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映画『来る』を観て

Yahoo!ニュースでこの記事(https://news.yahoo.co.jp/articles/fe7da0c7f120436b2388df7dd8747353556ee045)を読んで、映画『来る』を観た事を思い出した。

「思い出した」って書くと、あまり印象に残っていないように感じるかもしれないが、実はかなり面白かった作品。映画公開時のレビューもそうだったし、AmazonPrimeVideoの評価もそんなに高くないんだけど、これはかなり良作だと思っている。

まず俳優の演技が素晴らしい。まず妻夫木聡。正直アイドル的な俳優というぐらいの認識だったんだけど、『怒り』で綾野剛を愛しつつ疑うゲイ役が素晴らしくて(セルフィッシュな感じから、綾野剛の秘めた思いを知って後悔する演技とか)、正直あの年代では一番上手い俳優だと思ってる。この『来る』の演技も『怒り』の役と近い部分はあるんだけど、家族を愛するように見せて実は薄っぺらくて自己愛の強い役を、そして最後はそれでも家族を想うあたり、とても良く演じていて観てるだけでイラつく感じもとても良いと思った。

そして黒木華。個人的にとても好きな俳優なんだけど、『来る』の演技も良かったなあ。純朴で控えめな良妻のように見えて、タバコを吸ったり不倫したりとダークな部分を見せる、というか堕ちていくところ、怒りや呆れ、希望とか絶望とか言った感情を、「表情」で表すのがすごく上手い。国際的な賞を得た『小さなおうち』はもちろん、チョイ役の『永い言い訳』で本木雅弘といやいやセックスするシーンの表情の使い方がすごいと思った。

前段のYahoo!ニュースで取り上げられてた、柴田理恵はめっちゃ迫力ある霊能者、これは演技というよりも人としての存在感が凄いなと思った。あと小松菜奈、けっして本作では演技がすごく良いというわけではなくて、むしろキレたキャラを演じてるんだけど、なぜか良い人感が出てしまって(この俳優の地だと感じる)今ひとつな感じはあるんだけど、なんかこの先伸びていくような、すごい俳優になるような予感がする。『暗殺教室』で観た菅将暉と同じ感覚がある。

岡田准一はあんまりこういう役はやってこなかったんじゃないかなと思うけど、まあ無難に演じてたんではないだろうか。悪くないけど、最初の方の顔を見せない演出は必要なのかな?青木崇高はこういう悪人役はホント合うと思う。『朝が来る』も良かったし。松たか子は普通、伊集院光はスーパーの店長だったんだ、忘れてた。

監督は『嫌われ松子の一生』『告白』『渇き。』の中島哲也。妻夫木聡、松たか子、小松菜奈とかつながってたんだね。今はじめて知ったけど、プロデュースは川村元気だった。

視聴後に原作も読んでみたけど、ストーリーとしては割と原作に忠実に描いている。自分的には、ぼぎわんが強すぎて集めた霊能者が尻込みしたり死んだりするシーンをもう少し時間を割いた方がいいかなと思ったのと、逆に比嘉姉妹の霊能力の発現にかかる部分はカットしてもいいかなと思ったけど、全体的に展開も良かったと思う。

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