子どもを“受験バカ”にしてはいけない!#1

今までたくさんの受験生親子を見てきた。
私などは大手進学教室の大先生とは違って、その“数”は大した数ではないかもしれないが、それも中学受験での弊害をその中に多くを見てきた。

その中でこれは避けたいと思うことを書いていこうと思う。

よく、中学受験は親子の受験であると言われる。(因みに小学お受験は親の受験)

さらにこの親は父親ではなく圧倒的に母親の割合が高い。母と子で受験という高いハードルを越えるという運命共同体となるわけだ。

ここで様々なケースが出てくる。私はその中で最も気になるのが、子どもが何か発言するときにお母さんの顔色を見て(許可をもらって)から発言なり、返答をすることだ。

こちらは“模範解答”など期待していないが、相手はお母さんのマルをもらえる模範解答を探しているのである。

こういう環境下で育った子どもは当然自立が遅い。また経験したことがないイレギュラーに非常に弱い子(人)になってゆくだろう。

“うちの子は依頼心が強くて、放っておくと自分では何もしないんです”と中高生の母親の嘆きをよく聴くが、そういう子にしたのは実はお母さん自身なのである。

受験は“人を育てる”ためにあると私は思っている。その途上の訓練がその子にとって血肉になるから良いのである。

ところが親の意に沿うようにというレールがいつの間にか敷かれてゆく。子どもはそういうところは実によく見ているのである。自分を保護してくれるのは誰かよく知っている。よって母親の言うことはほぼ絶対的なものになてゆくのである。

つまりは子どもに起こる諸問題の大半は親子の関係が原因なのである。そこを理解しないで、受験だけを成功したいというのは非常に歪で危ない考えであることをまず記しておきたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?