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作曲の技法

現代的な音楽、とくにダンスミュージックをつくる場合はコード進行・メロディーなんかを気にせずに、とにかく良いと思ったフレーズをカットインさせたり重ねたりして作っていくので、よほど違和感がなければそのまま完成ってことが普通にあります

ただ、コンテストやリミックスする場合は、完成してる曲にさらに手を加えることになるので原曲について、つまり楽譜の読み方・曲の構成については最低限知っておいてソンはないと考えてます

とくに、『古典的な作曲の技法』については現在進行形のダンスミュージックにも応用できるので、基本的なことを書いてみます
といっても、本やWEBなんかでよく見かけるかもしれない一般的なことです

まずは 音階
音階表現にはいくつかあって、その構成音階をドレミで書くと

【四七(よな)抜き音階】 世界中の音楽(民謡、ポピュラーミュージック)で使われてる音階

     ド レ ミ ソ ラ

※ 四七(よな)の由来は音階の四音(ファ)と七音(シ)を抜くから
【ビートルズ音階】 20世紀を代表するアーティストのビートルズがよく使っているといわれている音階

     ド レ ミ ファ ソ ラ シ♭

※ 古い言い方だと、【ミクソリディアン音階】と呼ばれてジャズや民族音楽の音階。ビートルズの印象が影響してか、ビートルズ音階と言われるほどになったようです
【ブルーノート(5音)音階】

     ド ミ♭ ファ ソ シ♭

※ブルー(憂鬱)な音階を意味する、ロック、ジャズで使われる音階
スリーコードと呼ばれる C7 F7 G7 と 合わせて使われる
【沖縄音階】 いわずと知れた沖縄風の音階

     ド ミ ファ ソ シ

※ 厳密には多少違うと思いますが、レ ラ の音を抜くだけて沖縄風。

ざっと有名な音階はこれくらい。ググってみれば他にもあると思います

次に コード
和音とよばれていて、三和音(トライアド)がよく知られています。音楽の授業でもおなじみかと
ドレミファソラシの上に2つの音を重ねてできた和音で、もっとも相性の良いのをダイアトニックコードと呼びます

【ダイアトニックコード】

  C  Dm  Em  F  Gと(G7)  Am  Bm(♭5)

※ Gに1音重ねて G7(ジー・セブンス) とすることも多いです

また、ダイアトニックコードには作曲上の都合で

C を トニック
Dm を サブドミナント 
Em を トニック 
F を サブドミナント 
G(G7) を ドミナント 
Am を トニック 
Bm(♭5) を ドミナント

と呼びます

コードネームにさらにネーム? トニック??サブドミナント?ドミナント??
自分も最初は????だった記憶がありますが、このような名称が付いてるというのは、和音の役割を明確にする意図があってのことだろうと思いますね

そして、その役割ってのが

トニック は、父性的で安定感と終止感がある響き

サブドミナント は、トニックの子供的な自由で奔放感のある響き

ドミナント は、母性的で次の和音にトニックを使いたくなる響き

※ トニックを主和音、サブドミナントを下属和音、ドミナントを属和音とも呼びます

といった感じでなかなか役割が明確

また、C(トニック) F(サブドミナント) GまたはG7(ドミナント) はコード進行の基本と言われるくらいとても重要なコード

四和音(セブンス・コード)と言われるのもあって
三和音よりも1音多く響きが豊かで、現代的なロック、ポップス、ジャズには都合が良い和音のようです
逆にいうと、日本的な演歌、童謡にはストレートでシンプルな三和音が向いているといわれています
三味線の弦が3本というのも三和音がメインだからかもしれないですね

【セブンス・コード】

CM7 Dm7 Em7 FM7 G7 Am7 Bm7(♭5)とBm7-5

CM7 トニック 
Dm7 サブドミナント
Em7 トニック
FM7 サブドミナント
G7  ドミナント
Am7 トニック
Bm7(♭5)とBm7-5 ドミナント

となってます

では、いままで説明してきた『トニック サブドミナント ドミナント ってのは、どのように使うのか?』ってなりますが、トニック サブドミナント ドミナントは、作曲の定型パターン、いわゆるコード進行に使います
また、トニックから始まりトニックに終わる場合のコード進行を和声学では「カデンツ」と呼んでいます

そしてコード進行(カデンツ)にはいくつかの「定型パターン」があり、代表的なものは

【代表的なコード進行(カデンツ)の定型パターン】

① トニック ⇒ ドミナント ⇒ トニック
② トニック ⇒ サブドミナント ⇒ ドミナント ⇒ トニック
③ トニック ⇒ サブドミナント ⇒ トニック
④ トニック ⇒ ドミナント ⇒ サブドミナント ⇒ トニック

となっていて、原則的にクラシックのようなジャンルでは ④のような、ドミナント ⇒ サブドミナント という流れはNGとなってるそうですが、ロック、ブルースでは問題なく使われているようです

そして実際のコード進行をつくる場合には、三和音(ダイアトニックコード)と四和音(セブンス・コード)の中で和音を撰び、コード進行のパターンに当てはめていくわけです

パズルみたいに規則的に当てはめていって曲が出来上がるのはちょっと面白いし、俗に『自由に音をつかって曲作り』とは言いながら、「よく使われる和音の範囲は狭く、だいたい決まっている」っていう矛盾がチラホラ垣間見え不思議です

さらにこれはハ長調(メジャー)なので、短調(マイナー)にも同様のコード(ダイアトニックコード)と、トニック サブドミナント ドミナントがあって

【自然的短音階】

  Am  Bm(♭5) C  Dm  Em  F  G
 
Am     トニック
Bm(♭5) サブドミナント
C      トニック
Dm     サブドミナント
Em     ドミナント
F      トニック
G      ドミナント
【和声的短音階】

 Am  Bm(♭5) C(♯5)  Dm  E  F  G♯m(♭5)
 
Am     トニック
Bm(♭5)   サブドミナント
C(♯5)   トニック
Dm     サブドミナント
E      ドミナント
F      トニック
G♯m(♭5) ドミナント
【旋律的短音階】

 Am Bm C(♯5) D  E F♯m(♭5) G♯m(♭5)
 
Am     トニック
Bm      サブドミナント
C(♯5)   トニック
D      サブドミナント
E      ドミナント
F♯m(♭5) トニック
G♯m(♭5) ドミナント

短調(マイナー)は3種類と結構なボリュームですが、基本的には
Am Dm D Em E がコード進行の主要コードになる場合が多いと言われています
※ G G♯m(♭5) をドミナントではなくサブドミナントとする音楽ジャンルもあると聞きます

短調の代表的なコード進行(カデンツ)は
① トニック ⇒ ドミナント ⇒ トニック
② トニック ⇒ サブドミナント ⇒ ドミナント ⇒ トニック
③ トニック ⇒ サブドミナント ⇒ トニック
④ トニック ⇒ ドミナント ⇒ サブドミナント ⇒ トニック
自然的短音階は穏やかなフォークソング向き、旋律的短音階は日本風な曲向きです

また、長調と短調をミックスしたコード進行というのもあって、現代的な曲では
ビートルズ「レット・イット・ビー」が代表的な長調と短調をミックスしたコード進行と言われています

では最後に、長調と短調のダイアトニックコードを使った代表的なコード進行の例を挙げてみます

メジャー2度進行
  ・CM7 - Dm7 - Em7 - FM7
  ・FM7 - Em7 ー Dm7 - CM7
王道進行
  ・CM7 - Am7 - FM7 - G7
  ・FM7 - G7  - CM7 - Am7
その他のよく使われる長調のダイアトニックコード進行
  ・CM7 - Am7 - Em7 - FM7
  ・Dm7 - G7  - Dm7 - G7
その他のよく使われる短調のダイアトニックコード進行
  ・Am - G - F  - E7
  ・Dm - G - E7 - Am

まぁこんなとこでしょうか
他にもまだあると思うけど、残りは音楽教室などで聞いてみてください

わりと長めに書いてみたのですが、現代的ダンスミュージック音楽の作曲では、雰囲気・センス・強引さ がポイント となる場合が多いので、コード進行に縛られることのない、本来の意味での自由を表現することが大事だと思っています

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