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Vol.2 Nishikawa Saori|ネコ好き心理学博士

1.どのような研究をしていますか?

私の専門分野は、社会心理学や発達心理学です。人の育った環境や生まれながらに持つ気質が、ウェルビーイングにどのように影響するかを調査しています。対人関係で難しさを感じる人が多いと感じることから表情認知に着目し、顔の表情の読み取り実験も実施しています。最近は、レジリエンス(こころのバネ)や、PTG(逆境を経験した後の精神的成長)に関する質門紙調査を実施しています。また、共同研究者と脳波を測定したり、遺伝子の変異を調べることにより、レジリエンスの高い・低い人の特徴があるのか?、を調べています。研究成果は、直接的に社会実装へ繋げていくことは難しいので、まずはレジリエンスやPTGというポジティブな理論があることを社会の人に知ってもらうこと自体が、その人自身にとっての助けとなると思っています。心理学は異分野のスペシャリストたちとコラボがしやすく、新しい知見の可能性があるところが楽しいです!

学会発表@日本心理学会
楽しかった遺伝子解析@長崎大学

2.どんな人生を経て、熊本大学に?

子どもの頃からの性格は控えめでおとなしく、10代前半は暗黒時代で中学校ではほとんど教室に行けませんでした。そんな中、英語が好きで留学するという夢ができ、20代はスウェーデンの大学と大学院で過ごしました。学部ではスウェーデン語での授業内容がわからなくても誰も助けてくれないので、自分から人に話しかけるようになりました。勉強をしすぎたので、大学院に進学後は人生一度きり楽しいこともしたいと思い、バンド活動を通じて友達がたくさん出来ました。学位取得後は日本に戻り、医学系の任期付き研究員として脳機能計測や遺伝子に心理学調査を取り入れた研究を続け、理系アレルギーはなくなりました。しかし、学位取得後6年経ち大学教員の道をあきらめかけていた時に、熊本大学に私にぴったりな求人があり採用されました。人生の選択肢については、恩師に相談をして視野を広げて、やりがいや笑顔の自分を想像できる未来を自分の意志で選んできました。恩師のアドバイスとは逆の選択肢も選んだことがあります。

博士論文の指導教員Elisabetと@ウメオ大学


博士論文のdefence中@ウメオ大学

3.人生の中で、心に残っている言葉は?

心に残っている言葉は、「Stay Wild」です。日本で生活していると「Be patient」と自分に言い聞かせがちで、学生にまでその言葉を伝えそうになっていました。その時、スウェーデンのアーティストにもらったサインC Dのメッセージに「To Saori Stay Wild」と書いてあるのが目に入りました。「ワイルドのままでいて」というより「ヤンチャ・気ままであれ」というのが私の解釈です。闇があってこその人生ですが、明るい側面を見て生きていきたいなと思っています。

私が大学生の頃@コペンハーゲン


STAY WILD

▼所属研究室▼

▼紹介記事1▼

▼紹介記事2▼

Over Seas 私の異文化心理学フィールドワーク in Sweden


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