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観てきた!ミュージカル「RENT」 2023!

ミュージカルって、なんて素晴らしいのだ。
劇中、3回も泣いた。
感動で震える。
心が洗われる。
やっぱり、目の前で人が歌い演じ踊り、キャストと観客の一体感を味わえる、この究極のエンターテイメントは必要不可欠なものなのだと改めて実感した。

最後に劇場でミュージカルを観たのはいつだったか。
全く思い出せないくらいの、相当なご無沙汰っぷり。
コロナ禍を経て、私のミュージカル観劇感激ライフを再開させるならば、その一発目に観る作品は絶対にこれにしようと決めていた。
ミュージカル「RENT」だ。

私は、自称・筋金入りのレントヘッド(「RENT」の熱狂的ファン)である。
これまで、日本版、オリジナル版と何回観たかわからない。
1998年、いまや「RENT」界隈のレジェンド・山本耕史(どんな界隈だよ)がマークを演じた日本版プロダクションを観たのをきっかけに、この世界観にどハマりした。

「RENT」のあらすじは以下の通りである。

1991年、ニューヨーク・イーストヴィレッジ。映像作家のマークは、友人で元ロックバンドのボーカル、ロジャーと古いロフトで暮らしている。夢を追う彼らに金はない。家賃(レント)を滞納し、クリスマス・イヴにもかかわらず電気も暖房も止められてしまう。恋人をエイズで亡くして以来、引きこもり続けているロジャー自身もHIVに感染しており、せめて死ぬ前に1曲後世に残す曲を書きたいともがいている。ある日、彼は階下に住むSMクラブのダンサー、ミミと出会うが彼女もまたHIVポジティブだった。一方のマークはパフォーマンスアーティストのモーリーンに振られたばかり。彼女の新しい相手は女性弁護士のジョアンヌだ。仲間のコリンズは暴漢に襲われたところをストリートドラマーのエンジェルに助けられ、二人は惹かれあう。季節は巡り、彼らの関係もまた少しずつ変わってゆく。出会い、衝突、葛藤、別れ、そして二度目のクリスマス・イヴ……

シアタークリエ ミュージカル『RENT』 (tohostage.com)

プッチーニのオペラ「ラ・ボエーム」をベースに、LGBTQ、薬物中毒、HIV、貧困、人種など、社会のマイノリティの問題を盛り込み、ロック、ゴスペル、タンゴなどジャンルにとらわれない多彩な音楽に載せて綴られていく、若者たちの苦悩と愛の物語である。

私が観に行ったのはイープラスの貸切公演で、席が私史上最高の神席だった!!!
何列目かは言わないでおくが、とんでもなく前のほぼセンターで、ステージが近いことこの上ない。
これ、キャストの発する飛沫かぶりそうだなって思うぐらい。(そう思うだけで、実際はどうかわからない。)
キャストが歌って口開けてる時の歯並びもよく見えたし、ところどころでキャストが客席に目線を送ってくれるのだけど、はっきり目が合ったとわかって照れちゃうぐらいの近さなのである。
イープラスで抽選申込する段階で、前方センター席かそれ以外かで選ばせてくれて、結果、晴れて当選したわけだが、本当にイープラス、ありがとう!
あんなに近くで「RENT」を観させてくれてありがとう!
こういうの、他のミュージカルでもやってるのか知らないけど、素晴らしい企画なので、今後もどんどんやってもらいたい。

ここからは、劇中感じたことをツラツラと。

  • とにかく近い。キャストがステージの前方に立てば、客席の私からは若干見上げるような感じに。近い。ロジャーとミミがぶっちゅ~キスしてるのも、コリンズとエンジェルがぶっちゅ~キスしてるのも、がっつり見えた。近い。但し、あまりに前過ぎて、全体を俯瞰的に見るには不利。ステージの左右でそれぞれがセリフ言ってると首をブンブン振らないとならない。近い。毎度恒例のモーリーンのお尻披露のシーンでは、ステージの右側の方で、これまたお尻の向きが右側に向いていたのでどんなんだったか全然見れず!あぁ、残念。近い。佐竹莉奈さんのお尻、きっとプリプリした美尻なんだろう。近すぎて、こんな誤算が生まれるとは思わなんだ。あぁ、観たかった!

  • 冒頭の「Rent」という、このミュージカルのオープニング的な位置づけのロック調の曲。〽どうやって払う、去年のレント(家賃)~!とロジャー、マーク、コリンズなどの主要キャストらの、それぞれの歌のうまさ、ハモりの層の厚みと言ったテクニカルな部分に、のっけから感嘆しきり。それと同時にすごい圧を感じる。これって生身の人を間近で観てるからこそ感じられるもの。コロナ禍を経て、再び劇場に観に来れたこと、キャストやスタッフに感染者が出ず、中止もせずに開演できていること、コロナ禍に色々と鬱屈したこともあったけど、とにかくこれで良かったよ!と感慨に浸って、ここってまだ全然泣くところじゃないけど涙が勝手に流れる。はい、泣き1回目。

  • この日のエンジェルはRIOSKEさん。超絶美人で可愛いエンジェルですわ。上の方だけプラチナブロンドで、アシンメトリーなヘアスタイルカッコいい。「Today 4 U」では、キレッキレのダンスと歌で一気に気分を盛り上げてくれた。自然と客席からも手拍子が湧く。多くの人もそうかもしれないけど、私が「RENT」の登場人物の中で一番好きなのはエンジェル。だからこそ、エンジェル役のキャストが、ちゃんとエンジェルしてるか注目して見ちゃう。それぞれのキャストの個性を存分に反映させてくれていいんだけど、そのキャストがどれだけエンジェルを好演してるかが、このミュージカルの成功の鍵でもあると私は思ってる。実際、過去の「RENT」で、誰とは言わないけど、エンジェルがイマイチだなって思っちゃったときがあって、その時はストーリーに全く入っていけなくなっって泣けなかった。その点、RIOSKEさんの歌・所作・振舞の細部に渡ってエンジェルの魂が宿ってるように感じられて恐れ入る。

  • ミミの「Out tonight」。遥海さんがソバージュヘア(って今も言う?)の頭を、歌舞伎の連獅子かミミかってなぐらいにブンブン回して金粉飛び散ってくの、セクシーな感じですごい好き。私もあんなセクシーさが欲しい。ソバージュヘアにすべきか。でも私、比較的直毛でパーマかかりづらいし、かかってもすぐとれちゃうのよね。(←どうでもいい情報)

  • モーリーンのパフォーマンス。マークの平間壮一さんが「アハハハハ!」と笑い声を出してくれたので、笑うきっかけを掴めた。なんと今回の「RENT」では、マスク着用の上で客席の声出しOK。私も叫んだ、ム~~~~~~~~~~~~!!!!!!

  • 二幕のオープニングは、「Seasons of Love」から。前にこの曲について、noteに書いたことがあった。この曲の意味はよく理解しているつもり。人生を愛で数えようというこの曲。意味をかみしめながら聴き入る。目と鼻の先でキャストの皆さんにこの曲を歌われてごらんなさいな。もう感極まって目頭から涙滴る。特にソロの男性と女性のお二人、めっちゃよかった!この曲を目の前で歌ってもらえて、本当に良かった。はい、泣き2回目。

  • 「Contact」のあたりから、エンジェルがいなくなっちゃうと思うとじわじわ涙ぐんできちゃって、コリンズの「終わった。」というセリフのあたりでは私の涙腺ダムは完全に決壊し、滂沱の涙。皆それぞれがエンジェルのことを語るあたりでは、特にミミ、言葉に詰まりそうになる感じが、エンジェルへの思いが伝わってきて良かったよ。そしてコリンズの「I'll Cover You - Reprise」のあたりでは、幾筋も涙が流れた結果、マスクの下がぐしょぐしょ状態に。はい、泣き3回目。

  • 「Finale B」。毎度、ミミが生き返るかのような(?)この最後の話の持っていき方は安易だなとは思うのだけど、未来も過去もない、今日しかない(No Day But Today)と、最後の最後に波状攻撃の如く畳みかけられると、自然と気持ちが前を向くから不思議。ここではもう涙は引っ込んでる。

なんでこんなに繰り返し「RENT」を観たくなるのか。
このミュージカルのキャッチコピーにも使われ、劇中の歌詞にも出てくるフレーズ、「No Day But Today」。
直訳すれば「今日以外の日はない」。
前後の脈絡によっては、その日暮らしのようなネガティブな意味にも取れるし、今日を大切にしてとポジティブな意味にも取れるが、「RENT」が最終的に訴えたいメッセージは、この後者の方の意味だろう。
この瞬間は二度とない、この瞬間を大切に生きていこう。
日々忙殺され、その一瞬一瞬を大切に思いながら丁寧に生きているかと言えばそうではない。
しかし、「RENT」を観たら、この一瞬、この一日の大切さを思い出させてくれる。
生きていれば、嫌なことも辛いことも多々あるが、それはそれとして一旦横において置き、明日から、いや、この劇場を出てからすぐにでも、前を向いて生きていこうと、そんな気持ちに毎度させてくれるのだ。
「RENT」は、私の心のリフレッシャー(元気を回復させるもの)、もしくは、心の浄化剤みたいなものだろう。
そう信じているからこそ、毎度、日本で公演があれば劇場に足を運んで観てみたいと思う。
「RENT 2023」、観ることができて本当に良かった。
今回も、期待を裏切らず、私の心を前向きにしてくれた。
今回もそう思わせてくれた、キャストやスタッフの皆さんに感謝申し上げたい。

観る時々の自分の心境によって、受け止め方がちょっとずつ変わるのだが、今の私の精神状況をして、今回の「RENT」を観て弾き出された答えの一つは、「もしかしたら私にはもう明日はないかもしれないし、あの人にももう明日はないかもしれない。だから、あの人にちゃんと愛を伝えておかなくちゃ。」ということだ。


過去の「RENT」に関連したnoteはこちら(▼)


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