ミットフィルダーな生き方

小学校の頃の僕はサッカーをしていた。
ポジションは左サイドハーフ。部類としてはミットフィルダー(MF)。このポジションはFWとDFの間を何度も行き来する役割で、僕は試合中前に後ろにひたすらダッシュしていた。

コーチでもあった父はMFというポジションをこう表現した。

「走り回って味方をサポートするポジション」

僕に合っていると思った。DF向きのガタイは無いし、FWのような華やかさもないけど、体力はあったから。

僕はひたすら走り、FWが敵に囲まれたら助けにいき、敵が攻め込んできたらDFのもとに辿り着くまでに小さな体をはって止めた。
あとはサイドを駆け上がりオーバーラップして、ボールを受けるとゴール前の味方にセンタリングしたりしていた。

ひたすら練習した甲斐あってサッカーの基本的な技術は結構上手くてずっとスタメンだった。

そんな風にサッカーを小6まで続けたが、僕がゴールを決めたことは1度もなかった。

僕は今でもMFは僕に合っているポジションだと思う。だって僕の生き方そっくりだ。

小学生の僕はゴールを決めることはできなかったけど、今の僕はどうなんだろう。誰かのために走り回った末、ゴールを決めることはできるんだろうか。そしてそれを喜んでくれる人はいるんだろうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?