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気になった歌をひとつ④

ぐるぐると上を歩いて効用を確かめている蚊取り線香/木野葛紗

                (初出: ネットプリント「きのたん。」より)

蚊取り線香は良い。とても良い。それだけで絵になる詩になる。

さて、このぐるぐると歩いているのは何だろうなと思って、文脈のまま読むとしたならそれは「蚊取り線香」!?。そんなわけない。だとしたら、歩いているのは「蚊」?

天敵であるにっくき蚊取り線香のぐるぐるの上を歩く蚊。何のために。「効用を確かめる」ために。まさかそれこそそんな事はありえないけど、ありそうで画が浮かんで笑ってしまう。蚊取り線香はあの煙に殺虫効果があるんだろうから、その上を直に歩く分には影響はない(のだろうたぶん)。

そしてそれを見ている「人」がいるわけだ。ぴっ、とひと思いに殺してしまえばいいようなものだけれど、そうする事なく歩いている蚊を見ている。あくまでも蚊を殺す役は蚊取り線香にお願いしたいというところか。そんな真面目な話ではないか。ふとフザケ心が出て、この蚊取り線香の上を歩いている蚊をキンチョールで殺したら大変面白い…と思ってしまった。すぐふざけてごめんなさい。

私、今「見ている人がいる」と言ったけれども、それは合ってるのか?蚊が主体の可能性はないか?あるな。それ、面白いな。

とても面白い歌だなと思う。絵本になりそう。しかしやっぱり、煙が出ていない蚊取り線香に何の効用もない(ような気がしている)ので、まぬけで可愛い。あっ?もしかして、煙はどんどん出ていて、その煙のないところをぐるぐる歩いている?

ものすごく楽しくなってきてどんどん妄想が止まらない。

誰か絵本にしてください。




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