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タブーの言葉 - 命の選択 -

 前に書いたnote「誰を利するか」でも書いた数日前に炎上した言葉、命の選択。

炎上理由は、命の選択と優生思想がごっちゃとか、「命の選択をするのが政治」の言葉がいけないとか、色々あるようだ。

「命の選択をするのが政治」は意味が深いと思う。
色々なケースがあり、どういう意味で使った言葉であるかが問題であり、
また命の選択を全くしない政治が存在できるかと言う事だ。

動画の最初に言っている高齢者の延命について技術的にどこまでも出来てしまう場合に、予算も十分にあって誰も犠牲にならないならどこまでもやればいいが、そうでない場合にはどうしたらよいのか考えるのが政治、という主旨で使われた言葉ならば、僕は問題ないと思う。

 実際にコロナ禍で医療崩壊が起きてしまったら、医療現場ではトリアージという命の選択を行わなければならない。どうしても予算も人員が足りず、やむを得ず選択しなければならない場合にどうするのか。
年齢で区切るのか、それともお金やコネや権力や身分で区切るのか。
この中で平等と言えるのは年齢だ。
でも、実際には多くの場合で、お金やコネや権力や身分で区切られているだろう。政治によって。それでよいのかという事は重要な問題だ。

 命の選択は、予算や人員、つまりお金と大きな関わりがある。
政治は予算を配分する事だから「命の選択をするのが政治」は事実だ。

もちろん、お金やコネや権力や身分によって命の選択をするのが政治という事なら反対だ。予算が足りて人員も足りてるのに年寄は死んでよいという事なら反対だもちろん優生思想を支持なんてしない。それは大前提だ。

 また、「政治による命の選択」にはいくつもの種類があると思う。
直接的なだけでなく間接的な選択もあるだろう。
済む所や仕事や健康保険を失ったり、間接的にでも命が危機になる場合がありうるならば、それは間接的な命の選択と言えるだろう。

 今真っ盛りのコロナ禍や豪雨の災害、ここにはいくつもの、間接的な命を選択する政治が存在すると思う。

 今話題のGoToキャンペーン、これは観光業がコロナ禍で困っているから助けると言うのが建て前だ。
コロナ禍で困っている業種は観光業だけではないにも関わらず観光業だけ助ける理由は何だろう。
全国旅行業協会という一般社団法人の会長が二階俊博自民党幹事長だ。
もしこれが理由ならば、政治家の都合や関係によって間接的に助かる命の線が引かれているという事だ。
もしそういう事ならば、そういう政治であってよいのかどうか

 また、今回の豪雨の災害に対する政府の対応。

7/13に政府は豪雨災害を受け4000億円を上回る規模の経済対策を取りまとめる方針を決めた。

「支援」ではなく「経済対策」だ。
これも、もし政府と関係のある企業にお金が流れ災害で本当に困っている人に届かないなら、政治家の都合での間接な命の選択だ。

また最初の被害は7/4だが対応に10日近くも経っている理由は何だろう。最初は九州だけだった被害が7/13の時点では本州や四国に及んでいる。どの県かどうかが関係あるのだろうか。例えば山口県や福岡県であっても同じだろうか。
もし政府と県の関係で対応が異なるなら政治家の都合での間接的な命の選択と言えるだろう。

あるいは、前日の7/12、防災担当大臣が被災地の復旧のためにボランティアを確保したい考えを示したが、ボランティアは有志で無償で行っている事であり、それを防災担当大臣が最初からあてにする事はおかしいだろう。
4000億円の話はその翌日に出た話だ。
もし失言を封じる事が理由ならこれも政治家の都合での間接的な命の選択と言えるだろう。

 また4000億円とは別に、被害額が一定基準を超えて基準を満たせば激甚災害として指定され、自治体が復旧事業を行う際に国から財政的な支援を受けられる。しかし指定基準を満たさないと指定されない。
つまり規模によって支援が変わるのだ。

なぜ被害額が大きくないと支援されないのか。
なぜどれだけ困っているかの状況で支援されないのか

状況で区切れば、ケース毎にいちいち法律を作る必要もなく合理的だ。
なのに現状そうなってはいない理由はなんだろう。
世論が騒ぐほどの規模であれば政治的な影響力を持つからだろうか。
支持率に影響するという事が理由ならこれも政治家の都合での間接的な命の選択だ。

 また、支援の恩恵はどこに多く流れて行くだろうか
被害を受けた人達が罹災証明を出す事等で直接もらえるお金もあるだろう。
しかし多くは道路や公共施設が修復されたりする事に流れるお金で、直接もらうのは受注業者だ。

大きな災害は企業にとってはチャンスであり、企業の株価は上昇する事が多い。今は日銀が株を爆買いする事でそれをさらに後押ししている。
メディアが騒ぎ世論が騒げば騒ぐほど、政府は企業にお金を流す口実ができる。

 コロナ禍の中リモートワークで働ける状況かどうか、職を失いホームレスになってしまった時に台風で避難所に入れてもらえるか。
これらだって間接的な命の選択である。

 どれだけ困っているかの状況によって平等に支援を受けられる社会になってほしい。しかし今優遇されている命はお金がある人、政治や権力にコネのある人であって不公平な上に、世論は彼らに操作される。

だから大義名分に惑わされてはいけない

 命の選択。
この言葉には色んな意味がある

言葉叩きはタブーを作る
タブーになった言葉は、ニュアンスを変えたり別の言葉になったりわかりにくくなって、亡霊のように内容だけ生き残る。

だから言葉を叩いてタブー化する事には反対なんだ



(あとがき)
 僕は大西氏を擁護するつもりで書いてはいない。
しかし動画だけを見る限り過激な言い方をしている以上に大きな問題があると思えないので擁護しているとも言える。問題があるとすれば山本太郎氏の言動だ。命の選択と優生思想をさらにごっちゃにわかりにくい言い方をした事と、都知事選で共闘を壊した事だ。都知事選の恨みが炎上の燃料になっている部分もあると思っている。
だがれいわは大西氏の除籍を決めた。
他の野党は大西氏支持者を与党に取られる前に急いで吸収すべきだ。

前の選挙、排除の件、くのいちにやられた時を忘れてはならないよ。
あの時やるべき事はもめたり誰が悪いとか仲たがいしたりとかではなく、
直前にやっとできていた共闘を急いで立て直す事だったと思う。

GoToキャンペーン、続化給付金、お肉券お魚券等、人の不幸を名目にして一部企業にお金を横流ししているならあってはならない事だが日常茶飯事のようだ。それについては検察や会計検査院に調べてほしい所なのに、検察や警察も忖度や汚職で機能不全に陥っている疑惑がある事態。

野党はどうか協力・共闘して、正してほしい。
お願いだよ。

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