竹林の神様
(※誤って記事を削除してしまったため、再掲です。初出 2020/06/11)
カナミ「京都なーう!!!」
敗斗「脈絡のなさ!」
カナミ「なに言ってんの! 初夏といったら、京都でしょ! 見なさいよ、この新緑!!」
敗斗「『竹林の小径(ちくりんのこみち)』な……。確かに、色んなドラマやCMの撮影でも利用されてるらしいが……」
カナミ「はぁー。ここでヒッ◯ーくんが告白作戦を実行して、ガ◯マちゃんに泣かれたのねー」
敗斗「他作品の話題出すの、やめてくださる!? あと、アニメの時期は秋〜冬じゃなかったか!?」
カナミ「確かにライトアップされる秋〜冬もキレイだと思うわ。でも、竹と言ったら夏よ、夏。だって緑だもん」
敗斗「つか、なんでいきなり京都来てんだよ……。平日だぞ……」
カナミ「いいじゃない。どーせあんた、今日も学校サボるつもりだったんでしょ?」
敗斗「昨日も深夜まで《取引》してたせいで眠いんだよ……。お前は学校行け。まともな仕事に就けねーぞ」
カナミ「いいわよ、べつに。あたしもあんたも、すでに社会人みたいなもんでしょ」
敗斗「確かに。……。……いや、それはどうだろう!?」
カナミ「あたしは大家だし、あんたも一生、血で血を洗う日々を送るんでしょ?」
敗斗「俺の扱い……」
カナミ「で、あたしは時々、あんたのオゴリで《魔石通貨》を使わせてもらうわけだけど」
敗斗「理不尽!」
カナミ「なーに言ってんの。こんな美女と旅行デートできんのよ? 喜びなさい」
敗斗「うお……。おい、なんか急に線路あるぞ」
カナミ「青春って感じねー。ほら、行くわよ」
敗斗「どこまで行くんだよ……」
カナミ「この竹林の道の中に、『大河内山荘庭園』ってのがあるらしいのー」
敗斗「うおー! すげー!」
カナミ「なかなかいい所ねー!」
敗斗「入場料だけで抹茶まで飲めるのか。ありがたいが、経営は成り立っているのか?」
カナミ「その辺は上手くやってんでしょ。最近は自粛期間だったからガラガラだけど、平時はたくさん人が来てるんだと思うわ」
敗斗「確かに、これで入場料1,000円は安いからなー。なぜか今は500円らしいし。抹茶代だけで十分元がとれる気が……」
カナミ「ふふーん。どう? たまには、あたしに付き合ってみるのもいいでしょ?」
敗斗「うむ……。確かに、今回は楽しかった……」
カナミ「また不倫旅行行きましょうね、ア・ナ・タ♡」
敗斗「おい待て! なんだその不穏な表現!」
カナミ「へぇ〜? じゃあ、メリアやクロエに言っていいの〜?」
敗斗「うぐっ……! それは……!」
カナミ「はーい。じゃあ、帰りの交通費もよろしく〜。あ、もちろん、『円』じゃなくて『リル』でね! 飛行機も新幹線もめんどくさいわー」
敗斗「うぐぐっ……」
カナミ「へ・ん・じ・は?」
敗斗「イエス、ユア・ハイネス……」
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