恭敬房ぐみょう(白檀之蔵)

富士山麓の大本山に僧侶として勤める。葬式仏教全盛の中、医療との垣根である終末期ケアや看…

恭敬房ぐみょう(白檀之蔵)

富士山麓の大本山に僧侶として勤める。葬式仏教全盛の中、医療との垣根である終末期ケアや看取りに関心を持つ。「忙しいは心を亡くすと書きます。たまにはお寺に来てボーっとしませんか?」慶應大学卒。留学。コンサル・ベンチャーを経て、家業を継ぐ。東北大学大学院 臨床宗教師養成講座 在学中。

最近の記事

お坊さんの死生観日記 ~思想と臨床~ #007「Fujiyamaから愛を込めて」

おはようございます。昨日は、お寺で年に一度の大法要があり、さらに、年に一度あるかないかの重要会議が、その後に行われました。当山で1日のうちにこの2つが起こるのは、10年振りでしょうか?! そこで僕は、この数日は「1年で一番忙しいんだよ」と妻に話したところ、「1年で一番忙しい日々が年に何回かあるよねえ」と切り返されました。「・・・確かに。」 「忙しい」というセリフを、・家事をしない・育児をしない・妻のフォローをしない、ことの「免罪符」にしたがる世の男性諸君に伝えます。 期待

    • お坊さんの死生観日記 ~思想と臨床~ #006「生老病死の生の意味は?」

      こんばんは。最近の週末は雨が多かったように思えますが、今週末は全国的に晴れの天気のようですね。感染防止対策を念頭に、少し羽を伸ばしたいものです。 さて、今日は、四苦についてお話ししようかと考えました。昨日が4月9日で、し・く、と読めるから、語呂合わせで選んだろうというご指摘には、ノーコメントです。4月9日生まれの人が、嫌な気持ちになりませんように! 気を取り直して…。四苦とは仏教用語でして、「生」「老」「病」「死」のことだよと少し紹介いたしました。生きる苦しみ、老いる苦し

      • お坊さんの死生観日記 ~思想と臨床~ #005 「ブッダとケシの実」

        こんにちは。恭敬房ぐみょうです。最初の漢字は、”くぎょう”と読みます。 お釈迦様(仏陀、釈迦牟尼世尊)には実に沢山の説話が残されており、2500年前でも、人の営みや考えは変わらぬものだなと、微笑ましかったり、苦笑したりします。また、お釈迦様という実在の人物の、人間性が実に良く描かれており、感心致します。お釈迦様は、サンガという僧侶集団の組織化を行い、集団生活のルールを策定し、動機付けを行い、ビジョン・ミッションを明示するリーダーの存在であり、他方、揉め事を仲裁したり裁定する

        • お坊さんの死生観日記 ~思想と臨床~ #004

          こんにちは。今朝は少々冷え込みましたが、良い天気になりました。皆さんはいかがお過ごしでしょうか。タイトル写真は私が住込みでお勤めをしているお寺の参道から撮影したものです(1ヶ月程前)。今年は桜の開花が早く、入学式のシーズンには大方散ってしまっているでしょうね。写真の桜は早咲きの桜で、伊豆の河津桜の仲間のようです。 さて、火曜日の夜は、「お看取り・おくりびと」というテーマで、看護師、僧侶、葬祭業者が自由に語るトークセッション(オンライン)を聴いています。先週の回には、私もパネ

        お坊さんの死生観日記 ~思想と臨床~ #007「Fujiyamaから愛を込めて」

          お坊さんの死生観日記 ~思想と臨床~ #003

          訪問介護 新規案件――。41歳男性。介護保険適用対象… 上記情報のみで、介護ケアマネージャーは初回訪問の際に、気が重くなると言う。大方が、余命宣告されるような、末期がん患者と分かってしまうからだ。 40歳から課される介護保険が適用されるのは、通常65歳以上。しかし、40代という若さで適用となる例外ケースもある。末期がんやALSのような、回復がほぼほぼ見込めない難病指定である。 41歳男性。子供3人。末っ子は、まだ2歳未満。男性には珍しい「乳がん」で発見が遅れて、手遅れだ

          お坊さんの死生観日記 ~思想と臨床~ #003

          お坊さんの死生観日記 ~思想と臨床~ #002

          こんにちは。土曜日の昼間から「苦しみ」の話で恐縮ですが、ハッピーエンドになるはずなので、最後まで聞いてください!笑 💦 今日のキーワードは、①加山雄三さん声 ②故 田中邦衛さんが自分に話しかけてくれる?! ③無線音声の不思議 ④四苦八苦への挑戦 です! 四苦八苦 という四字熟語はよく聞きますよね。これは仏教用語でして、四苦とは、生・老・病・死。それにもう4つの苦しみを追加して、八苦になります。今日は、そのうちの一つ、「愛別離苦」にフォーカスします。四苦八苦の全体については、

          お坊さんの死生観日記 ~思想と臨床~ #002

          お坊さんの死生観日記 ~思想と臨床~ #001

          こんにちは。桜の花が散り舞う、柔らかな風を感じながら、note に新規登録しました。アウトプットする場を増やしたいな、コツコツと継続していくものを持ちたいなと思ったのがきっかけです。4月1日・エイプリルフールの翌日から始めたら、続けられそうだなと思い、4月2日からスタート。笑 タイトルに「日記」と付けましたが、実際は、”ほぼ日”になることでしょう。 さて、「死生観」というのは、もちろん一口には語れないもので、私自身そんな「観」を有しているのか疑わしくもあり、ねらいとしては、

          お坊さんの死生観日記 ~思想と臨床~ #001