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2024年4月 川柳まとめ

4月の川柳は、149句+連作0句+投句1句。
全150句です。


4月自選川柳16句

花も恥じらうサロメの舌打ち

木蓮の花だらしなく開く時

花になど喩えられたい男たち

上手に藤に変身してよ

花になど喩えられたくない女

ふとももの触れ合う肌のキャラメリゼ

ねえ泣かせたのは春って本当?

けんけんぱ女帝が死んだけんけんぱ

輸血パック分私はきれい

手のひらを上に投げてごらん

予備の部品だけで組み上げたオアシス

桜にはサロメを避けて散る権利

蝸牛がもう居ない森 愛を待つ

花びらは飛び降りる覚悟しているか

触れられて欲しいと泣いている臓腑

両脚の描く円にだけ生命


4月30日
取り巻きが無様に焦げた猫のにおい
サムライマックを解いて編む
太陽も暗闇もないエビフライ
讃えよ讃えよ讃えよ梅昆布茶
美しい小口の本を炊くサロメ

4月29日
「うみゃあ」「うみょう」車道へ走って息絶える
野良笑え轢死したらば燃えるゴミ
眠るには寒いくらいのエビフライ
空気読めよなお前だけフカ
サロメの南蛮漬けの調子はどう?

4月28日
ホームズがあえて犯人を自称する
湯加減次第でバナナになります
眠れないほど眩いのは銀シャリ
エイタルビーヒーイングさすらえど初夏
さすらえどサロメにもある人恋し
揚げ玉サロメのポップコーン転職
花も恥じらうサロメの舌打ち

4月27日
騙された 私を責める?眠らせて
早く早く早く早く出汁を引く
さっくりと人混みを混ぜるサロメ

4月26日
長すぎるズボンの裾と擦れていく
あばずれが正しかったよ君は何?
頼りなく甘える瞳を食うだろう
さくら耳にカットした肉のコロッケ
お得なクーポン券のように崇め
さすれども無為止まらなく没落
強欲に漬け込んだ王様ハラミ
処女かどうかも分からぬくせに
生白く開いた脚だったサロメ

4月25日
青いバラ煙いオダマキ黒いケシ
木蓮の花だらしなく開く時
マブダチに任せきれない背中事情
眩しくも半透明の美勇伝
八重咲きの桜を手折り散るサロメ
飛躍した支配欲だけ呼ぶサロメ

4月24日
花になど喩えられたい男たち
通院に通院を重ね偉くなる
上手に藤に変身してよ
サロメにも殺して採れるものがある
部活着の汗で重たいサロメの荷

4月23日
眩くも指紋の陰影空にあり
約立たずのクーポン券のような生
兎同士で銃殺刑に
花になど喩えられたくない女
銀を食み金色の糞をするサロメ

4月22日
飼い殺すつもりで猫に水をやる
殺すつもりで奪いに舞って
眼裏の白い菊花に殺されろ
漆黒の残り火に潜む眼裏の
望んでも望まれぬのだ倦むサロメ

4月21日
間接照明が照らす性根
もっと濃くもっと深くにあるだろう
pixivで0件のカプ サロメ泣く

4月20日
私の名前は「なまえ」で良かった
美しい膜に包まれあこや貝
獰猛なチワワに耳を咬ませてる
真夜中に潤んだタコを食うサロメ

4月19日
熱い血が耳の最奥で鳴っていた
タコの代わりに後悔を入れて焼く
ふとももの触れ合う肌のキャラメリゼ
常識的なウェディングドレス
性欲を唐揚げにしていくサロメ

4月18日
ファンファーレ デュオニソス王のお弔い
王子より毛むくじゃらのあなたを愛した
シナイの地に羊は膜を得る
朝焼けに呑まれて萎れサロメ花

4月17日
ねえ泣かせたのは春って本当?
首筋で増していくスマホゲーリビドー
厚ぼったい音節の膜が夏へと
もう夏の虫がサロメと鳴いた

4月16日
肌の下ハラスメントが虫のよう
やわらかく夫の出世がかかってる
肉じゃがの曇りない笑み守り抜く
サロメの品格首振る終わり

4月15日
あなたも卑しい血筋ですね
けんけんぱ女帝が死んだけんけんぱ
ロリータの親の金で買った墓場
誰しもが他人と家族ごっこする
幸福そうに澱んだサロメ

4月14日
呼べば来る影を齧って待っている
プレパラートの胎児が追いかけてくる
産まれない産まれてこない生き字引
霧散したくしゃみが月の裏で芽吹く
「」と。が別れるといい
昼マック夜マック朝マック犬
ガーデニア半透明にサロメ色

4月13日
輸血パック分私はきれい
業火に焚べる両親の肝
サロメは言う祈りは過去が捨てたもの

4月12日
運命のハムスターの化粧の匂い
皮肉屋の獏のいびきがメロディアス
サロメだけ水抜きして画集に挟む

4月11日
手のひらを上に投げてごらん
ブランドバルド侯爵夫人の手首
水アークゴミ袋に煌めいた尿
ババア汁ならつみれ流の故郷
花の香を埋めて叛逆を待つ
あなたにはもう振り向かないサロメよ
望まない閨で饒舌になるサロメ

4月10日
熱く痙攣する金銭感覚
金銭感覚の後ろ足
満足に育たなかった句読点
区役所が反動で半透明だ
予備の部品だけで組み上げたオアシス
サロメには乾いた時間がよく似合う

4月9日
森を射る豊かなクラーケンの澱
鈍器をテープで組み直すモビリティ
極端な話と猫の尻を嗅ぐ
負け犬の純度の高さあたたかく
尻をも向ける者を愛せよ
桜にはサロメを避けて散る権利

4月8日
膜破るそれでも踵についてくる
ジェロ/テスタ=ひきょうもの
810文字で完結するサロメ
サロメよりトライアスロンが憎い

4月7日
蝸牛がもう居ない森 愛を待つ
柘榴漬けの脳髄のトライアングル
熱烈な硬いクリップ吐くものか
土中でも華やぐサロメの白ライナー

4月6日
人権が無ければ発射しない銃
透明標本、閨に入る
生温く囁く貞操の肉塊
犬の肉を犬に食わせるかサロメ

4月5日
街中に落ちたチョコスプレーは猫
蛍光色ハニエルボーンと熾天使
マニアックすぎるプリンス胃痛持ち
渋すぎるポケモンチョイス送料別
猫の描く幾何学模様が痙攣
サロメ「桜雲は胡麻和えが美味しい」

(#君・僕・死で文を作ると好みがわかる)
ボールペンを押し続ける光る君
従僕を伴う正義の靴音
カネが無いなら安楽死です

4月4日
眠れない紅茶へ甘すぎる氷
エキシーファリティー、花です。嘘ですが。
にゅうめんの蕾が滅びかけてます
花びらは飛び降りる覚悟しているか
遅咲きの固い蕾を折るサロメ

4月3日
悪ももも歯を食いしばりももももも
水っぽいざわめき忍ぶ卅年
花時計軽やかに跳ぶ意地がある
眼裏に己が悪癖見るサロメ

4月2日
触れられて欲しいと泣いている臓腑
梢から匂い落ちる蜜は失政
嗄れたサロメの嘆き春の夜

4月1日
雪柳の消える囁きが双肩
童心に返りあらゆる目を抉る
恐竜のネイルをペンキで塗る職人
両脚の描く円にだけ生命
東雲を纏ううなじサロメ前線


見てくださりありがとうございました。

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