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#165 入間市駅界隈【たてもの探訪】

2023年9月9日(土)訪問。

今回もGoogle マップで前から気になっていた西洋館に訪問してきました。場所は、埼玉県入間市。西武線沿線なのでアクセスはよし!

知名度的にはマイナーですが東京に隣接した場所⬇️


調べていくと、西洋館近隣の旧地方銀行が改修工事前の最後の公開日であることがわかり、両方訪ねることに。

所沢駅から西武池袋線に乗り換え。
初めてムーミンの電車も見ることができた😃
入間市駅北口を出て、方向を間違えて通った道で
たまたま発見した趣のある家屋
入間市駅北口を銀行方向に向かって歩く。
水色のラッピングの西武線もかわいい☺️

入間市駅から徒歩10分ぐらいの場所にある旧黒須銀行へ。

旧黒須銀行

入間市指定文化財。
明治42年に黒須銀行本店営業所として建築された建物。
渋沢栄一も設立に関わり、顧問として就任する。銀行は「現実主義と華客本位」を本旨とし、世間から「道徳銀行」と呼ばれた。「道徳経済合一説」を唱えた渋沢栄一はこのことを喜び、自ら「道徳銀行」と書いた額を贈っている。

パンフレットより抜粋

旧黒須銀行、到着。
銀行の統廃合により、現在は埼玉りそな銀行。
外観は普通の民家のように見えますけれど…。

朝から降っていた小雨も上がり、イベントが催されていた。
行ったときには、ちょうど獅子舞をやっていました。
1階は混み合っていたので、2階から見学。
ひなたぼっこの苦手な急な階段😥怖いよー
ここが銀行だったの?という2階の内装。

建築の特徴としては、明治大正時代、強そうな石造りやレンガ造りの西洋建築の銀行が多い中、明治期の地方銀行の多くは、伝統的な土蔵造りだったそうです。黒須銀行も建設当初は、土蔵造りで知られる川越の町並みと同じような、黒壁を使っていたそうです。

また、通風と彩光のためにふんだんに設けられたガラス窓や、御影石・タイルの腰壁など、近代的デザインと蔵造りの伝統とが、違和感なく融合しているのが大きな特徴だそうです。

銀行1階のカウンター
屋根瓦は良質なことで知られていた、地元の小谷田瓦を使用
渋沢栄一が贈ったという書のレプリカ。
本物は埼玉りそな銀行に飾られている。

渋沢栄一が直接関わった銀行で、現存する明治期の建物は全国で5つしかなく、その意味でも貴重らしいです。

館内はもちろん冷房がないので、ガイドさんの説明を聞いていても、ダラダラと汗が流れ、あまりの蒸し暑さに集中できませんでした〜💦
気になったのが、銀行なのに金庫室がない?!この当時は、独立した金庫室というものは作られていなかったようです。

銀行を出て、西洋館のほうに向かいますが、その途中にある教会も気になっていたので、外観だけ撮影しました。

武蔵豊岡教会

ブルーとグリーンの中間色のとんがり屋根が特徴。

下記のサイトから、中の様子などわかります。

ヴォーリズさん

この後訪れた西洋館のガイドさんの話でわかったのですが、この教会の建築家は、NHKの朝ドラ「あさが来た」の中にも登場した、建築家でもあり宣教師でもあるヴォーリズさんだと知りました。
初めて聞くお名前でしたが、日本に有名なお薬「メンソレータム」を普及させたのもこの方だそうです。

この教会のすぐ近くに、もう目的地である西洋館の屋根が見えていました。

重厚な西洋館と日本庭園に代表的な松のコラボがおしゃれ

旧石川組製糸西洋館

国登録有形文化財
大正10年上棟
国道16号沿いにあり、壁のレンガ調タイルが目を引く西洋館。CMやドラマのロケ地としてもよく使われている。
当時全国有数の製糸会社だった石川組製糸の創始者・石川幾太郎によって、取引先の外国の貿易商をもてなすための迎賓館として河原町に建てられた、西洋風の木造建築物。
設計は、東京帝国大学で西洋建築を学んだ室岡惣七
建築は、川越の宮大工・関根平蔵

パンフレット、ネットより抜粋

後からガイドさんの説明で知りましたが、この西洋館の設計者は、以前川島町に行った際に訪問した「遠山邸」と同じ方とのことで、ちょっとびっくり。
遠山邸、行っておいてよかったです。

正面玄関
館内の間取り図と見所

事前に調べたガイドツアーの時間まで少し余裕があったので、1階の食堂でお茶をすることに。暑くてヘロヘロでしたが、冷たいお茶を飲んで生き返りました😄

本館1階の食堂は、幾何学模様を配したパネル天井で、折上げ部分に透し彫りが施されている。
別の時間帯ですが、ドレスを着たご婦人たちが…
食堂の中にある調度品。ぶどうのデザインに注目

ガイドさんの話だと、館内の所々に「ぶどう」「雷文」(ラーメンのどんぶりにかかれている雷模様)などが統一感を出すためのこだわりとして描かれているそうです。

応接室に続く控えの間。
和風を意識した意匠と変形格天井。
壁の組み木や照明器具には雷文が用いられている。
本館1階の応接室。
お寺でよく見かける折上小組格天井。
床には、当時のペルシア絨毯が敷かれている。
カーテンボックスの縦線の模様もこだわりの1つ
この調度品にも、設計者のこだわり「ぶどう」のマークが
戦後の一時期、進駐軍に接収された際に、建具や床の間など内装の一部が改装された。
扉の高さが違うのもその時の名残。
有名な方の彫り物らしいですが…詳細な説明、忘れちゃいました〜💦
西洋風を前面に出している1階客室。
天井は鏡天井。小ぶりのステンドグラス製の照明がかわいい。
天井にはこだわりの1つ、デンタル紋(歯飾り)
2階へ続く階段は、西洋館を代表する造形美を見せている。
手すりや柱は一木を削ったもの。
形の違う大きな窓から彩光がとれた明るい階段

そして、ガイドさんとともに2階の貴賓室へ。
現在は傷みが著しく一般公開はしていないため、ドアの外側から撮影。西洋館で、最も豪華な造りの部屋だそうです。

周囲に組物を配した天井の内側は、格天井と雲を描いた絹布を張っている。

続いて、二間続きの和室へ案内されました。

外国の客人に日本風のもてなしをするために造ったと思われる。
手前のクローゼットは、もともとは床の間だったのだが、進駐軍により改造された。

真っ赤な絨毯が印象的な、本館2階の大広間。

重厚なカーテンボックスとその幕は、創建当初のもの。
大広間の裏側にある使用人専用の階段。
ステンドグラスは四君子(蘭・梅・竹・菊)をモチーフにしたもの。
本館の窓からは、高い煙突が特徴的な平屋建ての別館の屋根が見える。

ガイドさんの説明がひと通り終わった後、14時から大広間で19世紀舞踏披露があると聞き、そちらも少し見学しました。

ギャラリーのための写真撮影タイムです。
衣装は、鹿鳴館時代(1880年代後半)をイメージしている。

19世紀西洋舞踏

主に当時の社交の場であった舞踏会で踊られたダンス。
日本にも明治時代に文明開花とともに入り、鹿鳴館では毎夜踊り明かされた。

そういえば、今NHKの朝ドラで放送している「らんまん」の中にも、鹿鳴館とか舞踏会の様子が描かれてましたねー。

ちなみにこの西洋館は、たくさんのロケで使われたそうです。

残念ながら、どれも見てないけど…

時間も14時半ぐらいになったのか…空は太陽が出て暑くなってきました。ランチは埼玉県内の地域密着型デパート、丸広百貨店のファミリーレストランで(駅からは少し離れた場所でした💦)。

入間市駅南口の様子
帰りがけに見かけたデザインマンホールの蓋❗️

【まとめ】

西洋館でガイドマップをもらったのですが…。
これを先に入手していれば、もう少し早めに出発してコースの変更もしてたかもしれないけど・・・暑かったし、お腹も空いてたし、同行者もいたので、残念ながら他の場所は諦めました(ソロ活だったらもう少し自由気ままなのだけど)。
久々に汗だくで10,000歩以上歩き、少々疲れました〜。

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