[翻訳資料]使用人問題の心理学 5章・家事サービスの様々な異なるタイプとその特徴的問題

　家事サービスの環境は非常に多様であるため、すべての人に当てはめられる考慮事項はあるものの、実用的な価値のある判断を下すためには、カテゴリー分けを行い、以下のように区別した各分類に特に配慮をしなければなりません。

　第一に、実際に仕事をする以外は、すべて雇い主から独立する「日勤の労働者」がいます。第二に、「住み込み」で女主人と近しい関係にある使用人、第三に、大規模な施設の使用人で、雇い主と近しい関係になることはなく、「主任従業員やハウスキーパーの指示の下にある者」です。ビジネスハウス、つまりホテルや寄宿舎、施設の従業員もこのカテゴリーに入ります。

　この3つのタイプの労働者を観察すると、何が見えてくるでしょう。労働者階級の女の子は、できることなら店や工場に入り、できなければ日雇いの仕事をし、それができなければホテルや大きな施設で働くことになりますが、可能な限りは上流階級の女性と直接関係を持つ家事労働には就こうとしません。

　これが現在の女主人とメイドの立場です。

　大きな施設における家事サービスの条件は、微調整によって良好な状態に変えられるほど十分に満足にできる水準だと考えられています。日勤の使用人の労働時間は決まっていて、もらったお金で自分の生活環境を作っています。大きな施設の使用人はシステムの一部、管理者の部下であって、劣るわけではありません。しかし、女主人が管理者を兼ねる家の使用人は、社会システム、視点、精神的態度に直面し、これらの使用人と女主人の間で、使用人問題が構成されます。

　事業所に関する限り、使用人問題はないように思われます。ケータリングやホテルの支配人は、自分の管轄下で家事をする女性たちとの間で平和を保てると思われますし、実際に適度な平和を保っています。

　このページでは、企業内での家事サービスの状況を扱うのではなく、雇い主に　とって問題となる使用人、つまり、個人的にサービスを受ける労働者階級の女性、そしてこの点についてはほとんど注意が払われてこなかったものの、彼女の雇い主として問題となる女性についてのみ述べることにします。