機種変と一抹の寂しさ。

2年あまり付き合ってきたiPhone11とお別れした。
先週末から画面の右下あたりの反応が悪くなり、だんだん文字を入力するのに不自由するようになった。
あと3ヶ月くらい待てば新機種が出るらしかったが、そんな悠長に待っていられるほどの余裕はない。修理に出すことも考えたが、下取りプランに加入していたので、わざわざ直すくらいならいっその事新しい子をお迎えしてしまおう、という魂胆である。

新しくお迎えしたのはiPhone13。最近出たばかりという緑のもの。鮮やかな色合いで、いい意味で森のようだ。
さて、家に帰り早速使ってみよう。
電源ボタンを入れると、「こんにちは」という文字。
これから少なくとも2年、出来ることならそれ以上に末長く付き合っていくつもりの新しいiPhoneのそれは、なんだか少しワクワクさせてくれた。

購入にあたって、電器屋の販売員さんには
「データを引き継ぐには、クイックスタートという機能が便利ですよ」
と教えてもらい、詳しいやり方が記された冊子まで貰ったので、その通りにやってみた。
冊子とにらめっこして、若干の機械音痴を発揮しつつも操作を進め、いざ引き継ぎ…と思ったら、新しい方の画面に
「OSのアップデートが必要です」
という表示。

おーい、新品なのにそこは最新なんじゃねぇんかい。


アップデートを済ませて、ようやくデータの引き継ぎを始める。
新旧両方のiPhoneを並べて置いておけば勝手にやってくれるので、あとはひたすら待つだけ。楽なものだ。
先の販売員さんから
「寝る前に始めて、起きたら終わってるくらいのイメージでいてくださいね」
と言われていたので、ざっと6〜7時間はかかるものだと思っていたら、あっさり30分ぐらいで終わった。
早く終わるのはいいことだが、そんなに早く終わるなんて、私のスマホのデータはそんなにすっからかんなのか。嬉しいやら悲しいやら、複雑な気分だよ。

そんな紆余曲折(と言うほどでもない)を経て、晴れてiPhone13に11のデータを引き継ぐことができた。
今まで入れていたアプリ、写真、SNSなど大体のものがそっくりそのまま移ってきたので、足りない分の設定をちょっと済ませれば、すぐに前と同じように使えてしまう。やった〜、これでおニューのスマホを使えるぞ〜!
…と思っていたら、データを移し終えてすっからかんになった先代のiPhoneが視界に入った。

もうデータを置いておく必要はないので、自動で初期化がなされていた。
今まで散々親しんできたスマホの画面には「はじめまして」という表示。
ほんの数十分前まで、画面タッチがうまく反応しなくなってもなお健気に振る舞っていたのに、急に見知らぬ誰かになってしまったような気がして、ちょっと寂しくなった。

2年間、散々こきつかったなぁ。いろんな所へ一緒に行ったなぁ。
数えきれないくらい落としちゃったなぁ。
画面がおかしくなってまで、頑張ってくれたもんなぁ。
ありがとう。
回収センター宛の封筒に入れる前に、一言感謝を伝えた。

明くる日、近所のコンビニにあるポストに投函した。
お迎えした時はワクワクした覚えがあるのに、別れはなんともあっさりしたものだった。

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