見出し画像

水(140字小説)

聞いた話である。

ある町の若者が、有名な占い師に言われた。

「あなたには、水難の相が出ておる」

運命と思った若者は家族に話した。

家族は、若者に一切の水を近づけないようにした。

風呂はもちろん、ありとあらゆる水を。

体に必要な水分までも。

三日後の朝、若者は「水」と書かれた紙を持って息絶えた。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?