晴れた日に大風の中で薪を割る
「ゴールデンウィーク」
この15年間、ゴールデンウィークに1度も休みを取ったことがなかった私は、今年初めてゴールデンウィークらしいお休みを少し頂けることになった。
コロナワクチン接種後のだるさも抜けてきて、気分は上々。
やってみたいことを少しずつやってみる。
本日、夫からさっそくお誘いがあった。
「薪割るけど、一緒にやる?」
「やる」
夫が風が強い日を狙っているのは「強い日はみんな近所の人も窓を閉めるでしょ?チェーンソーの音がうるさいものね。」との事。
さすが気遣いの人。
私とは次元が違う。
尊敬のまなざし。
夫から最初にざっくりとした説明がある。(いつも夫の説明は長嶋監督ばりにオノマトペが多くざっくりとしている)
「まず、手袋をするといいよ。僕のをかしてあげよう。」と言って厚手の黒い作業用の手袋をかしてくれた。夫は白い軍手をはめた。
やさしさマックス。またまた尊敬のまなざし。
「次にもつところは・・まず斧の柄のところで刃に近い方を持ってごらん。最初は慣れないから。」と言って斧をもたせてくれる。
ずしりと重い。
「あとは振り下ろして切るだけだよ。」
「振り下ろすときにこうやって木に当たらないと、自分の足に振り下ろす格好になるから注意してね。」
「え?」
私は一気に血の気がひいた。
どうしよう。不器用な私の事だから。すごくやらかしそう。
平穏なゴールデンウィークが「晴れた日の悪夢!斧で斬殺か?!くまさん殺人事件」になってしまったら目も当てられない。
子どもにも大した遺産もまだあげられない・・・。うちの子が路頭に迷ったらどうしよう・・。
慎重にやることにした。
ところが慎重にやろうとすると姿勢が悪くなる。姿勢が良くないと振り下ろす勢いも足りなくなる。
へっぴりごしなのが自分でもわかる。
「割れない・・」
薪に食い込むけど、奥までパカーンといかない。
そして風が強いから立てた木が時々倒れる。
「かしてみな」と夫が言う。
斧を渡す。
夫は斧を大きく持ち上げてブンと振り下ろす。
木はパカーンと気持ちの良い音をたてて真っ二つに割れる。
はああ!すごい!!
まるで月とキャベツの冒頭のシーンのハナビのようではないか!(例えが一部の人にしかわからなくてすみません)
尊敬のまなざし。
このようにお互い交代しながら薪を割った。
意外と疲れる作業だ。これはダイエットにもなるのかしら・・。
夫が「総合格闘技で昔いたヒョードルなんかが体幹を鍛えるために薪を割ってトレーニングしていたみたいだよ」と話した。
ヒョードルは大変強い人だったが、ヒョードルのおなかはぷにぷにしていた気がする。(左のかたがロシアンラストエンペラーことエメリヤーエンコ・ヒョードル。私の頭の中では高田延彦さんが呼ぶときのイントネーションでなぜか再生される。)
ううん・・。あんまりおなかはやせなさそう・・。
私は疲れてやる気をなくし、ウッドデッキに寝転んだ。
まだ、おやすみはつづく。
やりたいことをやってみよう。
おやすみでも働いている人に感謝しよう。
人間も植物と一緒だ。
日の光をあびると少し前向きになれた気がするから。
一歩ずつでいいから。
前に歩いて行こう。
まだこんなにあるんだから(涙)
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