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2024年5月 川柳まとめ

5月の川柳は、131句+連作5句+投句27句、
全163句です。


5月自選川柳15句

ぴょんぴょんビュー夏プレゼンツ

キスせがむソーダ水の音耳元へ

5週目の由来 全てに抗えよ

耳燃える 平和の中に浸されて

(誕生日、藤を引きずりながら往く)

一緒に帰ろう、裾上げテープ

啓示(恋の端々から痛む)

藤の花ひとつひとつに拇印あり

太腿の下だけ集め踊らせる

戻りがつお味の東海道線

風呂桶に満たした広告枠で寝る

唯一とこころ砕いて雨の中

男の白い脚のパノラマ

飼っていた鳥は故郷の摩擦音

36.9℃の睫毛


5月31日
ぴょんぴょんビュー夏プレゼンツ
ずん流れてはサロメお嬢様

5月30日
キスせがむソーダ水の音耳元へ
澄み切った湖底での近親憎悪
Nobody 培養液に母、サロメ

5月29日
けーしそーかん あるるかん 痰
冷えきったステップ、救え湖底磁場
司教様(上唇を震わせて)
愛すべき自分 サロメじみて柘榴

5月28日
培養液の中の指先が私語
5週目の由来 全てに抗えよ
歴史も祈りも上唇からだ
フランス文学は盾にもならぬと
縁側に眠りレテ川忍び来る
サロメの髪に縋りつく 母よ死ね

5月27日
戦えるのか、スキップうどん?
耳燃える 平和の中に浸されて
貴女じゃなくてナナを寄越して
サロメ流おもたせは法のモヤの中

5月26日
サロメの文香うるんだ心中

5月25日
マリア像器用に洗うサロメの手

5月24日
チャリオットが猫にまみれて勝利せよ
こんな月を見ればサロメも口答え

5月23日
(誕生日、藤を引きずりながら往く)

5月22日
潤んだ瞳の覚醒、心中
帷下りサロメの指を噛み締めて

5月21日
王妃登場サロメが挫く

5月20日
戦慄く歯列でタップダンス
サロメのハイタッチ会に絶縁状

5月19日
リラを挿しうす濡れただけサロメの死

5月18日
遠大な沖に並ぶ赤い縫い目
冷やしキャプチャーボードあります
沖縄は毎日3000人不明
前触れに透析の手を止めてるサロメ

5月17日
天真爛漫が夜叉の顔
受胎した舌に太く青い眼球
一緒に帰ろう、裾上げテープ
トランプの縫い目 サロメは禁猟へ

5月16日
死んだ目の兎頭が駅に群れ
ヒヤシンスの苗床として鱈の身
水の中あなたの音だけひび割れて
胎内に浮かぶ物価はハワイ並み
啓示(恋の端々から痛む)
濡れた鼓膜サロメは敵意振りかざし

5月15日
want cardからは銀の蜜が枯れる
微睡んだとき口内の芥子の味
ヘアピンが世界を崩して眠れない
冒険が夢だった人のドミノピザ
記憶のない愛するあなたのための旅
椎茸の透析部分を切除した
問題児の唇はシャネル
ラプラスの群れで踊って強盗団
遮光率100%の天国
藤の花ひとつひとつに拇印あり
髪の長いトランプが三つ指を立てる
鳥籠の中の懐手のサロメ

5月14日
匙加減 波打った藤は諦める
ドルジェネの金と輝石が自殺未遂
おもちゃの汽車で亡国に芽ず
アラブ人の憎悪の浅さで浅漬け
国がないサロメ人の足跡に藤

5月13日
トマホーク越しに女神がくしゃみして
虹色のLEDに群れる祖父
ハッピーと名前を付けられた孤児
妖精のレコンキスタで下卑た笑み
薄闇にあっけらかんとあるラッパ
太腿の下だけ集め踊らせる
生姜欠け無鉄砲に海が干上がる
戦隊ピンク蹴り飛ばす青サロメ

5月12日
白銀灯の広告欄に花の痕
魔女の休息 真珠貝の中の檻
戻りがつお味の東海道線
ヒーリング・レコンキスタを酒で割る
チョコミント味の朽ち方を踏む
3回回しサロメが癒える

5月11日
風呂桶に満たした広告枠で寝る
牛の嘆き聴かれて花の声 黙殺
ロコンの尾に精密ドライバーを当て
サロメからレース越しに産まれる大火

5月10日
タイ人の笑顔が波打ってしまう
クリームソーダは溢れるし藤になる
すっきりと起きた東海道を処す
ひしめいて波打っている微睡みの
堪え吐き気を堪え今婚姻す
生ゴミになったサロメの藤ドレス

5月9日
足りてないビタミンを摂らなくちゃ羅刹
半生を分厚く切ってトンカツに
銀色の青葉は薄い麦茶主義
朽ちた愛が滲む幕間のサロメ

5月8日
恋心のままにレコンキスタ
不具のデエビゴの恋心
唯一とこころ砕いて雨の中
所変わってサロメ酒造場

5月7日
寝付けずに涙をこぼしている西瓜
逆さ鏡にあるさか睫毛
半生を溶かした水薬
芍薬を浮かべた毒を飲むサロメ

5月6日
薔薇の名前を土偶につける
蝶逃げる夜デニーズにいる
男の白い脚のパノラマ
粉々のフィリピン人の九十九里
間延びした青葉嘯く居酒屋の
牛丼の七味満月を呑み込む
懸命に子守りをして落とす銀色
藤の中密かに育てる反逆者
薄い麦茶で猫の指切り
蝋燭でサロメ プロレス レコンキスタ

5月5日
腕を抉りとる氷結2本
透き通るレモンサワーの舌使い
女の手を借りない男
飼っていた鳥は故郷の摩擦音
膵臓に濃い化粧をした乞食たち
こだわった昏睡に陥る五月
(いがいとかんたんにあやめました)
青いバラ色の百合たちの初夜
象徴として佇む肩にサロメ

5月4日
柏葉の毛深いてのひらの純度
腰が熔け変貌していくセロトニン
憐れめに鳴いておけばもう来ない
凹凸の陰影に吐く吐き散らす
登ってはサロメの顔色を盗んだ

5月3日
川柳5句「消化」
若返り過去の遺恨をマヨで食う
芍薬の花だけ食べても老い果てる
すれ違う恋が初夏色にたわわに
柔らかな乳房を茹でこぼして食べる
晴れやかな色の缶入りの心臓

サロメにも第二の恋くらい子くらい
男の化粧を学ぶサロメ

5月2日
はつなつは使い古された硬い樹皮
36.9℃の睫毛
沢山の演技が呻いていきました
花匂う真夜中の檻みそラーメン
前髪を掴んだところで始まらぬ
脇腹を掻き壊してはサロメ滲む

5月1日
厚ぼったい安月給を潤ませる
サロメとは理解されない王子様


ありがとうございました。

#川柳 #現代川柳 #senryu

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