新機能リリースをどのようにお客様に伝えると良いのかを考えた手順を公開
仕事の話ですが、ロリポップ!をオンラインストレージにできる、「ownCloud」の簡単インストール機能をリリースしました。
今回のリリースに当たり、プロモーション部分を担当させていただいたので、どのように構築していったかを紹介したいと思います。
事実だけを書いても届かない
今回のリリースを端的にお知らせに書くと、こんな感じになります。
ロリポップ!でオンラインストレージ構築アプリケーション「ownCloud」が簡単にインストールできる機能の提供を開始しました。
ownCloudを知っている方であれば、「おおお~~~!」となるかもしれません。なにせ、通常1万もあるファイルをFTPでアップロードして、利用開始まで数時間かかるものが、たった1分で利用できちゃうんですから。
しかし、ownCloudを知らない人にはまったく伝わりません。
より多くの方に知っていただき、自分事にしていただくためにどうするか。
今回、それにいたる手順を簡単に紹介します。
なぜやるのかを定義する
今回、プロジェクトをスタートするにあたり、「なぜやるのか」ということから定義していきました。
レンタルサーバーの新しい使い方を提案する
ここで、新しい使い方を提案するんだなということが決まります。
要するに、伝え方として、「ownCloud簡単インストール機能をリリースしました」では、ダメだということです。
誰に知ってほしいのかを定義する
今回のアプリケーションの特徴は、アプリ自体が無料で利用できるというものでした。その特長を一番欲しているのは誰かな?と考え、以下を定義しました。
中小企業
個人事業主/フリーランス
なぜか。
dropboxをはじめとしたサービスは利用者単位で利用料が発生します。
仮に月1,000円とした場合、その会社が10人いれば、毎月10,000円かかることになります。1年間だと12万円。
中小企業であらば、少しでもコストを浮かしたいところ。
それであれば、無料で利用できるownCloudがぴったりではないかと思いました。
また、サイト構築するサーバーにクライアントと素材のやり取りができるスペースがあると便利かなと思って、web制作をされる個人事業主さんもターゲットにしました。
ユーザーのメリットは何か
そのアプリケーションを使うことで、ユーザーが得られるメリットを考えました。
・ロリポップユーザーなら無料で利用できる
・ユーザー追加しても、追加料金がかからない
・大容量のファイル送信(公開)が可能
利用して欲しい人に対して、そのようなメリットを伝えようということが決まります。
課題と合わせてメリットを伝える
あとは伝えるだけなのですが、ユーザーメリットだけを伝えても、それは一方的な価値の押し付けであり、ユーザーはなかなか自分事にはしてくれません。
そこでターゲットが抱える課題は何かを考えたり、ヒヤリングしたりします。
・SaaS型はユーザー単位での課金なのでユーザーを増やせない
・大容量ファイル送信サービスを使った時に先方が広告をクリックして不要なアプリケーションをインストールしてしまった
・先方のメールボックスの容量が小さくてファイルを送れない
・リモートワークで社内で利用してたファイルサーバーをみれなくなった
など、こんなことが出てきました。
そこで、メッセージとして、これらの課題をownCloudが解決できますというアプローチを作っていきます。
LPでも、始めにターゲットが日頃困ってそうなことを解決できるツールであることをお伝えして、イラストで解決できる感を演出します。笑。
「あるある」となったところで、その後に、利用するメリットを持ってくることで、一番伝えたいメリットをちゃんと見てくれるようになります。
しかも、ポイントは「メリット」と書かないこと。
○○だから選ばれるんですよという伝え方にすることで、より価値観の押し付けがなくなります。
最後にロリポップならではの機能を紹介
インストールすること自体はロリポップ!でなくても可能です。
ここまで、ownCloudの良いところの話だけをしてきましたが、最後の最後に、他社にはないロリポップ!ならではの機能である簡単インストールについて紹介します。
これでターゲットとなるユーザーが、Webを公開するだけではないレンタルサーバーの使い方を知り、実際に使っていただけるまでになるわけです。
使ってほしい機能やサービスをリリースする際の考え方の参考になれば幸いです。
結果
想定していた使い方を検討してくださっている方もいるようで良かったなと思います。