午前3時の攻防(part4)
〇コンビニ（１時間半後）
うつむいてレジに立っている田中。
雑誌コーナーの前に座り込み何度も読んだ雑誌を読み直す橋本。
店内をフラフラと散策する加藤。
顔を上げる三人。
少しの間沈黙が流れる。
三人Ⅿ「早く帰れよぉぉお！」
田中Ⅿ「おいホームレス！ お前金持ってないだろ！ 何も買わないなら帰れよ！ もし強盗するなら早くしてくれ！ 早く帰ってくれないと次のバイト来てレジ金取れなくなっちゃうだろが！」
加藤の方を見る田中。
田中の視線に気づかず、橋本を見る加藤。
加藤Ⅿ「この客全然帰らねぇじゃん。ずっと雑誌コーナーで同じ雑誌読んでるし。何？ 家が嫌いなの？ 家があるってめちゃくちゃありがたいことよ？ 段ボールだけで寝たこともないくせに最近の若い奴は…いらないならくよ！ お前の家おれにくれ！」
加藤の方をこっそり見る橋本。
橋本Ⅿ「このホームレス邪魔だなぁ…早く帰れよ。どうせ金も無いんだし、ここにいたって何もできないだろ？ おれはそこにあるバカ盛カレーを万引きして帰りたいんよ。早く帰って食べて寝たいんよ。さっさと帰ってくれ！」
加藤を見る橋本を見る田中。
田中Ⅿ「おれはお前にもさっさと帰ってほしいんよ。てか長く居過ぎて座っちゃってんじゃん！ 座って雑誌読んじゃってんじゃん！ おれこのバイト長いけど初めて見たよ。座ってまで万引きのタイミング伺うやつ。見逃してやるからさっさとバカ盛カレー持って帰ってくれ！」
互いの様子を伺いあう三人。
橋本Ⅿ「もうやるしかないか…」
決心した表情で洋食弁当コーナーに歩み寄り始める橋本。
(part5へ続く)
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