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四月 星繍
2019年10月30日 18:48
メッセージを打っては消してを繰り返して、結局送信ボタンを押せずに下書きとして保存する夜が、もうどうでもいいと豪語して、それが一晩の堕落の免罪符になると思い込んでいた夜が、かつて好きだった人の手を握っていた手は、今ではスマートフォンを握りしめるしかなかった夜が、高揚も抱擁も体温も、あの人がどうやって笑っていたかも忘れてしまったのに、もらった言葉だけが呪いみたいにこべりついている夜が、君にもありました