旅行く者の玄関(60) 終り

 明美の家から微かに漏れる音は昔ながら友達が集合して、昔ながら笑い声だ。幸せだの不幸せのなんたるかを噛み締め味わってそのまま過ぎて消え去る時間を楽しんでいる仲間を互いにいと惜しんでいた。

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