クリスマスだけどおせんべいでもいいね
「服がないのよ」
「ズボンが窮屈なのしかなくて。持ってきてもらわなくちゃね。」
私は紫色のシルバーカーを押す80代の細身の女性と歩いていた。彼女は当施設へ入所している利用者さんだ。時間はちょうど午後の3時頃。
「そうですか。もしかしてタンスに入っているかもしれないから、一緒に見に行きましょうよ。」
私と彼女はおもしろいくらいに毎日この会話のやりとりをしている。
問いかけも答えもおそろしいくらいに一緒だ。
そのまま、彼女の部屋に入る。
ベッドに座って一緒にタンスの