ゆたかさって何だろう

ゆたかさとは何だろう。僕はゆたかさとは「どれだけ感情の起伏が激しい人生を送れたか」だと思う。

安定した人生か、それとも起伏のある人生か、なら僕は後者を選ぶ。感情は生命の源泉だ。つらいこと・悲しいこと/うれしいこと・楽しいことも人より二倍三倍経験したほうが良い。悲劇も喜劇も映画になる、無感情は誰も見ない。悲しみはきれいだ、愛する人の喪失から音楽は生まれた。

あなたが恋人に振られて悲しみのどん底にいるとしよう。その悲しみは永遠には続かない。それだけ人を愛することができたということは君の誇りだ。人間は愛されるよりも愛するほうが幸せであることに多くの人は気づいていない。

経済も同じだ。戦争がなければ日本はここまで発展しなかったかもしれない。焼け野原になった東京を見て、あなたの祖父母は頑張った。そして一時期には世界No.2の経済大国に日本はなった。その後は安定、低成長の時代を迎え、今に至る。

だから、いろんな感情を集めるように人生を送ったほうがいい。体育教師を殴って正座させられた時も、母親が死んで親孝行できなかったのを嘆いた時も、彼氏が夫になった瞬間も、サークルの後輩に彼女を取られた時も、就活で10連敗した時も、友達とけんかして田んぼに落とされた時も、夏フェスで隣の女の子が彼女になった時も、東京の空の星は見えないこともないんだなと思ったことも、すべて君の財産になる。

これを見るあなたの人生はまだまだ続く。回り道はできるだけすべきだ。速く走ってもゆっくり歩いてもいずれ人間は死ぬ。それまでにどれだけ感情を集められるか、それで君の人生のゆたかさは決まるのではないだろうか。