利用者、そして儲かるのはやはり中抜き業者という仕組みである。困窮している飲食業界は、偽善的な大義名分として利用されている感が否めない。




https://bunshun.jp/articles/-/40268


農林水産省
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/gaisyoku/hoseigoto.html


変更履歴(*1)

・ 2020.10.23 変更・追加箇所 →  (*1)で検索



#GoTo感染拡大反対
#GoToキャンペーンに反対します
#GoToキャンペーンを中止して下さい
#GoTo予算を医療保健所災害支援補償に直接回して下さい




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