Amazon『高い城の男』を観た感想

高い城の男 (字幕版)
https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B01MRLG932/ref=cm_sw_tw_r_pv_wb_MeJc57JVKMRq4

”原作は、ヒューゴー賞を受賞したフィリップ・K・ディックの小説。製作総指揮を務めるのは、リドリー・スコット(「ブレードランナー」)とフランク・スポトニッツ(「X-ファイル」)。「高い城の男」は、第2次世界大戦で連合国が敗れ、日本とドイツが勝利してアメリカを占領したという世界を描いている。”〈amazon prime videoより抜粋〉

全4シーズン観た総感想:面白かった(★★★☆☆)

(個人的に)面白かった点
 ①もしも第二次世界大戦で枢軸国が勝利していたら、ドイツ・日本・アメリカ市政はどうなっていたかが「映像」として観れた。(フィクションのTVドラマというエンタメ性を踏まえた上では面白かった)
 ②原作は1964年発刊で、描かれている舞台は1960年前後。WW2の当時を体感したアメリカ人作家が各国どのように観ていて、どんな描写をしているのかを観ることができた。(全4シーズン観終わった後に原作があることを知った。発刊当時は冷戦時であり、アメリカを始め関係国では波紋があったらしい。)
 ③いまの日本国民として、「(戦前までの)日本人としての思想や感覚を持っているのか」「(戦後に)アメリカナイズされてしまった?してしまった?」を考える良いきっかけとなった。(ここまでの歴史を辿り総じて「日本国民」なのかもしれないけど)

 面白くなかった点(ネタバレあり)
  
①中心人物らの行動が、さっきまで言っていたセリフと行動にズレが生じていて人物像にブレが生じているように見えた。(作者がそういう作風で有名らしいけど)
  ②最後が「俺たちの活躍はこれからだ!」みたいな展開で終わり、個人的にはもうちょっと日本、ドイツ、アメリカの今後を匂わす映像が欲しかった。(そうなると終わりがないが)
  ③何かあるごとにすーーーぐkiss&sex(文化的、価値観の違いか?)

とまぁ哲学的な作品としては面白かったです。原作者が社会・政治・形而上学的テーマを作品に込めていたようなので現状を客観的に見直すには良い作品になったと思います。amazonレビューで挙げられていますが、感情移入で見る物語作品として観てしまうと楽しめないのかなってのが正直なところです。

群像劇が観れて時間と心に余裕があれば観てもらいたい作品。
(観ることに"耐える"ことが必要な作品かと)

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