午前3時の攻防(part3)
田中「い、いらっしゃいませー」
バカ盛カレーに伸ばしていた手を引く橋本。
加藤の服のボロボロさに驚愕する田中と橋本。
そんな二人を無視して店内を散策する加藤。
田中Ⅿ「なんだこいつ! 汚すぎるだろ! こいつホームレスか」
橋本の近くを通り過ぎる加藤。
橋本Ⅿ「くさっ! エグ過ぎだろ。絶対ホームレスだわこいつ」
店内を大きく一周し自動ドアに近づく加藤を目で追う田中と橋本。
田中Ⅿ「行け! 帰れ!! 頼む! 帰ってくれぇぇえ!」
自動ドアの前で踵を返し再度店内を散策し始める加藤。
田中Ⅿ「いや、帰れよ…って、え?」
加藤のベルトに拳銃が挟まれているのが目に入る田中。
田中Ⅿ「え? え? いや、え!? 拳銃!?」
目をこすり再度加藤の腰辺りを見る田中。
田中Ⅿ「やっぱり拳銃だ。どう見ても拳銃だ。いや、でもあんな目立つ所に挟むか? エアガンを常時持ち歩いているただのやばい奴なんじゃ…」
視線に気づき田中の方を見る加藤。
急いで目をそらす田中。
腰付近に視線を落とし拳銃が丸見えなことに気づいた加藤は急いで上着のポケットに拳銃を隠す。
加藤Ⅿ「あぶねー 拳銃丸見えだったわ…にしてもさっきから睨まれてる気がするんだが…まさか…ホームレスってバレた? 一番きれいな服を着てきたのに…でも拳銃がバレてなきゃ無問題(もうまんたい)」
橋本の方を見る加藤。
加藤Ⅿ「こいつが邪魔だな…あんまり一般人を巻き込みたくないし…」
視線に気づき加藤の方を見る橋本。
橋本Ⅿ「こいつ早く帰んないかなー…どうせ金持ってないだろ!」
ゆっくりと田中を見る橋本。
橋本Ⅿ「あいつだけなら簡単にもって帰れるんだけどなー…」
視線に気づき橋本の方を見る田中。
田中Ⅿ「あいつ持って帰る気満々じゃん…まあ、めんどくさいから見逃すけどさ…にしてもあいつは何する気だ?」
ゆっくりと加藤を見る田中。
田中Ⅿ「まさか、強盗する気じゃないよな?」
田中の視線に気づき思わず二度見をしてしまう加藤。
加藤Ⅿ「あいつ、もしかして気づいた? いや、全然拳銃は見えてなかったはずだし…」
上着のポケットの中にある拳銃を強く握りしめる加藤。
加藤Ⅿ「それにもう3か月もまともに食べてない…たまたま手に入れたこのチャカで強盗するしかないんだ!」
コンビニにいる三人が決心した表情をする。
三人Ⅿ「おれは、必ず…」
加藤Ⅿ「強盗する!」
橋本Ⅿ「万引きする!」
田中Ⅿ「レジ金を持って帰る!」
三人Ⅿ「絶対にやってやる!」
三人の目が気まずそうに合い、照れくさそうに会釈する。
煙草をノロノロと陳列する田中。
一度読んだ雑誌を読み直す橋本。
再び店内を散策する加藤。
(part4へ続く)
#創作大賞2022
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#シナリオ
#こないだコンビニで気づいたらカレーライスとどん兵衛のカレーうどん買ってた
#午前3時の攻防 (登場人物)
#午前3時の攻防 (part1)
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