たいへんなことが起こるぞと騒ぎたてるのが百舌のいけないところ

たいへんなことが起こるぞと騒ぎたてるのが百舌のいけないところ/平井弘

角川短歌2023年1月号 平井弘「アラレ」より


百舌と書くくらいだから、よほど多様な鳴き声をする鳥なのだろう。
調べたら、百舌が警戒している時の鳴き声がマシンガンを撃ちまくっているようだった。

何か変わったことが起こるとき、兎角、人は騒ぐ。いや、百舌は百舌で、人を喩えているものではないとも思う。静観せよ、と言っているわけでもないように思う。
「百舌」に好感を持っているのが前提、「おまえそういうところ良くないぞ」とおでこをつんとするような、そんなチャーミングさを感じるのは私だけか。

たいへんなこと、というとつい、今は戦争を思いついてしまうんだけど、
(一連を読んでそんなイメージを持ってしまった)人それぞれたいへんと思うことは違う。自分にぐっと引き寄せてのイメージでもいいのかもしれないな。

これぴったり31文字。ちょっとぞっとした。

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平井弘さんの短歌は表記がやわらかい。
そして私にはむずかしい。でも、私のこころのある部分を鷲掴みにして離してくれない。私の中では笹井宏之さんと同じ枠にはいる。
実はめちゃくちゃ好きな歌人のひとり。歌集は持っていない。
アマゾンの買い物カゴの中にずっと入ったまま。


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