よく分からない相掛かり

将棋には沢山の戦法があり、その中でも相掛かりは難しい戦法の上位には入るだろう。
将棋を始めて何年も経つが、未だに序盤10手目辺りから何を指せば良いのか分からない。

プロの公式戦から勉強しようと思っているが、端歩の綾、玉の囲い方など棋士の中でも様々な見解があるようで、なかなか自分なりの指し方が掴めない。

最近行われたB級1組順位戦屋敷-木村戦はアマチュアにも参考になる展開だったので、感想を踏まえて棋譜を追ってみたい。

互いに飛車先の歩を交換し、中段飛車に構えた局面。
公式戦での実戦例は多くないそうだが、特に研究していないアマチュア同士の対局ではよく出現する局面だ。

ここから36歩は74飛、77金、84飛、78金、74飛…と千日手を狙う手がある。

77金に代えて22角成〜88銀で76飛を許す指し方もあるのかもしれないが、一歩損の代償に得た手得の活かし方が自分にはよく分からない。

実戦は77角と飛車の横利きを残したまま駒組みが進む。
安定した陣形を維持できるので真似しやすい指し方だ。

少し進んだ局面。後手は角を交換し、22銀と角打ちに備えた。それでも66角が積極的な手で、83飛には24歩、同歩、同飛、23歩、34飛と動かれると嫌らしい。

83飛に代えて75歩、同角、74飛が手筋の受けで、好位置の角を動かしつつ、飛車を4段目に留めておく。
先手は一歩得でも角を手放しているので難しい。
74飛では54飛も見えるが、どこかで56飛とぶつけられたら嫌なのかもしれない。

また少し進んだ局面。17桂は25桂からほぐす狙い。仮に交換できても形勢がよく分からないが、先手が主導権を握っているような気がする。後手から指す手が難しい。

実戦は44歩で、あまり見たことのない手だが、次に76飛を狙いつつ、角のラインを緩和した手ということだろう(44歩を入れずに76飛は33角成、26飛、32馬でまずい)。

相掛かりの中では見慣れた形だったのに、気がつけばよく分からない戦いに入っている。これだから相掛かりは…

局面は進んで、46歩打がまたよくわからない手。代えて26飛には33桂〜26角で44桂が嫌だったか。同歩ならコビンが開くので先手気持ち悪い。

後手、上手くやったかと思ったが、ここからの先手の指し手が印象的。

同飛!、同飛、同歩、25桂、65桂!

桂損を受け入れ65桂と跳ね出すのが53地点と73歩を見て厳しかった。

25桂がいるため25角と打たれる心配がなく、先手玉はかなり堅い形。
桂損でも攻めが繋がればどうでもよく、実戦は62金、73歩以下先手が攻め続けて勝ち。

最初は馴染みのある形から始まったが、気付けば先手が良くなっていた一局で、後手の敗因が分からない。
やっぱり相掛かりは分からない。

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