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Enablement に取り組んだ1年間の取り組みとこれから

こんにちは!SmartHRのセールスプランニングユニットのチーフを担当している工藤 (@kudok779)です。

リレーブログ企画 #SaaSLovers の5日目を担当します。

今回はSaaS企業の中でも、重要視されているEnablementに関連したテーマについて書こうと思います。一般的には営業推進・企画・研修と言った業務があったり、データにも紐づく営業力強化を行うことも多く、Enablementという言葉の定義も各社・各国(!)本当に様々です。

「Enablementをこれから立ち上げたい」「普段どんなことをしているのか」「Enablementの必要性を知りたい」という方に少しでもお役に立てれば幸いです。

Enablementを始めた当時の課題

明確にEnablementという言葉を掲げて取り組みを始めたのは2019年7月でした。

当時の課題はズバリ「オンボーディングの型化」でした。インサイドセールスチームとセールスチーム、合わせて40名を超えるタイミングで、「市場環境の変化」「プロダクト・商材の進化」「入社→立ち上がりまでのプロセスの属人化」が問題となってきました。

主に3つの問題を解決するべく、立ち上がりまでに必要なスキルをヒアリングし、体系化して研修を実施・フォローを行うという、いわば王道とも呼べる取り組みを実践しました。

幸いにしてSalesforceを中心としたオペレーション自体は組めていたので、プロセスを1から再定義して棚卸しをする時間はなく、オンボーディングの型作りに集中して着手できたことが一番の成功要因でした。オペレーションの構築に関してはこちらのnoteもぜひ見ていただけますと幸いです。

当時の取り組みに関してはこちらでも詳細にお話しているのでぜひこちらもご覧ください。

2020年10月 現時点の課題

SmartHRの従業員人数も300名を突破しました。人数は増え続けていますが、今まで以上に会社・ビジネスサイド全体でカスタマーサクセスを実現し続けなくてはなりません。その中で、Enablementの成果を最大限発揮するためにはセールスチームだけでなく、 ビジネスサイド全体の横断的な取り組みが必要になってきました。

セールスチームだけでなく、インサイドセールスチーム・カスタマーサクセスチームも営業力強化・スキルの向上は必要かつ同時にやり続けていく必要があります。とは言え、必要となる基本的なスキルはビジネスサイド全体で共通しているものも多いです。

共通ナレッジと専門ナレッジを分け、専門ナレッジや各チームの強化を各担当で対応できるようにしてオンボーディングを実践する必要が出てきました。現在は各チームの専属のOpsチームがオンボーディングを担当しています。

ナレッジ・コンテンツ・マネジメント

ナレッジ・コンテンツ・マネジメントは非常に大切であると捉えています。Enablementの中では以下のように定義しています。

- 汎用営業資料の作成・更新。
- ベストプラクティス情報の収集・体系化・共有。
- 営業に有用なコンテンツの定期的な収集。社内ハイパフォーマーを中心としたメンバーから成功事例・コンテンツを集約し、他のメンバーでも利活用できるように体系化して情報流通させる。

他のチームでよく使われている資料・コンテンツにはどんなものがあるのか、またそもそもどんなものが存在しているのかを共有して、常に自身の最新の武器として利用できる状態が理想です。また未だコンテンツ化されていないナレッジ・ノウハウをどうやってコンテンツに昇華して展開→全員インプットにしていくのかが大切です。

インプットの方法としてはセミナー形式の勉強会・ディスカッション形式の勉強会・ドキュメント化・マネージャーからチームに展開、の3パターンを想定して届けたい情報の質・粒度に応じて変えています。

セールスマネージャーコーチング

あえて「セールス」と記載していますが、いわゆるピープルマネジメントスキルとは別に、セールスマネージャーとして必要な「チームメンバーの商談を前に進めるスキル」「チームメンバーの活動・プロセスを管理するスキル」「売上予測を正確に把握するスキル」を新しくマネジメントポジションになったメンバーが体系的に学習していく取り組みです。

セールスとして入社メンバーが、入社から立ち上がるまでに必要なスキルを定義・定量化し(今現在はどうしたら立ち上がっているのかの定義が曖昧)、立ち上がり状態のデータを活用して、メンバー個別の課題に即してセールスとしての目標達成や課題の解決に向けたコーチングが出来るためのコーチングのフレームワークを学ぶという内容です。

今後マネジメントに関わるメンバーも増える中で、こうしたフレームワークをセールスチーム内で構築することも中長長期的に非常に大切であると捉え、実践を開始しようと準備を行っています。

会社の中でEnablementはどのチームが推進していくべきなのか

上記でも記載した通り、かなり幅広く多くの取り組みを行っています。こうした状況で、Enablementはどのチームが横断的に推進していくべきなのでしょうか。会社によっては経営企画に紐付いている場合もありますが、実行・推進に関してはあくまでセールスチームであるべきだと私は考えています。

セールスチームはインサイドセールスチームとカスタマーサクセスチームのブリッジ役になり、IS↔セールス↔CSの横断的な役割を果たせる組織だと考えています。
インサイドセールスチームはテレアポとは異なり、リードタイムを短くし受注に至る商談を創出するチームです。同じ用に、セールスチームはカスタマーサクセスチームにバトンをつないでにつなげる上でも、セールスを中心にしてEnablementの施策として強化していくことが大切であると考えています。

よくある疑問: データドリブンでなければEnablementではないのか

よくある疑問ですよね。個人的にはそんなことはないと思います。会社として取り組むべき課題が明確になっていて、Enablementというテイで取り組むことで周囲の合意や認識のすり合わせが出来ているのであれば問題ないはずです。

弊社として掲げるEnablementの中でも、営業力強化に関してもテーマとしては「定性的で筋トレ的な営業力強化が7割」「定量的でデータドリブンな営業力強化が3割」というバランスで取り組んでいます。

## 定性的で筋トレ的な営業力強化
- 解決する課題
 - 適切な担当者、決裁者ではなかった、意思決定プロセスを把握できていない
 - 顧客要望を顕在化させて合意できない
 - 商談後に適切なネクストアクションを決めきれない
- 取り組み
 - ロープレの数を内部/外部で増やす
 - 「ニーズ/課題なし」「予算なし」「競合あり」 といった商談にとにかく慣れる
## 定量的でデータドリブンな営業力強化
- 解決する課題
 - 面によるアプローチ
 - 受注率の向上ではなく、失注率の低減
- 取り組み
 - セールスにおける営業力強化
  - 失注数の原因を追求する
   - 原因を見つけ改善の施策を打ち出す
   - 改善施策はEnablementに反映する
  - リードタイム短縮
   - 労働生産性の向上
   - 1人当たり受注できる数を増加させる
   - 現時点で無駄になっているアクティビティの抽出
 - 他チームとの横連携による営業力強化
  - Salesforceデータ分析
   - アクティビティ前後にある関係値の傾向把握
  - インサイドセールスチームとの案件精度調整
  - インサイドセールスチームの方針とセールスチームの方針の共通化 
  - PMM・PMとのプロダクト開発の方針の共通化

事業のフェーズや課題に応じてこのバランスを都度変えていくのが大切であると思います。

とつぜんですが

本当に突然ですが、私も実践しているEnablementの担当を募集しています!興味があればぜひ一緒に取り組みましょう!自薦・他薦問わずご応募おまちしております!

▼最後に、SmartHRの会社紹介資料を置いておきます。



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