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「ひきこもり居場所活動」のご紹介

第2回目の活動を実施しました

私たちは「Niente」は、ひきこもり当事者会を運営しています。Nienteのミッションは「ひきこもり当事者自身で幸せな生き方をデザインする」ことです。私たちは、一般的な社会の目標や価値観に縛られることなく、各自が自分自身の価値観に基づいて、どのように生きるかを探求し、それをサポートしています。

Nienteの活動は3つの柱によって支えられています。①居場所作り、②ひきこもり予防活動、そして③ひきこもり啓蒙活動です。これらは全て、ひきこもりが自身の生き方を見つけ、社会との新しい接点を築くための活動です。

私たちのサポートは傾聴と共感に基づいています。問題を解決しようという立場ではなく、一人一人が自分の問題の解決策を見つける手助けをする、というスタンスです。それは、解決の鍵は本人自身にしかないという信念によるものです。

私は自身もひきこもりを経験しました。その経験が今となってはプラスに作用しています。なぜなら、それは人に迷惑をかけて生きるのではなく、自身の価値観に基づいた生き方を模索し続けるきっかけとなったからです。今回は、そんな私が主催する「ひきこもり居場所活動」の内容をご紹介します。

居場所活動の内容

居場所では、参加者が心地よく過ごせる空間を提供することから始まります。挽きたてのコーヒーでリラックスしたムードを演出し、心を開いて自己表現できるように環境づくりを対切にしています。会の始まりは、当事者会のルール説明からスタートします。これにより、互いに尊重し合いながら安心して話すことができる場作りを意識しています。

続いて、簡単に自己紹介を行い、お互いのことを知ることで話しやすい環境を作り出します。私は自身がひきこもりであったことや発達障害を抱えていることを伝えました。理由は、どんな人が主催しているかを知ってもらうためです。また、私自身が自己開示をすることで、話しやすくしたいという気持ちもありました。もちろん参加者の皆さんは、自分自身のひきこもりのことは話さなくてもOKです。

その後、テーマトークへと移ります。今回、参加者が選んだテーマは「おすすめの本」「大切にしている価値観」「趣味」でした。この時間は参加者が自分の考えを深め、他者と共有することで、新たな視点や自己理解を深める機会となればと思って設けました。

あっという間に1時間半が過ぎ、次回の告知で終了となります。参加者が自由に話し、新たな自己理解を深める場として、当事者会は大切な時間となっています。

実際の様子

会場は就労継続支援事業所の一角をお借りしています。そのため「就労」という文字や、作業をされている職員さんたちの姿を見て緊張するかもしれません。

その緊張感をできるだけ取り除けるように、挽きたてのコーヒーの香りや、くつろげるBGMで会場を満たし、リラックスした雰囲気を心がけています。きっと初めての参加者でも、少し緊張しながらも、すぐに穏やかな雰囲気に溶け込むことができると思います。

自己紹介の時間には、参加者の皆さんが一人ひとり、自分の思いを言葉にし、それを他の人たちと共有していました。そして、テーマトークの時間になると、会場はさらに活気づきます。それぞれが持ってきたテーマについて語り合い、自己理解を深める一方で、他者から学ぶ機会も生まれます。今回は「なぜその趣味にハマったのか」というところで盛り上がり、学生の頃に見ていたアニメやゲームの話に花が咲きました。

終わりの時間が近づくと、当初の緊張がだいぶ和らぎ、皆が自然体で笑顔を見せる様子が印象的でした。あっという間の1時間半だったように感じます。

ご家族や支援者へのメッセージ

ひきこもり当事者会「Niente」では、参加者が自分の価値観や趣味を共有し、夢や目標について語る場を提供しています。一見すると「そんなことをしていて、本当にひきこもりから抜け出せるのか?」とお感じになるかもしれません。

ひきこもりの人々を取り巻く社会の中で、よく耳にする「何もしない」「何を考えているかわからない」といった言葉からは、ひきこもりに対する先入観を感じています。それでは、彼らの内面や可能性を理解するのは難しいと感じます。そんな先入観を小さくしていくこともNienteの大切な活動の1つです。

ひきこもりの人々は、普通に生活する人々となんら変わりません。感情を持ち、夢を抱き、目標を立て、楽しいことを楽しむ心を持っています。そして何より、自分らしい生き方を探しています。一部の支援者からは「甘やかすとワガママになる」という声もありますが、Nienteはその考えに反し、「ますは、安心できる居場所から」と考えています。

「まずはアルバイトでもいいから」「まずは生活リズムから」ではなく、ひきこもりの人々がまず必要とするのは、心が安らげる場所です。彼らが自分自身のペースで、自分自身の生き方を見つけていくためのスペースこそが、最初の足がかりとなると信じています。

とはいえ、私たちNienteは専門知識を有していません。元ひきもりが始めた素人の活動であることは否めません。不足する知識や経験をカバーする必要があると認識しています。そのため、県や市町村の支援機関との関係作りに力を入れています。参加者の心を無視して支援機関に繋ぐことはありませんが、参加者が望まれたときに、適切な方法をご紹介できるようにはしておく必要はあります。

まとめ

Nienteでのひきこもり当事者会は、安心して自分を表現し、新たな視点を得る場所です。ここでは、自分のペースでコミュニケーションを取り、自己理解を深めることができます。そして、それぞれが得た何かが心に残り、日々の生活に前向きなエネルギーが蓄積されることを期待しています。

私たちが目指すのは、ひきこもりの人々が安心できる居場所を提供し、自分らしい生き方を見つけるための一歩を踏み出すことです。それこそが「ひきこもり当事者自身で幸せな生き方をデザインする」方法だと考えます。この活動を通じて、ひきこもりの人々の内面や可能性を理解し、彼らの背中を押します。そして、胸を張って社会で暮らしていけるようにサポートしていきます。

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