フォローしませんか?
シェア
鯨山人
2021年11月29日 12:14
僕は泥の塊で海水の記憶を餌にバクテリアは活動している有機物の体温のなかに宇宙という言葉に収まりきらない宇宙がある逆さま世界 からっぽの穴むなしさの底に落っこちないように大地にへばりつき 根をおろす重力という垂直運動温度のない永遠の昼間のなかで雲のうえに投げられた数字と記号目に見えないものの信奉者は 僕ではなかった逆さま世界 からっぽの穴見える化 見えるか 可視化する仮
2021年11月26日 12:35
削った黒鉛を紙の上にこすりつける実感 実存を超えた意識の渇望縦に書きつける声の痕跡 鉛の跡排泄と循環を繰り返す臓器の内側をひっくり返してほんとのことに つながる瞬間鉛を飲み込んだ鳥の声僕の言葉 その曖昧な境界線の上こすれる黒鉛の雲がかかるほんとのことのB面をBの鉛筆で書きつける ユニ・ヴァース表出する世界のB面には聴こえないA面の歌を聴くために
2021年11月15日 10:46
宇宙の赤ん坊の産声 獣の雄叫び太く握る スプリフと骨腹の中に世界をまるごと飲み込んでねじれた時間軸のなかに残響は揺らぎ木霊する縦と横に織り上げるテキスタイル煙を吹きかけて 黒い箱舟のなかに入れる次元を半歩スライドし羽毛に包まれたまま覚醒する空という巨大な穴 ブラックホールの底剥がれた月に住むコオロギの羽根の音がアフリカのジャングルに住むライオンに届くとき狂った超猿は 焼き
2021年11月9日 12:06
冷たい月 わたしの手が木葉の朝露 わたしの舌が蒼い風 わたしの声が触れる 触れる 触れる ゆっくりと気が触れた振り子のように繰り返す 等間隔の往復運動此方と彼方を 行ったり来たり結んでひらく無限の距離反復するリズム 記憶に触れる差異のなかを歩む 犀の角現実と幻想を隔つ水平線を指でなぞる 曖昧な蜃気楼遠い記憶を近くわたしの内に知覚する世界の境界線 その向こう側わた
2021年11月2日 09:44
歩く 歩くたしかめるように大地の上 水平にうろつく 獣の巡礼ゆっくり ゆっくりみつめるようにひまわりの茎 垂直にゆっくり登る カタツムリまわる まわる欲望機械の外側にこの手でまわすいのちを紡ぐ 糸車の音アフダマーバードからダーンディ海岸までゆっくり 歩く僕の足音