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ななめの日

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基本的に短編。基本的に猫背。
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#短編小説

想いが伝わるその日には

 チョコが走っていた。  ビル3Fにあるこの喫茶店からは、駅舎と駅前ロータリーのぐるりを…

鵠矢一臣
4年前
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リモートワーク・クライシス

「リモートワーク中、絶対に部屋を覗いてはなりません」  毎朝必ず、夫はわたしにそう告げて…

鵠矢一臣
4年前
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私種変更

 買い物ついでに立ち寄ったワタシショップには、新型のワタシが並んでいた。  今よりも女ら…

鵠矢一臣
4年前
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ハートに火をつけないで。むしろ水かけて。

 駅近くの雑居ビルにある水風呂のないサウナに、そいつは入り浸っていた。  否、正確には入…

鵠矢一臣
4年前
23

春春春春

 春が去り、春が巡ってくる。  その街の季節は、文字通り春だけしかない。初春から始まって…

鵠矢一臣
4年前
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エモい巨塔

『Z教授の総回診です』  院内にアナウンスが流れると、にわかに病棟がざわつき始める。そし…

鵠矢一臣
4年前
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ワクツィンを打て

 ついにワクチンが僕のところにやってきた。  ただ想像していた姿とはだいぶ違っていて、玄関を開けた僕の目に飛び込んできたワクチンは、大柄で筋骨隆々の屈強そうな男だった。 「オレ、ワクツィン」  片言でぶっきらぼうに自己紹介をすると、ずかずかと僕の家に上がり込んでしまう。  土足で居間に踏み入ったワクチンは、僕に許可を得るでもなくどかりとソファーに腰を下ろした。両足を投げ出し、両腕を背もたれに回して、軽く貧乏ゆすりをしながら室内をあちこち窺っている。  青い瞳、発達して尻の

さくらさん

 さくらさんは桜ではない。そよ風だ。  彼女が歩むごと、桜の花びらがひらりひらりと舞って…

鵠矢一臣
4年前
23

キャプテン・ネコ

 我々は危機に瀕していた。すでに航路からは大きく外れ、宇宙のどこを彷徨っているのかもわか…

鵠矢一臣
4年前
18

ミノうえ、ミノした。

 俺たちがごちゃごちゃと押し合いへし合いしている所に、Lの野郎がやってきて言った。 「君…

鵠矢一臣
3年前
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しまわれるもの

『カン!』と甲高いゴングの音が鳴った。メッセージアプリの着信音だ。  卓袱台の上に置いて…

鵠矢一臣
4年前
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【ややホラー】スイーツ男子

 俺の手首にはバームクーヘンが巻き付けられている。もちろん手首だけじゃない、首にも足首に…

鵠矢一臣
4年前
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路傍の肉

「こんなんで、本当に大丈夫なんですかね?」  ネズミ色の全身タイツを着た男が、コンクリ床…

鵠矢一臣
4年前
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石を投げていい人

 ある男が、まだ開墾途中にある原っぱで切株に腰掛けてあれこれと思索にふけっているときだった。  なにやらにわかに騒がしくなった方へと目をやると、30、40人はくだらないであろう群衆がゾロゾロと男のもとへと向かって来ていた。その中心では女が一人、何人かの男に無理矢理に引きずられている。  やがて女は、思索にふけっていた男の前に突き出された。  男が群衆に何事かと訊ねると、女を引きずってきた市民の一人が鼻息を荒くしながら答える。 「先生。この女、姦通していたんです。現場を押さえ